自治体運営の頑張りを見える化した四季報が誕生!その結果とは⁉
良い取り組みは評価されるべきだが、自治体の運営はいくら頑張ってもなかなか評価されにくい現状がある。それは、自治体の頑張りを分析・評価する指標や手法がこの世に存在しないからだろう。そこで誕生したのが情報サイト「自治体四季報」。そこには、「頑張っている自治体を応援したい」という熱い思いが込められていた。
※下記はジチタイワークスVol.12(2020年11月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社コウダプロ
見えにくい自治体の頑張りをどうにかして見える化できないか!?
自治体職員は、不祥事があればすぐに批判されるが、頑張りは表に見えず、なかなか評価されにくい。「頑張りを見える化して、頑張っている自治体を応援したい」そんな思いで誕生したのが「自治体四季報」だ。
「コウダプロ」の幸田さんは、こう語る。「民間企業の場合、決算書の売上・費用・利益を数年間並べてみれば、どの企業がどのような経営をしているか、おおよそ推測することができます。しかし、自治体にはこのように自治体運営の頑張りを評価する指標がないことに気がつきました。客観的なデータにもとづいて、自治体を評価する分かりやすい指標があれば、頑張っている職員や首長さんの励みになるのではないか…そう考えました」。
コウダプロ 代表取締役社長 幸田 八州雄(こうだ やすお)さん
客観的データにもとづき、独自指標「自治体スコア」を算出。
自治体四季報は、独自指標「自治体スコア」にもとづいてランキングを作成している。自治体スコアとは、自治体運営の頑張りをあらわす指標で、
①人口増減率(自治体の発展性)
②地方税収増減率(自治体の発展性)
③人口一人当たり地方税収(住民の豊かさ)
④財政調整基金増減率(安定性)
⑤人口一人当たり職員人件費(コスパ)
という5項目のメイン指標をもとに算出される。この指標の算出には、総務省が公開している「財政状況資料集」と「市町村税課税状況等の調」という客観的データが用いられている。
「私は“自治体運営を頑張っている=それだけ住民を幸せにしている”と考えます。つまり、全自治体の総合結果を示す『全国優秀自治体ランキング』は、自治体による“住民の持続可能な幸福を実現する力”のランキングとも言い換えられます。これにより、自治体四季報は“住民を幸せにする力”を客観的に見える化できるものだと自負しています」。
順位付けすることで2つの効果が得られると幸田さんは語る。「1つは、ほかの自治体と比較することで、自身が勤める自治体の頑張りが見えるようになること。もう1つは、自治体四季報をもとに適正に評価されることで、自治体同士が切磋琢磨できる環境が生まれること。いずれにしても、自治体職員のモチベーションにつながるはずだと考えています」。
しかし、客観的なデータにもとづいているとはいえ、データでは見えない頑張りもあるはず。幸田さんは、全自治体へDMを送り、データでは見えない頑張りをコメントとして募る計画をしている。コメントは、公序良俗に反しない限り自治体四季報に全文掲載し、評価の一助になればと考えているという。
“頑張る自治体を応援”というふるさと納税の理念を実現へ。
自治体の頑張りが見える化できると「ふるさと納税の寄付先の検討などに活用ができる」と幸田さん。本来ふるさと納税は、頑張っている自治体を応援するために寄付されるものである。しかし現状は、返礼品目当てに寄付先が決められ、豪華な返礼品を扱う自治体に寄付が集まりがちだ。それは、返礼品以外に寄付先を決める判断基準がないことも理由なのではないか?という考えだ。「返礼品は自治体の努力なので、豪華な返礼品を用意するのが間違っているとは思いません。しかし、例えば民間企業の株式を買うとき、株主優待の特典だけを見て企業を選ぶ人は、まずいません。企業の経営状況や未来展望を見て、結果を出していて将来性がある企業の株式を買うのが健全な考え方です。ふるさと納税も、本来なら頑張っている自治体に支援が集まるべきです」。自治体四季報によって“どの自治体に寄付すべきか”という判断基準が提供され、ふるさと納税の本来の意義を全うできることになる、というわけだ。
客観的データとコメントから、自治体のこれまで見えなかった“頑張り”が見えてくることに期待したい。
5項目の分析から適正な運営をしている自治体が見えてくる!
適正な自治体運営に必要と考えられる「自治体の発展性・住民の豊かさ・安定性・コスパ」は、以下の5つの評価項目を用いた数値から客観的に分析します。
評価項目の解説
1.人口増減率(自治体の発展性)
直近5年間の人口増減をスコア化した指標。“人が住みたいと感じる、魅力あるまちになっているか”を測ることを目的としている。
2.地方税収増減率(自治体の発展性)
直近5年間の地方税収増減をスコア化した指標。経済の伸び率を測ることを目的としている。
3.人口一人当たり地方税収(住民の豊かさ)
ランキング対象年度の地方税収を同年度の人口で割ってスコア化した指標。住民や企業の豊かさを測ることを目的としている。
4.財政調整基金 ※増減率(安定性)
直近5年間の財政調整基金増減をスコア化した指標。状況変化に応じて、資金面で対応できる力があるかを測ることを目的としている。
5.人口一人当たり職員人件費(コスパ)
ランキング対象年度の職員人件費を同年度の人口で割ってスコア化した指標。自治体運営のコストパフォーマンスを測ることを目的としている。
※財政調整基金:地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整するための基金
全国優秀自治体ランキング1位の場合
※5項目の詳しい算出方法(計算式)については、自治体四季報にて確認可能
このようなものが見えてきます
単に順位を見るだけでなく、指標別ランキングを見ることで、各自治体が何を頑張っていて、どこに課題があるのか、といった傾向を把握できます。
自治体の頑張りを応援します!
ランキングはあくまで自治体を応援するものであって、自治体同士の優劣をつけるためのものではありません。まずは、自身が勤める自治体の頑張っているところを見つけて、何か一つでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
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