粗大ごみの予約受付業務は大変な時間と労力を要する。柏市では、インターネット粗大ごみ受付システムを令和2年4月から導入し、多くの課題を解決した。導入の経緯やシステムの特徴、どのような改善が見られたかについて、同市環境部の石塚さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.15(2021年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社アロハワークス
戸別対応での電話予約受付は時間と手間が膨大で非効率的。
粗大ごみ回収は多くの自治体で有料化されている。協力企業に委託、あるいは自治体が主体となり、電話やインターネットで予約を受け付けて回収する方法が主流だ。戸別対応になるため、インターネット受付を導入していない自治体の81%が電話予約による収集を行っており※、自治体も協力企業も、この電話対応業務の繁雑さと、事務処理に割かれる時間が悩みの種となっている。
※「粗大ゴミ収集ネット受付首都圏自治体ニーズ調査2020」にもとづく
ネット受付導入で、自治体・市民・企業の課題解決へ。
同市では平成8年度から粗大ごみ回収を有料化し、平成19年度から受付・収集・運搬業務を外部委託している。「近年の社会情勢の変化に対応できる、より質の高い市民サービスを……ということで委託企業から提案・紹介いただいたのが、ITソリューションを手がける『アロハワークス』の『粗大ごみ収集ネット受付システム sodai.jp』でした」と石塚さんは導入の経緯を話す。「粗大ごみの電話受付は年間約1万3,000件あり、約2万点の粗大ごみを月曜から土曜の8時30分~17時30分に事務処理していました。問い合わせのみも含めると、さらに多い数字です。システム導入により、市民、委託企業、自治体の全てにとって良い結果につながったと思います」。
市民にとっては、依頼できる日が限られていたり、電話がつながらず申し込みができなかったりなどの不満があったと思われるが、導入後は24時間受付が可能になり利便性が向上した。メールアドレスの登録のみで利用でき、市民から「使い方が分からない」といった声はないという。
企業側では、従来方式だと電話が多く、特に電話伝達の不明瞭性によって処理が繁雑となり、住所などの誤記入が後工程でさらなる手間を招いていた。しかし、システム導入後は電話が減ったことで聞き間違いによるミスが減少。受付業務だけでなく、収集、自治体へ提出するための帳票作成、集計管理も一貫して処理できるので、業務効率の向上や人件費の削減が可能になったという。
「粗大ごみの申し込みについては、電話受付しか選択肢がないことが長年の課題でした。市民の様々な生活様式に対応できるよう、システムの利用という選択肢を増やすことで、これまで以上にニーズに応えられるようになりました」と石塚さん。
操作やシステムの汎用性が高くスムーズな導入が可能。
導入から1年足らずのため、まだ電話での受付も多いというが、電話を受けるオペレーターもネット受付と全く同じフォーム・画面を利用。委託企業側の操作のしやすさや迅速性についても工夫されている。また、システムの汎用性が高いため、どの自治体でも素早く実装・運用できるという。さらに、メールアドレス登録不要のLINE版も組み込み可能で、自治体のLINE公式アカウントと連動させるなど、自治体ごとに細かい設定ができるのもポイントだ。
今後、より一層市民ニーズに寄り添ったサービスを展開するため、LINE受付実装のほか、手数料のコンビニ支払いのオンライン化や、粗大ごみの分類をより明確化するといった改良を検討する予定だという。ICTを通して自治体・市民・委託企業の課題を“三方よし”で解決することにより、ますます暮らしやすい社会の実現が期待される。
柏市環境部 環境サービス課
廃棄物指導担当
石塚 康大(いしつか やすひろ)さん
粗大ごみをインターネット受付し市民サービス向上につなげる。
利用までの操作手順
[WEB版 利用者の操作手順]
1.PC、スマートフォン、タブレットの「粗大ごみ申し込みフォーム」からメールアドレスを登録。受付センター(委託企業)からの返信メールに記載されたURLを開き、申し込み手続きを行う。
2.住所氏名、品目、数、回収希望日などを入力して送信すると、受付センターから申し込み完了メールが届く。
3.利用者は回収費用として、コンビニや地域の商店で粗大ごみ処理券を購入。それをごみに貼り付けて収集日に出し、委託企業が回収・運搬・処理する。
[LINE版 利用者の操作手順]
1.メールアドレス登録不要。スマホからLINEで簡単に申し込める。
2.申し込みフォームはWEB版と同様。記入する必要事項も同じ。
3.受付センターとのやりとりは全てLINEのトーク上で完結。回収までの流れも同様。
sodai.jp導入までの流れ
スムーズな導入と利用者満足度が魅力!
粗大ごみ収集ネット受付システム sodai.jpは、利用者である市民と受付オペレーターの操作のしやすさが好評です。また、システムの汎用性が高く、素早い導入が可能。詳しくは、お問い合わせください。