
エリア指定可能な全戸配布サービス
自治会役員の高齢化が進み、広報紙の届け方に悩んでいる自治体が少なくないようだ。糸島市は、日本郵政グループの「JPメディアダイレクト(以下、JPMD)」の全戸配布サービスを活用することで、この課題の解決を目指している。
※下記はジチタイワークスVol.38(2025年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社JPメディアダイレクト
糸島市
経営戦略部 情報政策課
左:課長補佐 徳永 真一(とくなが しんいち)さん
右:主任 深川 昌平(ふかがわ しょうへい)さん
自治会役員の負担軽減を図るため広報物の配布体制の見直しが急務に。
自治体が発行する広報印刷物は多岐にわたる。多くの自治体は、それら紙媒体の配布を地域の自治会に依頼しているが、近年、役員の高齢化などで全戸配布できないケースが増えているという。
同市も、行政区の世帯数に応じた費用を支払うことで、広報印刷物の配布を各行政区長に依頼していた。しかし、「校区代表者会議の席で、“役員の負担軽減を図らなければ、区長および役員の担い手不足が解消できない”という意見が出されました。特に、広報紙を配る負担が大きいとのことで、業務体制を見直さざるを得ない状況になったのです」と、徳永さんが背景を説明する。
住みやすさ・暮らしやすさの面から、同市への移住者数は順調に増えている。しかし、自治会活動に関心を示さない移住者もいることから、自治会にとっては“配布したくない家”が増えるという地域事情もあった。「市としては、委託ではなく“依頼”している状況なので無理強いはできません。とはいえ、当市には全戸配布する義務があるので、以前から要望が出ていた民間委託を本格的に検討することになりました」。
各校区の広報物を同封し、地域の情報をしっかり届ける。
事業者選定にあたっては、小学校区単位で配布すること、配布スタッフのGPS管理体制構築など、細かな仕様を公告してプロポーザルを実施。配布物の破損・雨ぬれを防ぐため、複数の配布物を広報紙と一緒にラッピングするなどの工夫も条件に入れた。「当市では、各校区が独自制作する発行物があり、それらも自治会が配っていました。民間委託にあたり、広報紙とは別に配る案も出ましたが、役員の負担を減らすという本来の目的や、情報をタイムリーに届けたいという要望を踏まえ、同封を条件に追加。その全てに対応できたのが『JPMDエリアプラス※』でした」。プロポーザルの結果、令和6年度から導入が決定。15校区のうち、配布委託を希望した9校区で実施されることになった。
ポスティング方式は、住所などの個人情報を民間事業者に渡す必要がなく、住民の転入・転出のたびにデータを整理する手間が発生しないのは大きな利点だという。また同サービスは、密集エリアか郊外エリアかを問わず、“キャラバン配布方式”で全戸にポスティングが可能。「当市は、中山間地が多く、離れた場所に住宅が点在していることもあります。通常だと配布対象外となりそうですが、同一単価で対応してもらえているのでとても助かっています」と、深川さん。
※エリアプラスは株式会社JPメディアダイレクトの登録商標です
市政への理解を得るためにも広く住民に届ける体制が重要。
導入後、対象校区の区長100人にアンケートを行ったところ、約96%が“負担が軽減した”と回答。“ほかの自治会活動に注力できるようになった”といった意見も寄せられているそうだ。また、同社によるコールセンターの設置により、職員の問い合わせ対応の負担を最小限に抑えつつ、これまで把握できていなかった情報も得られるようになったと徳永さんは言う。「例えば、“ネットで閲覧しているので配布不要”といった連絡が入ると、配布冊数だけでなく、印刷数も減少します。こうした情報は、経費削減や紙媒体の需要把握に重要だと考えています」。今後、さらに高齢化が進んでいく中で、そのニーズを正確に示すためにも、住民の声を市役所側で把握できる意義は大きいはずだ。
「広報紙の役割は、情報の周知ばかりではなく、市政への関心と理解を深めてもらい、行動してもらうことだと考えています。シビックプライドの醸成を図り、住民とともにまちづくりをするための大切なツールの一つです」。そのためにも、全世帯に届けることの重要性は高い。「地域の事情に合わせて配布できる体制を今後も大事にしたいですね」。
CHECK!
地域の意向に合わせて導入を選べる体制に
広報物配布と地域の見守りを兼ねている校区もあり、令和6年度では9校区が導入。毎年、意向調査を行い、選択できる体制をとっているという。令和7年度は導入校区が増え、10校区で実施されている。
お問い合わせ
サービス提供元企業:J Pメディアダイレ クト
東京都港区虎ノ門1-21-17
虎ノ門NNビル5F
TEL:03-5157-6073
Email:public-koho@jp-md.co.jp
企業についての詳細はこちら