静岡県長泉町

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年齢層に合わせた受診勧奨で、検診を“自分事”にする。

学び
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年齢層に合わせた受診勧奨で、検診を“自分事”にする。

年代別に作成した歯周病検診の受診勧奨はがきを送付

歯周病検診の受診率が低かった長泉町は、国のモデル事業に参加し、ナッジを活用した受診勧奨により、20代の受診率が約8倍に伸びた。まち独自の改善を重ね、今後もSNSでの発信に知見を活かすという。

※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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長泉町
健康増進課
主事 岡本 里桜(おかもと りお)さん

広報紙による啓発だけでは、若者や働き世代に届きにくい。

同町では毎年6月に対象者へ歯周病検診の受診券を送り、未受診者に対しては翌年1月に広報紙を通じて受診勧奨を行っていた。ところが、全国の平均受診率が約5%(※)であるのに対し、同町は3%前後。若い世代や働き世代については、さらに低かったという。「受診券には、がん検診や特定健診などの項目も一緒に記載されているため、歯周病検診を見落としてしまう人が多かったようです。広報紙に検診の案内を載せると、一定の効果はありました。ただ、広報紙の読者層が比較的高齢であるため、若い世代や働き世代に向けた直接的な働きかけが必要だと考えていました」と岡本さんは話す。

令和2年に国のモデル事業に参加することになり、ナッジを活用した受診勧奨を行うことが決定。まずは、過去の受診者数や受診率などのデータを確認した。「20代から40代の受診率が低いため、直接手元に届くはがきでアプローチする方針を立てました。ただし年齢の幅が広いため40歳未満と40代の2つの層に分け、それぞれの層に対して内容を変えた6面の圧着はがきを作成することになりました」。

※厚生労働省「令和7年3月 歯科口腔保健の推進に向けた取組等について」より

土曜診療の有無を記載して、歯科医院を選びやすくする。

はがき作成にあたっては、ナッジ理論にもとづき、何の案内か分かりやすいよう工夫した。例えば、40歳未満向けは、1面に“5年に1回の歯の節目検診です”と記載し、受診のチャンスであることを強調。2面に受診費用を分かりやすく記載した。また、指定歯科医療機関の一覧には、休診日や土曜診療の情報も盛り込んだ。「歯科医師にヒアリングしたところ、土曜診療に関する問い合わせが多いと聞きました。受診のきっかけとして“土曜日に開いているなら行ってみよう”と思ってもらえるように、工夫をしました」。さらに40代向けには一覧に地区名を入れ、住まいの近くの医院が分かるようにしたという。

はがきを送付後、各世代の受診率が向上。20代は0.8%から6.5%と約8倍に、30代は3.0%から10.4%へと約3倍に伸びた。40代に関しても、2.6%から3.4%に増えたという。しかし、2~3年たつと受診率が伸び悩みはじめた。そのため、まち独自でデザインの見直しや情報整理などを進めたそうだ。

令和8年度以降は、より若年層に周知するため、まちの公式LINEで受診勧奨を行う予定だという。「長い文章は若い世代には読まれにくい傾向があるため、発信する画像に工夫が必要だと考えています。例えば、300円で受診できる旨を大きく表示するなど、視覚的に興味を引くことで、案内の確認につながるような情報発信に取り組んでいきたいです」。