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【地方創生ベンチャーサミット2026 #1】都市と地域の“共創エンジン”を起動せよ

地方創生は人口減少への対策といった“守る”フェーズから、自らの強みを活かして“稼ぐ”、そして多様なプレイヤーとともに新しい価値を“共創する”次なるフェーズへと突入している。
都市と地方、あるいは官と民の間に存在する“見えない壁”をいかにして打ち破るのか。テクノロジーやブランド化によって“食と農”をどうやって稼ぐ産業へと転換するのか。そして、地方のポテンシャルを世界へ発信するための“本気のパートナーシップ”はどうすれば生まれるのか。
新しい地方創生のあり方をリードする人々が集まり、地域への熱意と本音が交錯するイベントが行われた。本記事では、セッションの様子を3回に分けてダイジェストでお届けする。
第1回は第一線で活躍するリーダーたちによるメインセッション「都市と地域の “見えない壁”を壊す。越境が生み出す新しい地方創生モデル」だ。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。
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都市と地域の“見えない壁”を壊す。越境が生み出す新しい地方創生モデル【セッション1】
地方創生は、人口減少への対応にとどまらず、地域の強みを活かして新たな価値を生み出す段階へと進んでいる。その実現に欠かせないのが、都市と地域、行政とスタートアップといった立場の異なるプレイヤー同士の連携だ。
一方で、官民の間には予算編成や意思決定のプロセス、自治体特有の進め方など、外からは見えにくい“壁”も存在する。そうした壁を乗り越え、形だけで終わらない共創を生み出すには何が必要なのか。
このセッションでは、品川区長の森澤 恭子さん、福岡市長の高島 宗一郎さんらが登壇。スタートアップ都市推進協議会の取り組みや、自治体と民間企業が実装につなげるためのポイント、これからの10年に求められるリーダー像について語り合った。

スタートアップ支援における都市間連携の意義
吉田さん:まずは、スタートアップ都市推進協議会を立ち上げた背景や、都市間連携の意義についてお伺いします。高島さん、いかがでしょうか。
高島さん:地方にはお金も人も企業もない、まさに“ないない尽くし”の課題があります。それを克服するために、各自治体が持つノウハウを共有し合い、お互いに学び合いながら成長していくベースとして平成25年にスタートアップ都市推進協議会をつくりました。また、スタートアップが生み出す新しいテクノロジーやサービスは、既存の規制や条例では想定されておらず、そのままでは社会実装できません。そこで国家戦略特区を活用し、福岡でうまくいった規制緩和の事例を全国へ広げていく“突破口”としての役割も担ってきました。
吉田さん:森澤さんは、品川区長に就任されてからスタートアップ都市推進協議会に参画されましたが、どのような思いがあったのでしょうか。
森澤さん:私自身、過去にスタートアップに身を置いていた経験があり、スピード感やステークホルダーとつながることの重要性を実感しています。社会実装の場としての自治体の役割は非常に大きいです。品川区の企業と一緒に福岡市のスタートアップ支援施設へ視察に行き、そこでピッチイベントを行った結果、両都市の企業が共同で店舗を出すといった具体的なコラボレーションも生まれました。東京一極集中と言われる中で、地方のさまざまな地域とつながっていく関係性が非常に大事だと思っています。

官民の“見えない壁”を乗り越え、形だけに終わらない連携を進めるには
吉田さん:都市と地域の壁の前に、官民、行政とスタートアップの間にも見えない壁があると思います。例えば、自治体の予算編成のスケジュールや特有の“お作法”を知らないと、すれ違いが起きてしまいますよね。
高島さん:そうですね。いきなり首長に直談判してショートカットしようとするのはおすすめしません。実務を担うのは現場の職員ですから、現場をすっ飛ばして上が決めても組織は動きません。福岡市では「mirai@(ミライアット)」という総合窓口を設けており、まずはそこから入ってもらうことで、適切な部署へとつなぐ仕組みにしています。
森澤さん:品川区でも「Shinagawa City Lab(品川シティラボ)」という官民連携の窓口を設け、区の施設を使った実証実験などをサポートしています。また、行政側から「こういう課題がある」と企業に向けてピッチを行い、解決策を提案してもらう取り組みも行っています。行政の動き方や意思決定のプロセスを知ってもらうスタート地点として機能しています。
吉田さん:連携協定を結んでも実働が伴わず、形式的な連携にとどまってしまうケースもありますが、これを防ぐポイントは何でしょうか。
篠永さん:熱意ある地方創生ベンチャー連合の取り組みとして、自治体と連携協定を結ぶ際は、必ず定期面談や訪問の予定をセットし、名ばかりの協定に終わらせないようにしています。また、スタートアップが1社単独で地方展開するのはハードルが高いですが、我々のように連合体を結んでスケールメリットを活かせば、複数社でチームを組んで地域の複雑な課題に対応できるという強みがあります。
高島さん:ポイントとしては、首長のコミットメントです。首長が「これをやろう」と言って現場につないだ後、目線を切ってしまうとプロジェクトは止まります。期限付きで誰が何をするかという役割分担を明確にし、途中経過にもコミットし続けること。また、首長やスタートアップ側が、現場職員の腑に落ちる議論ができているかということも大事です。これは首長や民間へのアドバイスとなりますが、議会対応などを行う職員に想像力を働かせるといいと思います。
これからの10年に向けた地方創生の展望

吉田さん:最後に、これからの10年、都市間連携や官民連携がどのような姿になっていてほしいか、展望をお聞かせください。
森澤さん:各都市でのスタートアップの交流や新しい取り組みが、しっかりと根付いていくことを期待しています。参画する都市をさらに増やし、“リスクを取ってチャレンジする人が尊敬される社会”を日本につくっていくという高島市長の思いを引き継ぎ、発展させていきたいです。
篠永さん:都市と地方の両方に、明確なビジョンを示し、仲間と共に汗をかき、取るべきリスクを取って決断できる“良いリーダー”を増やしていきたいです。そして、そのようなリーダーや挑戦する方々を、同連合の取り組みを通じてどんどん応援できる社会にしていきたいと思っています。
高島さん:私たちは、前の世代がつくってくれた社会の恩恵を受けてきました。しかし今は、社会やテクノロジーの前提が大きく変わっています。これからの10年は、私たちが恩恵を受ける側にとどまるのではなく、自分たちが負担を引き受けてでも、希望を持てる社会のバトンを次世代へつないでいく責任があります。そのためには、官民が一つになってこの難局を乗り越えていかなければなりません。

吉田さん:最後に、これからの10年、都市間連携や官民連携がどのような姿になっていてほしいか、展望をお聞かせください。
森澤さん:各都市でのスタートアップの交流や新しい取り組みが、しっかりと根付いていくことを期待しています。参画する都市をさらに増やし、“リスクを取ってチャレンジする人が尊敬される社会”を日本につくっていくという高島市長の思いを引き継ぎ、発展させていきたいです。
篠永さん:都市と地方の両方に、明確なビジョンを示し、仲間と共に汗をかき、取るべきリスクを取って決断できる“良いリーダー”を増やしていきたいです。そして、そのようなリーダーや挑戦する方々を、同連合の取り組みを通じてどんどん応援できる社会にしていきたいと思っています。
高島さん:私たちは、前の世代がつくってくれた社会の恩恵を受けてきました。しかし今は、社会やテクノロジーの前提が大きく変わっています。これからの10年は、私たちが恩恵を受ける側にとどまるのではなく、自分たちが負担を引き受けてでも、希望を持てる社会のバトンを次世代へつないでいく責任があります。そのためには、官民が一つになってこの難局を乗り越えていかなければなりません。
一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合とは
一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合は、ベンチャー企業やスタートアップがもつイノベーティブなサービスや知見を活かし、地域課題の解決や地域事業の生産性向上、持続的な地域経済の発展に貢献することを目的とした官民連携コミュニティです。平成27年の活動開始以来、勉強会や本サミットなどを通じて、自治体・民間事業者・会員企業などの交流と情報発信を推進。これまで培ってきた官民連携のネットワークを基盤に、多様な主体の共創を促し、ベンチャー企業の挑戦を地域の力へとつなげながら、地方創生の新たな実践の場づくりに取り組んでいます。
















