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地域の創意あふれる挑戦が国のルールを変えていく。

規制・制度改革をもとに自治体の施策を後押しする特区制度
地域活性化につながるいいアイデアがあっても、法令や規則の壁から実現を諦めるケースもあるだろう。しかし、こうしたルールは「特区制度」を使って変えられる可能性があるという。制度の活用を推進する内閣府の担当者に話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.42(2026年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]内閣府 地方創生推進事務局

内閣府
地方創生推進事務局
笹本 つむぎ(ささもと つむぎ)さん
(経済産業省より出向)

内閣府
地方創生推進事務局
渡邊 宰(わたなべ つかさ)さん
(兵庫県養父市より出向)
担当者の声
特区制度は、特定の地域だけが対象というイメージがあるかもしれません。実際は、地域を問わず規制・制度改革の提案を受け付けていますし、全自治体が活用できる「構造改革特区制度」もあります。
“ルールは変えられる”という考えを全国の自治体へ広めたい。
国の法令や制度は全国一律であるため、地域ごとの事情には必ずしも合わないことがあるという。特区制度とは、国と自治体・事業者が協力して規制・制度改革を行うことで、地方創生や日本の国際競争力の強化などにつなげる制度だ。「自治体などから“このルールが変われば、事業が行いやすくなる・新たな取り組みが可能になる”といった規制・制度改革を国に提案いただき、内閣府が制度の所管官庁へ検討要請を行います。認められれば新しい特例や全国ルールの見直しにつながります」と笹本さん。
特区には3つの種類がある。指定区域のみ特例が活用できる「国家戦略特区」・「総合特区」と、全ての自治体で特例が活用できる「構造改革特区」だ。自治体や事業者などからの規制・制度改革提案は、広く募集している。「地域課題を解決する事業のアイデアがあっても、既存のルールでは実現できなかったり、技術の進展やビジネスの実態に合わないルールが残っていたりする場合もあります。そんなときに特区制度を活用すれば、道が開ける可能性があるのです」。

酒造体験場、保育士資格など規制の緩和で可能性を広げる。
この特区制度を活用して地域を活性化させている自治体は多くあると渡邊さんは話す。「例えば、酒税法に関する特例です。自治体と事業者が、廃校などを使った清酒の製造体験を計画していたのですが、製造所ごとに免許の取得を求める酒税法の規制が負担となっていました。そこで特例を適用し、免許を有している事業者であれば、簡単な届け出のみで体験場をつくれるようにしたのです」。これは新潟県佐渡市(さどし)をはじめ4つの自治体で横展開されているそうだ。
また、特区で認められた新しいルールが、法改正により全国ルールとなった例もある。その一つが地域限定保育士だ。これは特定の地域でのみ保育士資格を認めるものだが、一定の勤務実績があれば全国で勤務可能となる。国家戦略特区でスタートしたこの特例は令和7年10月から全国対象となり、保育士の人材確保につながることが期待されている。
このようなインパクトを生む特区制度だが、あまり知られていないのが課題だという。「自治体や事業者へのアンケートでは、制度を知らない、またはあまり知らない人が約7割という結果でした」。そこで、ホームページやSNSに加えて、noteでも情報を発信中だ。「事例紹介にとどまらず、背景にある自治体の皆さんの悩み、担当施策や規制・制度改革に向き合う思いなども紹介しています。そうした点にぜひ注目してほしいです」。

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相談しやすい環境を整え、自治体とともに地域を活性化。
自治体の可能性を広げる特区制度。まずは選択肢に加えてほしいと笹本さんは力を込める。「庁内外で何らかの提案や相談があった際に、“規制があるから無理”と諦めるのではなく、“このルールは変えられるかも”という発想をもってもらえると大変うれしいです。使われてこそ制度の存在価値があるので、積極的に活用してほしいですね」。
制度を使ってもらうため、相談体制も整えている。国への相談はハードルが高いと感じる人がいるかもしれないが、遠慮は無用だと渡邊さん。「私を含め、担当職員の半分以上は自治体からの出向者です。自治体の事情は理解しているので、気兼ねなく相談してください」。また、各都道府県に設置されている“特区エキスパート”への相談も可能だ。
ただ一方で、規制を緩和すればいいというものでもない。「ルールには、それが生まれた背景があります。変更がもたらす影響や、想定外の弊害が生じないかなど、広い視野での検討も大切です」と笹本さん。今後については、「特区制度で地方創生の可能性が広がるのは確かです。認知が広まり、活用自治体が増えることを願っています」と期待を寄せる。




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