自治体の抱える悩みの1つが“税の滞納対策”だ。徴税率を上げるカギは、職員のマインドとSMS(ショートメッセージサービス)などを取り入れた業務効率化。この問題に向き合い、全国の職員への啓発活動を続ける藤井さんにインタビューした。
※下記はジチタイワークスVol.18(2022年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社ジチタイワークス
徴税におけるリソース不足に改善方法はあるのか?
種子田:まず、藤井さんが感じている徴税業務の課題について聞かせてください。
藤井:納税は国民の義務ですが、現実は国も自治体も膨大な滞納に悩まされています。納税秩序の維持という観点からも滞納整理は進めなくてはなりません。私は、この徴税という分野に貢献しようと全国各地で自治体職員向けに研修をしていますが、来場者の多くから「滞納を大量に抱えていて仕事が進まない」という声を聞きます。リソース不足で大変なのは分かりますが、これでは何も前進しません。“どうするか”を考え、様々な方法を用意し、状況に合わせて選べるようにしておくことが重要です。
種子田:深刻な人手不足の中、具体的にはどのような改善策を提案していますか?
藤井:“ふるいにかける”方法です。滞納になったら催告書を送り、次は電話催告、最後に臨戸(訪問)を経て、それでも反応がなければ財産調査から差し押さえに入る、という流れが効率的だと思います。地方税法には催告に関する記述がないので、「督促状の次は財産調査をして差し押さえるのが本来の筋だ」と主張する人もいますが、これでは乱暴すぎると思います。特に現在は、コロナ禍の影響で難渋している人も多いですから。また、前述の手順を踏めば「あらゆる手を打ったが、納税に対する誠意がないと判断し、差し押さえました」と言うこともできます。
反応率は約5割!SMSで滞納をふるいにかけて回収率アップ。
種子田:なるほど。それが滞納者に対する説明の根拠になるということですね。ただ、丁寧に手順を踏むことは、職員の負担が増えることになる気もします。
藤井:仮に1,000件の新規滞納が発生したとします。その全員に文書催告をすると、私の経験上では約3割が納付されます。次に電話催告をします。ここでまた約3割反応がある。そして臨戸での反応も約3割です。最終的に残るのは約350件。この人たちに対して財産調査に移っていけばいいのです。仮に、督促状送付後に財産調査をして差し押さえという方法をとるにしても、1,000人全ての財産が分かるわけではない。不明者が多ければ手間も増えます。だからこそ、ふるいにかける手順を推奨しているのです。そして、この手順の中にSMSを使った方法も組み込んでいけるのではないかと考えています。
種子田:SMSが、滞納者数を絞り込む”ふるい”の役割をするということでしょうか?
藤井:そうなんです。例えば私の知人はSMSの仕組みを取り入れたシステムを役所で活用しました。その人によると、反応率は約5割ということでした。それだけの効果が得られるのであれば、使わない手はないと感じたのです。ほとんどの携帯電話に届くSMSも、これと同じ役割を果たせると思います。また、通常の封書は切手代で84円かかるところを、SMSの通信料ならば半分
以下です。これだけを見ても、費用対効果が見込め、SMSを早めに使うメリットはあると思います。
種子田:早めに使うというのは、具体的にどのタイミングでしょうか?
藤井:個々の納期限が過ぎ、滞納になって間もない時期がベストです。記憶も新しいですし、固定資産税や住民税で年4回の納期限が全て過ぎてからだと金額も大きくなります。だからこそ、税目ごと・納期限ごとに、小まめに対応した方がいいのです。ここで1番の課題は、SMSを活用するために必要な個人の携帯電話番号を蓄積できているかという点です。だから私はいつも研修で「最初の段階で納税者に情報をきちんと書いてもらいましょう」と話しています。例えば転入されたときなどに、自宅、勤務先、携帯電話番号を聞いておけばいいのです。今、こうした改革が自治体に求められています。
滞納整理は誇りを持って“ATM”の姿勢で取り組もう!
種子田:最後に、税の滞納整理に尽力している全国の自治体職員さんにメッセージをお願いします。
藤井:私は平成7年に、初めて滞納整理の任につきました。そんなある日、1人のおばあさんが窓口に来て、持参した貯金箱から小銭を出し「固定資産税の1期分を納めたい」とおっしゃったんです。当時はバブル崩壊後で滞納者も多く、理不尽な罵声を浴びせられたこともありました。そうした状況の中での出来事だったんです。私は、おばあさんが帰られる後ろ姿を見て「この人のために仕事をしよう」と決意しました。徴税吏員は、まじめに納税されている方のために働かなければなりません。
そしてもう1つ。滞納整理では“明るく、楽しく、前向きに”が大切。私はこれを略して“ATM”と呼んでいます(笑)。渋い顔をして目がつり上がっているようではいけません。地域住民のためにこの滞納整理の仕事をしているという誇りを、一人ひとりが持っていてほしいと願っています。
「ジチタイSMS」サービスの強み
ジチタイSMSは、本誌の編集・発行を行う「ジチタイワークス」と、導入者数3,000社以上※という法人向け国産SMSサービスを手掛ける「メディア4u」の共同サービス。自治体に特化し、業務効率化、住民サービス向上をサポートする。
※令和3年11月時点
業務効率も発信力も同時にUP
99%の到達率でビシッと通知!
IPではなく電話回線を使うSMSは個人へのリーチ力が高い。その到達率は99%※といわれており、滞納整理などの業務には非常に適している。
※メディア4u社実績にもとづく。圏外や電源オフ、着信拒否による受信不可やSMS受信不可端末などを除いた到達率の目安
LGWANにも対応で安心!
令和4年1月にLGWAN対応版をリリース。相手の送信を許可するサービスや、誤送信を防ぐオプション機能も用意し、徴税業務をサポートする。
まだある!ジチタイSMS導入のメリット
1.電話催告や文書発送の手間とコストを軽減
滞納者に対して電話催告をするにも、ハガキや封書を郵送して催告するにも、それ相応の手間と費用がかかる。その点、SMSであれば、簡単操作で相手のスマホ・携帯電話に直接メッセージを届けることが可能だ。
2.国内全キャリアに対応
ジチタイSMSなら、国内のキャリア全てに送信可能。スマホか携帯電話を持っている相手であれば、そのほぼ全員にいつでも・どこでもリーチできる。
3.最大670文字まで長文も送信できる
SMSといえば短文のイメージがあるが、ジチタイSMSなら670文字まで送信可能(NTTdocomoのみ660文字)。短縮URL変換機能もついて、簡潔で見やすい文面に!
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