長野県佐久市

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20年ぶりのツール刷新を機に、職員が自ら動く組織へ変貌。

情報政策
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20年ぶりのツール刷新を機に、職員が自ら動く組織へ変貌。

グループウェアを拡張するツール

庁内の情報共有などに役立つグループウェア。しかし、機能が不十分だと職員のストレスを生むこともある。佐久市ではそうした状況からの転換を図り、グループウェアの刷新とともに拡張ツールを導入。業務改革の機運を高めているという。

※下記はジチタイワークスVol.43(2026年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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佐久市
企画部 情報政策課
主任 西谷 誠仁(にしたに のぶひと)さん

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佐久市
総務部 総務課
主任 森下 慶汰(もりした けいた)さん

調査の結果から得た気づきをもとに長年使用したツールの見直しに着手。

同市における改革の発端は、令和4年に実施した業務量調査だった。同規模の自治体と比べ、特定の業務で作業時間が約2倍かかっていることが分かったのだ。西谷さんは「現実を突き付けられた気持ちでした。抜本的な業務の見直しの必要性を痛感しました」と振り返る。原因の一つは、約20年前に導入したグループウェアが双方向のコミュニケーションに対応していなかったことにある。「掲示板は一方通行で、投稿のたびに質問や確認の電話が殺到し、担当者は同じ説明を繰り返していました。カレンダーも個人の予定しか管理できず、複数人の日程調整は電話連絡が当たり前だったのです」と語る。勤怠管理や申請業務も紙の運用で、職員が書類を持って庁内を移動する状態だった。

こうした非効率を解消するため、グループウェアの刷新を決定。候補となったのが「グーグルワークスペース(以下、GWS)」だったが、ここで新たな問題が生じたという。「GWSには掲示板機能がありません。旧ツールではフル活用していたため、代替策を探したのです」。この悩みにベンダーから提案されたのが「rakumo(ラクモ)」だった。機能面と使い勝手のよさに魅力を感じたという。



古いデータを移行しない決断で導入の期間とコストを削減する。

同ツールは、掲示板やワークフローなど、組織運営に欠かせない機能をGWSに追加できる拡張ツールだ。「必要な機能が網羅されている上、GWSのアカウントを共通利用できるため、管理面でのメリットもあります。トータルで優れていると評価しました」。

導入にあたり、同市は20年分の過去データを“新ツールに移行しない”決断を下した。旧ツール内は情報が整理されておらず、そのまま移しても有効活用が難しいためだ。一方で、過去の記録が見られないと懸念する声にも配慮。旧ツールを一定期間、閲覧用として並行稼働させ、必要なデータのみを職員に選別・移行させる“断捨離”を行うことで、構築期間の短縮とコスト削減を実現した。

令和7年3月に本格運用を開始すると、すぐに利便性を実感したという。「各機能が連携し、日程調整で電話する手間がなくなりました」。また、現場の混乱を避けるため、勤怠管理システムは1カ月遅らせて始動。森下さんは「まずは出退勤の打刻のみとして、慣れてもらうことから始めました。7月からは、休暇や時間外勤務の申請も含め、フル活用しています」と話す。手計算による業務負担やミス、就業規則の理解度による勤務管理のばらつきといったリスクも解消しているそうだ。

※ISMAP=Information system Security Management and Assessment Program(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)

古いツールや慣習に別れを告げ庁内に業務改善の潮流を生む。

導入後の変化の一つが、物品購入の手続きだ。ワークフローでオンライン化したところ、申請手続きの時間が約40%削減されたという。全部署共通の作業のため、職員から“便利になった”と大きな反響があったのだとか。課題だった掲示板も活用が広がり、庁内コミュニケーションが活発化。西谷さんは「以前は不便なことがあると情報政策課に任せる受け身の姿勢が見られましたが、今は“ツールを使って自分たちで解決できないか”という相談が増えています」と、職員のマインドの変化を実感している。AIによるフォーム作成機能もハードルを下げた要因だそうだ。

今後、全部署で申請手続きのオンライン化を展開し、紙からの脱却を図るという。「当市では、今年度までに印刷用紙の購入枚数を令和5年度比で30%減らす目標を掲げています。達成を目指しつつ、効率化で生んだ時間を市民サービス向上に充てたいですね」。また、森下さんも「業務効率は格段に向上しました。今後は、事務処理の自動化などにも適用したいです」と意気込む。同市の取り組みからは、改善を生むためには変化を受け入れる勇気も必要だということがうかがえる。






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