ジチタイワークス

埼玉県横瀬町

全国からの挑戦をサポート!プラスの関係を育む「よこらぼ」。

人口8,200人ほどの横瀬町は、日本創成会議・人口減少問題検討会の出した「消滅可能性都市」の中に入った危機感から、新しい公共経営の形を模索。“日本一チャレンジする町”をスローガンに、平成28年から展開しているのが、同町のまち経営課が運営する官民連携プロジェクト「よこらぼ」だ。住民や、民間企業からのアイデア、ビジネスプランをサポートすることで、まちに活気をもたらすこの取り組みの、創意工夫について紹介する。

※下記はジチタイワークスVol.13(2021年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

企業・団体・個人を問わず全国からオープンテーマを募集。

よこらぼとは、横瀬町のフィールドや遊休資産を利用し、企業・団体・個人を問わず、実施したい取り組みをサポートする官民連携プロジェクト。同町は地域内に留まらず全国からオープンテーマで募集を行い、その間口を広げたことで、東京都内の大企業から個人まで、幅広く多くの提案を集めた。その結果、採択案は多岐にわたり、医療・福祉をはじめ、農業、災害対策など18ジャンルにも及ぶプロジェクトが実現。令和3年1月時点での提案数は155件、そのうち実際に採用された件数は、半数を超える86件に上るという。

地域コミュニティの結束力とスピード感で弱みを強みへ。

この採択率の高さについて、担当の細越さんは「地域コミュニティの強みが決め手です」と話す。「消滅可能性都市への危機感から、新しい公共経営を目指す目的のもと、町長をはじめ、審査会委員を務める関係者17名の協力体制が固まっていたのがよかったと思います」。

審査項目には、“実現可能性”“町ができる協力と提案者の希望との整合性”“提案者の熱意”などが設けられ、スピード感をもって合否が進められる。「毎月審査を実施し、最短で1カ月で採択が決定します。プロジェクトがスタートしてからも、課の担当者3名で分担し、伴走しています」。また、事前相談を行うなど応募のハードルを下げ、プロジェクトに見合う補助金制度などがあれば、その申請サポートも行っている。都心に近い地理的要因も、外部企業からの応募が増え、よこらぼの知名度が広がっていった理由のようだ。

採択後は提案者と役場のモチベーションが保たれたまま、すぐプロジェクトに取り組めるため、まちが活気づき、いい循環が生まれているという。

「例えば、プロジェクトNo.76の『ユニバーサル野球』。これは障害者事業支援に携わる都心の企業による提案で、スケール20分の1のコンパクトな屋外型野球場をつくり、障害のある人もない人も一緒に野球を楽しもうという試み。町内で作業ボランティアを募った結果、計23名が集まりました。完成した野球場を使い、町立横瀬小学校などで体験試合も行いました。コロナ禍で外出できない子どもたちの『楽しかった!』という声を聞けたのも嬉しかったですね」。その他、実証実験の場としても使われる「Area898」も、よこらぼ採択事業が発展してできたコミュニティスペースだ。

オープンな窓づくりからカラフルタウンの構築へ。

5年目を迎える本プロジェクトは、同町の人口予測値が現時点で想定数を超えている点からも評価できる。「予想人数を上まわる成果をあげられたのは、よこらぼの影響も大きいと思います」と、細越さん。

“人も資源も足りない小さな町”という弱みを逆手に取り、案件数を積極的に集めることで、関係人口の創出、地域課題を解決する糸口を生み出している、よこらぼ。「家に例えるなら、今は内と外をつなぐオープンな窓をつくったところ。このまま流れを止めず、まちを多様性に富む“カラフルタウン”にしていきたい」とチャレンジは続く。

ほかの自治体からオンライン相談を受けるなど注目されているよこらぼは、地域振興モデルの好例と言えそうだ。

採択案件に対する横瀬町からのサポート内容

■行政権限を生かした法的なサポート(特区申請など)
■民間だけではできない、公共領域への協力を要請
■Wi-Fi等が使える、現地オフィスの利用
■町民への協力依頼・呼びかけなどの支援
■横瀬町公認プロジェクトとして、広報等が可能
■まちの広報紙やSNS・WEBサイトを利用した広報支援

課題解決のヒントとアイデア

1.事前相談を受け付け、応募のハードルを下げることで、応募数・採択率をアップ

応募前に採択のポイントなどを自治体に相談できる仕組みを設けることで、応募しやすい環境をつくり、プロジェクトの実現性が高められた。

2.“地域コミュニティの強さ”を活かした横の連携とスピード感を大事に

小さなまちだからこそ、住民の代表や観光協会といった審査会委員が結集、プロジェクトを推進。実証実験のボランティアとして町民の協力も得られた。

3.審査会はオンライン実施で柔軟に対応コロナ禍でも継続して運営を活発化

応募者は都内企業が半数以上を占めることから、審査会はオンラインで行うなど柔軟に対応。コロナ禍でもプロジェクトを順調に継続できている。

最短1カ月!提案からプロジェクト開始まで

Interview

事前に住民や職員向けの説明会を行い、理解を得た上で進めていったので、ボランティアなど自分ごととして協力してくれる方が多いのも特徴です。

横瀬町役場 まち経営課 細越 望海(ほそこし のぞみ)さん

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