神奈川県伊勢原市

公開日:

生成AIを日常業務に活用し、全庁で年間約850時間を削減した。

情報政策
読了まで:7
生成AIを日常業務に活用し、全庁で年間約850時間を削減した。

チャットでもWEBでも使える生成AI

社会全体が注目する生成AIの活用。業務でどのように活かすのか、自治体によって考え方も様々だ。伊勢原市では、チャットツールとWEB画面の両方から使える生成AIサービスを活用。庁内に展開しつつ効果を上げているという。

※下記はジチタイワークスVol.43(2026年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

[PR]株式会社トラストバンク

プロフィール画像

伊勢原市
企画部 デジタル・行政経営課
係長 松下 和也(まつした かずや)さん

トライアルでの好感触をステップに全庁で活用できるよう導入を決めた。

令和4年末に登場したChatGPT(GPT-3.5)は社会の関心を集め、同市でもその機能や世の中の動向を注視していた。全国で初めてChatGPT研修を開いた、同じ神奈川県内の横須賀市(よこすかし)からも情報収集したという。「行政としてどのように活用できるのか、非常に興味がありました。当市の議会でも、AI活用の研究を実施するタイミングと重なり、取り入れることに前向きな流れは一致していました」と松下さんは振り返る。

ちょうどそのタイミングで、「トラストバンク」から生成AIサービス「LoGoAIアシスタント」の無料トライアルに関する提案があり、参加を申し込んだという。同サービスは、同社が手がけるチャットツール上でAIに質問ができる。自治体専用に設計されており、LGWAN接続系とインターネット接続系の両方に適応している。

令和5年度には、2カ月間のトライアルを実施。業務用のパソコンを所持している全職員約900人に展開し、反応を探った。幅広い部署で活用され、実施後のアンケート結果では、7割以上の職員が業務の効率化を実感したと分かった。また、半数が業務時間の削減効果があったと回答していたという。「トライアルでは毎月の消費文字数が決まっているのですが、2カ月とも月末前に上限に達しました。それだけ多くの職員に使われていることが分かり、本格的な導入に向けた手応えを得ることができたのです」。こうした経緯の後、令和6年5月から同サービスを正式導入した。


専用WEB画面の便利さが生成AI活用の追い風に。

導入後の対象は、業務でパソコンを使う正規職員約700人。トライアルでの手応えもあり、庁内の機運が高まっていたため、導入の過程で大きな障壁はなかったという。「セキュリティを懸念する声が一部でありましたが、学習には利用されないことの周知や、ガイドラインの整備で不安を和らげました」。

また、同社が毎月開催しているオンラインの合同研修には、職員が積極的に参加。特にまだあまりなじみのない層にとって、基本を学ぶ機会になっているという。さらに横須賀市の手法にならって“ChatGPT通信”を定期発行。庁内でのよくある使い方や新機能などを紹介し、活用を促していった。職員から“もっと使いたい”といった声が上がりはじめた中、チャットだけでなく、同サービスの専用WEB画面からも生成AIが使えるようになった。プロンプトのテンプレートなども直感的に扱えるようになり、活用はさらに加速。より多くの文字数を送信できることや、複数の生成AIモデルの切り替えも可能になったという。ChatGPT通信でも紹介したほか、WEB画面のリンクをグループウェアのトップ画面に置いて使いやすい環境をつくっている。

伊勢原市では文章作成や校正、要約に加え、企画立案や情報収集などに幅広く活用。「上司に申請が必要な場合の文面や、部下に対する質問の投げかけ、外部団体とのやりとりなど、コミュニケーションを円滑にする目的にも役立てられています」。松下さんも、議会答弁のたたき台をつくり、作業時間を短縮できたという。「ChatGPT通信をつくるときにも使っています。読みたくなるようなキャッチーなタイトルを付けるために、壁打ちすることもありますね」。

使いやすさから活用が広がり業務改善の流れは続く。

令和6年度には、全庁で業務時間が約850時間削減された。令和7年度の平均利用率は前年から増えており、さらなる効率化に期待しているという。「全庁に広がりつつある理由の一つは、同サービスの使いやすさだと思います。簡単な内容はチャット、複雑なものは専用WEB画面で使い分けたり、複数の生成AIモデルから合うものを選んだりと、活用シーンは幅広いです。生成AIの強みを様々な方向に活かせば、企画や文章をブラッシュアップできますから」。

例規や議事録などを読み込ませ、それらにもとづいた回答を得るRAG(ラグ)機能の活用も進めているそうだ。職員が資料を調べる時間の削減や、業務の属人化防止を目指している。例えば、引きこもり支援業務で、相談対応のハンドブックなどを読み込ませておけば、統一された基準で迅速かつ細やかに対応できるようになる。「条例や規則なども、生成AIに法律や国の指針を反映して、改める箇所の提案がもらえるようになればと思っています。今は目視で見つけていますが、細かいところまで時代に合った内容にしていきたいですね」。

従来は長時間を費やしていた“まとめる・書く”という作業の負担から職員を解放し、“考える・判断する”ことに注力できるよう転換した同市の取り組み。今後は生成AIをさらに幅広い業務に活用し、使うことが当たり前という状況を目指して事例を増やしていく考えだ。

元自治体職員が語る!生成AIを頼れるパートナーに。

生成AIの有用性は理解していても、何から取り組んでいいか分からないという悩みもあるだろう。同社で全国の自治体に生成AIの導入・運用・活用を支援する元自治体職員の納さんから、現場視点でのアドバイスと、活用拡大のためのポイントを聞いた。

プロフィール画像

トラストバンク
パブリテック事業部 ビジネスグループ
納 翔一郎(なや しょういちろう)さん

職員時代に抱えていた負担や悩み

私は自治体職員として、13年間勤務していました。担当したのは税務、総務、地方創生や官民連携、観光など。中盤以降はほとんど“一人担当”で、さらには兼務をしていたこともありました。大変だったのは前例がない取り組みを進めるときですね。業務を立ち上げたばかりの状況では庁内にノウハウがなく、質問や相談ができる相手もいません。上司は忙しそうで、いつでも声をかけられるわけではない。そういうときは自治体同士のコミュニティや、民間企業などに知見を求め、手探りで進めていました。実際、コミュニティでも同じように悩んでいる職員が大勢いることに気づかされました。

そんな担当者にとって、生成AIは頼れるパートナーです。私も、職員時代に使っていたら、あんなに時間をかけずに済んだかもしれない......と思います。その経験をもとに、今はLoGoAIアシスタントの活用を支援しています。

日常になじむことで使いこなせる

AIの活用は、初めの一歩に難しさがあると思っています。私は“自転車を乗りこなす感覚で”とアドバイスしています。最初から自転車に乗れる人はいませんが、またがることから始め、少しずつ上達し、気づけば乗りこなせるようになっている。AIもまずは触れてみて、慣れていき、日常的に使えるようになるのがベストです。

そのためには、起動を習慣化し、身近なツールとして日常に溶け込んでいることが重要です。また、様々な業務の具体例が示されていれば、自分の仕事での使い方がイメージしやすくなる。質問文のテンプレートもあれば、それを参考にしながら試すことができます。本サービスはこれらを備え、職員がやるべき業務に集中できる環境をつくります。職員数が減っても自治体の業務は複雑化していくでしょう。気軽に相談できる相手だと思って、体験してみてください。

よくある活用例







 そのほかに 

  • チャットの内容を抽出して報告書に
  • 住民アンケートの結果分析に
  • あいまいな業務指示を実行可能なフローに

納さんが回答!自治体からのよくある質問

新しいツールを導入する際、うまく活用できるか、組織に浸透するかなど、気になる点が少なくないだろう。ここでは自治体から寄せられることの多い質問をピックアップし、納さんに答えてもらった。

Q. どんな指示文を入れたらいいですか?

A. テンプレートの使用がオススメです。

まずは気になることから、とりあえず聞いてみてください。300以上あるテンプレートを使えば、より気軽に質問できますよ。他自治体でもよく使われている指示文は共通点も多いので応用しやすいです。

Q. どんな使い方がオススメですか?

A. 唯一の正解よりも多様な視点を参考に。

生成AIの回答は多様解なので、唯一の正解ではなく進めるためのヒントとなる視点を求めるのがオススメ。完成させるのは職員ですが、そこまでのスピードが劇的に上がり、精度も高くなります。

Q. 活用のための支援はありますか?

A. 毎月開催する合同研修があります。

当社の社員が初・中級者向けにオンラインで基本の操作を説明します。これまで約1年半で累計5,000人以上が参加し、満足度・理解度ともに90%超。すでに利用中の自治体は無料で参加することができます。

Q. AIがなくても仕事はまわりますよね?

A. はい。ただ、使えるといいことばかりです。

今後は生成AIの活用が当たり前になっていきます。過渡期である今だからこそ、触れるようになっておくことが大事。使っていると周囲から“仕事が変わってきた!”という声が届くでしょう。

全国に広がる実績



CHECK!

合同説明会

未導入の自治体向けに、サービス概要を説明。実際の画面で機能を紹介する。
詳しくはこちら

無料トライアル実施中

同サービスの全機能を試せる無料トライアルを実施している。詳細は同社へ。

お問い合わせ

サービス提供元株式会社トラストバンク

パブリテック事業部

東京都品川区上大崎3-1-1
JR東急目黒ビル7F

TEL:050-1780-2015
Email:logo_support@trustbank.co.jp

お問い合わせ・詳細はこちら