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山形県尾花沢市山形県大石田町

公開日:2025-12-15

食洗機がもつ可能性に着目し住民の幸福度向上を目指す。

こども
読了まで:4分
食洗機がもつ可能性に着目し住民の幸福度向上を目指す。

食洗機を活用した住民生活の支援事業

人口減少が進む中、人を増やすより、今いる住民の暮らしの質を高めることに力を入れる自治体は多い。尾花沢市と大石田町もそうだ。食器洗い乾燥機(以下、食洗機)を活用した家事負担軽減策で、ウェルビーイングの向上を図っている。

※下記はジチタイワークスVol.41(2025年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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目次

ウェルビーイングの実現を目指して関係性の深い2自治体と民間が協働。
食洗機によって子育て世帯の男性が家事に参加するように。
チャレンジで得た確信をもとにさらなる住民の幸せを支援する。
プロフィール画像

尾花沢市
総合政策課
係長 笹原 達也(ささはら たつや)さん

プロフィール画像

大石田町
まちづくり推進課
主幹 海藤 敏之(かいとう としゆき)さん

ウェルビーイングの実現を目指して関係性の深い2自治体と民間が協働。

身体的・精神的・社会的に満たされた状態を意味するウェルビーイング。その実現を目指す自治体は少なくないだろう。同市の笹原さんは「人口減少を食い止めることは困難です。それならば、人口が減っても一人ひとりが幸せに過ごせるまちを持続したいと考えています」と話す。しかし、実効性のある取り組みを自治体が単独で行うのは容易ではない。そんな中、「パナソニック」から、食洗機を用いて子育て世帯を支援する事業の提案があった。

当初は大手企業からの提案に驚いたが、同社が目指す未来に共感したという。食洗機の導入によって、食器洗いにかかる時間の短縮はもちろん、ゆとりある育児や、男性の家事参加にも期待ができる。“この取り組みを広げたい”と同町にも声をかけ、合同で連携協定を締結。両自治体は、消防や水道など様々な行政機能を共有しており、広域連携推進協議会を組織するなど協力体制を築いている。「普段からまちの課題などについて気軽に相談し合える関係性です」と話すのは海藤さん。首長の後押しもあり、実証実験がスタートした。

補助事業までの経緯

▶令和7年1月
・連携協定締結

▶令和7年1~2月
・住民への告知
・実証実験の参加者募集
・モニター製品の引き渡し

▶令和7年3~5月
・実証実験

▶令和7年7月
・補助事業開始

食洗機によって子育て世帯の男性が家事に参加するように。

実証実験では、子育て世帯を対象に無料モニターを募集し、食洗機を貸与。導入によって、家庭にどのような変化が起きるかを調査した。モニター募集は、広報紙・ホームページ・公式LINEで告知を行ったほか、口コミによる拡散もあったという。また、庁舎や乳幼児健診の会場でデモ機を展示するなど、周知にも工夫を凝らした。直接目に触れる機会を設けたため、住民だけでなく職員からの注目度も高かったそうだ。

無料モニターには使用後にアンケートを行い、一部の家庭にはインタビューも実施。“夫が積極的に食器洗いをしてくれるようになった”“食洗機のおかげで時間と心にゆとりができて、子どもの手伝いを見守れるようになった”など好意的な意見が寄せられた。こうして、食洗機の導入が住民のウェルビーイングに寄与することを実感したという。

「農業を営む家庭では、お昼休みに自宅で食事をすることが多いそうです。当市では主に女性が家事を担うケースが大半で、食器洗いのために食後の休憩が取れないという声がありました。しかし、食洗機があれば解消できそうです」と笹原さん。海藤さんは「若い世代は共働きで、忙しい家庭が少なくありません。食洗機の導入によってゆとりが生まれるだけでなく、家庭が円満になり、子育てにも力を入れられるようになったのではないでしょうか」と話してくれた。

チャレンジで得た確信をもとにさらなる住民の幸せを支援する。

「もともと購入の補助事業まで視野に入れていました。実証実験で終わらせたくなかったのです」と笹原さんが話す通り、実証実験終了の約2カ月後に補助事業をスタート。住民の期待に応えるために、スピード感を意識したそうだ。対象を子育て世帯から全住民へと拡大。食洗機を購入後、申請すると1世帯につき1台2万円の補助を受けられる。令和7年9月末時点で12件の利用があり、申請者は一人暮らしから夫婦のみの世帯、子育て世帯までと幅広く、多くの住民が食洗機に期待を寄せていることを確認できた。今後は、補助事業のさらなる活用促進に向けて、両自治体で呼びかけていきたいと意気込む。また、引き続き同社からのサポートもあるという。

「民間との協働は大きな学びになりました。住民への還元はもちろん、私自身も成長を感じています。特に、行政と異なる考え方や進め方が印象的でした」と笹原さん。食洗機の普及を通じて、子育て支援から住民全体のウェルビーイング実現へ踏み出した両自治体。民間のアイデアを受け入れ、チャレンジすることは、新しい行政サービスが広がるきっかけになるだろうと期待を寄せている。

CHECK!


今回の実証実験で使用された食洗機は分岐水栓の工事が不要な据え置き型で、食洗機になじみがなかった家庭にも受け入れられた。

食洗機に期待できる効果

●子育て支援
家族や子どもとの会話や触れ合える時間を創出

●男女共同参画
家事シェアによる行動変容がパートナーシップに寄与

●節水
手洗いした場合と比較して節水につながる

各分野で自治体実績あり
詳細はお問い合わせを

お問い合わせ

サービス提供元パナソニック株式会社

くらしアプライアンス社 食洗機SBU 自治体窓口担当

滋賀県草津市野路東3-4-74

Email:dw-jichitai-contact@gg.jp.panasonic.com

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