“まちを彩る”PR誌をピックアップ。魅力を取材し研究発表していきます。
※下記はジチタイワークスVol.10(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
広報担当がカメラを手に町のあちこちへ。町民の飾らない笑顔と姿が心に響く。
日本広報協会が主催する「全国広報コンクール」で、特選(内閣総理大臣賞)を平成30年・31年と2年連続受賞した「広報うちこ」。同コンクールで令和2年は入選1席、なんと6年連続で上位入選を誇る、もはや広報紙界のレジェンド。記事のテーマや文章、写真、デザインなどが総合的に評価されているが、「受賞は町民の魅力によるもの」と兵頭さんは言う。
内子町では、「ふるさとの香りがする広報紙づくり」をテーマに、できるだけ多くの人を紹介することにこだわっている。愛くるしい子どもたち、元気なおばあちゃんたちなど、ありのままの日常と笑顔を切り取った写真の数々は、広報うちこの大きな特徴だ。これらの写真は、ほとんど全て広報担当者が撮影。プロ相手では緊張しそうな人々も〝役場の職員さん〞なら親しみを覚えやすい。その距離の近さも、写真に生命力を与えている。
「人々の日常の姿とともに、地域の伝統や美しい風景を伝えることで、まちの魅力を皆さんに再確認してもらいたい。新聞やテレビでは取り上げられないような小さな話題でも、広報紙なら伝えられます。紙面に取り上げて応援することで、皆さんが喜びを感じ、それが町への愛着につながれば。そういう思いで幅広い世代を取材しています」。
パッと目に留まりやすい見出しのコピー、シンプルで読みやすいデザインなども、高齢者が多い町民への配慮だ。「広報紙は行政の活動を伝えるためだけのものではなく、行政が人々の姿から町のことを知るものでもあります。だからこそ広報紙づくりを通じて、より良いまちづくりにつなげたい」。この兵頭さんの言葉から見えてくるのは、まちと人の温かな関係性だ。あくまでも「町民」を真ん中に据える姿勢が、広報うちこを長年輝かせている。
制作秘話 01
特選を受賞した年の「ふるさとの味」特集の誌面(上・右)。特集に登場する町民は平均10人、過去には50人以上掲載したことも。「一番いい顔を写してあげたい」と、たくさん話しかけて緊張をほぐしたり、あえて距離を取ってリラックスしてもらうこともあるそう。
制作秘話 02
まちのお祭りをはじめとする伝統・文化、観光レジャー、健康・医療など、特集テーマは幅広く、その取材内容も深い。
制作秘話 03
制作は撮影を含め、広報担当3人で行っている。取材中の会話から、次号の特集のヒントを得ることもあるという。
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