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生成AIの回答精度を調整し職員の調べ物をラクにする。

回答精度を調整できる生成AI検索
生成AIの導入において、想定していたように使えないケースは少なくない。導入前に基本的な仕組みを理解し、業務にどう役立つかを吟味することが重要だろう。そこで今回は、生成AIの仕組みを押さえ、活用時に留意すべきポイントを探る。
※下記はジチタイワークスVol.43(2026年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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アイアクト
人工知能・コグニティブソリューション部
西原 中也(にしはら ちゅうや)さん
サービスの特性や機能を見極めて業務に役立つ生成AIを選択する。
自治体では、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを導入する動きが活発化しているという。しかし、生成AIの回答が、古い情報を根拠としていたり、誤りを含んでいたりするケースもあり、想定したほど活用できないこともある。AI技術を活用した検索ツールやチャットボットを展開する「アイアクト」の西原さんはこう話す。「生成AIの基本的な仕組みを理解していないと、何でもできると思いがちです。どんな動きをしているのか知った上で、業務に必要な機能を選ぶことが大事です」。
生成AIは、3つのパターンとして捉えることができる。1つ目はインターネットの公開情報を学習してアウトプットする、ChatGPTのような従来型の生成AIだ。一般的な回答は得意だが、最新情報や組織固有の情報は回答できない。そこで2つ目として、内部の情報やルールを教え込む方法もある。一般的な内容から業務に即した内容まで対応できるが、構築には高度な専門知識と期間が求められる。3つ目のRAG型は、情報を教え込むのではなく、内部資料を都度渡して回答をつくらせるもの。「例えば、資料を整理し要点を押さえて説明することが得意なロジカルな人にまとめさせるイメージです」。



根拠資料の優先順位を調整して精度の高い正しい回答に導く。
同社が提供する「コグモエンタープライズ生成AI」はRAGを採用し、特に回答精度の高さや管理のしやすさが強みだという。さらに、チャット型ではなく、検索画面型で提供していることもポイントだ。「注意すべきなのは、適切な情報を生成AIに渡せているかということです。AIが一度に受け取れる情報は10件程と限られています。そのため、質問に対して検索結果で正しい情報が上位になければ、正しい回答はつくれません。間違ったものを渡せば回答も変わるので、適切に情報を管理できる環境が必要です。また、略語や庁内独自の言いまわしを取り扱えるかどうかも回答精度の向上につながります」。
内部データを学習したGeminiなどの生成AIと、同サービスではどのような違いがあるのか、西原さんは次のように語る。「大きな違いは、回答が正しくない場合、管理画面から精度を調整することができるという点です。管理画面には、質問に対して生成AIが参照している資料が一覧で表示されます。職員はその内容を確認しながら、“この質問の回答にはどの資料が適切か”を判断し、優先順位を操作します。これにより、正しい情報が検索上位に配置され、次回以降は適切な資料にもとづいた、より精度の高い回答が生成されるのです」。

信頼性の高い情報を届けるために責任をもって運用していく。
実際に自治体では、職員を対象にした庁内システムと、住民を対象にしたホームページに導入している2パターンがある。茨城県では庁内システムに採用し、財務会計関連業務や人事・服務関連業務、議会議事録検索などに利用されている。数年おきに人事異動があり、業務の知識や情報が蓄積されにくい課題を解決するために導入したという。調べものにかかる時間を大幅に短縮でき、複数の部署に利用が広がったそうだ。東京都江戸川区(えどがわく)では、ホームページの検索窓に導入。住民が必要な情報を見つけやすくすることで、職員の問い合わせ対応の負担軽減につなげるねらいがあったという。また、メタバース区役所でアバターが住民の質問に答える際にも利用されている。
「生成AIは非常に有能ですが、決して完璧ではありません。間違いがあったときは修正できることが重要だと思います」と西原さんは語る。自治体の実態に合わせて柔軟に調整しながら運用していくことが、生成AI活用のカギとなるのではないだろうか。




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