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福島県南相馬市

公開日:2024-08-08

“書かない窓口”への改革で手続き時間を短縮する。

住民生活
読了まで:4分
“書かない窓口”への改革で手続き時間を短縮する。

窓口DXSaaSを活用した“書かない窓口”

長年にわたり窓口業務の改善を模索してきた南相馬市。令和5年に「南相馬市DX推進ビジョン」を策定し、本格的なデジタル活用が始まった。その中で導入された自治体窓口DXSaaS※1(以下、窓口DXSaaS)が、成果を上げているという。

※1 SaaS=Software as a Service(インターネット上でアクセスすることによって利用できるソフトウェア)

※下記はジチタイワークスINFO.(2024年7月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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左から
福島県南相馬市
市民生活部 市民課
課長補佐 梅田 浩一郎(うめだ こういちろう)さん
復興企画部 デジタル推進課
課長 清信 一芳(きよのぶ かずよし)さん
デジタル推進室長 吉田 正憲(よしだ まさのり)さん

増加した窓口業務を見直すために、たどり着いた“窓口DXSaaS”。

同市では、東日本大震災に関連し、証明書の発行など市民課の業務が増加したという背景がある。市民課の梅田さんは「窓口の利用は、繁忙期には300人を超える日もあります。さらにマイナンバー制度が開始してからは、カードの発行手続きも加わり、記載サポートや基幹システムへの入力などで、職員に大きな負担がかかっていました」と話す。

こうした課題に対応するため、DXを原動力として職員の仕事の進め方を見直し、業務改善により創出した時間を市民サービスに再配分するという考え方をDX推進ビジョンとして整理。窓口業務のあり方を模索する中でたどり着いたのが、デジタル庁が推進する窓口DXSaaSだった。これは、窓口DXを実現しやすくするための機能を、ガバメントクラウド上で利用できる仕組み。委託事業者としてサービスを提供しているのが「NEC」だ。このサービスを導入すると、窓口での受付時に、市民に必要な手続きを洗い出すための質問がシステム上に表示される。職員が質問の聞き取りを行い結果を入力すると、該当する手続きが表示され、さらに基幹システムなどのデータを活用して複数の申請書を同時に作成することが可能になる。これにより市民は申請書の記入が不要となり、入力されたデータはRPA※2などを活用し基幹システムに連携もできる。市民だけでなく、職員の負担も軽減できることが窓口DXSaaSの導入を決めた理由だったという。

※2 RPA=Robotic Process Automation(パソコンなどでの定型化された単純作業を自動化するツール)

総合的なサポート体制が、スピード導入を可能にした。

部署横断的に組織した庁内ワーキンググループなどにより、窓口DXSaaSに対する合意形成の基礎はあったという同市。すでにガバメントクラウド上で基幹システムを運用していたとはいえ、令和5年12月の契約締結から年度内の導入を目指し、約3カ月というタイトなスケジュールで取り組んだそうだ。「同社を選定した決め手は、3カ月というスピード感の中で、総合的に伴走してもらえる点でした。導入に際して、職員の負担はなるべく小さくしたい。そのため基幹システムの知見と合わせて、サポート体制が整っているかは重視しました。また、他社ベンダーの基幹システムにスムーズに連携ができるのもポイントでしたね」と、デジタル推進課の吉田さん。

市民課が中心となって帳票の取りまとめなどを行い、デジタル推進課が基幹システムベンダーとデータ連携の協議、同社はシステム開発のほか連携のサポートなどを行ったという。「開発やサポートなど、何とかスケジュールに合わせてもらい、感謝しています」と、デジタル推進課の清信さんは振り返る。

手続き時間の短縮という成果の先に見えた、さらなる業務改革。

令和6年3月下旬、6つの課が扱う87帳票を対象とし、運用をスタート。市民課では住民異動・マイナンバーなど、こども家庭課では子ども関係の手続きなどを対応している。「導入後、2週間ほどは慣れないフローで来庁された市民に迷惑をおかけしましたが、それ以降は“申請書を何度も記載する必要がなくなった”などの声を聞くようになりました。庁内で検証した結果、窓口の処理時間を短縮できて、実際に成果も感じています」と、梅田さん。また、職員による記載支援の業務が不要になったことにより、人員を別の業務に配置できるようになったという。

吉田さんは「今後の課題はバックヤードの体制の整理だと考えていて、そこに人を割けるようになったのは大きい。当市のDXは、震災後に生じた職員負担をいかに減らすかが根底にあり、そこで生み出した時間を使って市民の利便性の向上を目指していくという考え方です。今後も全課で連携しつつ、電子サインやオンライン申請などを含めた窓口改革を推進していきたいです」と、さらなる展望を話してくれた。

事前申請データの一元管理も可能に

マイナポータルや各オンライン申請サービスと連携すれば、事前申請のデータも一元管理が可能。

交付金の活用も可能

自治体として取り組む場合は、デジタル田園都市国家構想交付金の対象となる。

過去の記事はこちら

キオスク端末※にマイナンバーカードをかざすことで利用できる、書かない窓口のサポートも提供。詳細はこちら。

※不特定多数の人が、タッチパネル操作などで、様々なサービスを利用できる情報端末。

お問い合わせ

サービス提供元日本電気株式会社(NEC)

社会公共インテグレーション統括部

E-mail:sw@fcs.jp.nec.com
東京都港区芝5-7-1
NEC本社ビル

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