
AI音声文字起こしツール
職員にとって作業負担の大きい議事録作成。手作業では会議の4~5倍ほどの時間がかかり、他業務を圧迫するという。そんな中、大川市ではツールを導入し、議事録作成以外にも活用を広げながら、業務効率化を進めているそうだ。
※下記はジチタイワークスVol.37(2025年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社時空テクノロジーズ
大川市
企画課 係長
西田 直光(にしだ なおみつ)さん
議事録作成の負担軽減を図るため、複数ツールを比較して検証を行った。
議事録作成が必要な場面は自治体の中に多く存在し、その都度、職員は録音を聞き直しながら手作業で文字起こしを行っている。集中力を必要としながら、多くの時間がかかるといった作業負担の大きさが課題となっているそうだ。
同市の場合、本会議の議事録は専門事業者に委託していたが、それ以外の場面では職員が手作業で作成していた。「議会事務局の職員は、各種委員会の議事録を作成するために、会期後1週間ほどは忙殺されていました。ほかにも多くの職員が議事録作成に時間を割いており、そうした状況を何とかしなければと、効率化できるツールを探していたのです」と西田さん。ただ当時、候補として挙がっていたツールの大半はパソコンに機材を接続するタイプだったという。「いくつか試したのですが、使用するたびに機材をセッティングする手間がかかっていました。それならICレコーダーのままでいいという意見が多く、導入には至らなかったのです」。
そんな中、同市と協定を締結している企業から紹介されたのが「時空テクノロジーズ」が提供するAI音声文字起こしツール「ログミーツ」だった。令和4年からトライアルを開始すると、その使い勝手のよさを実感したという。「専用の端末はスマホよりも小さく、コンパクトなので持ち運びしやすい。操作もICレコーダー並みに簡単でした」。そうして、令和5年3月から試験運用を行い、その翌月には正式導入に至ったそうだ。
職員の作業の手間が省け、所要時間は従来の半分以下に。
同ツールは、マイクが内蔵された専用モバイル端末を会議室に持ち込み、端末のボタンを押すだけで、録音と文字起こしができるもの。音声と文字起こしされたテキストは、クラウド上へ自動的にアップロードされ、WEBブラウザ上の専用編集画面から確認できる。また、端末は携帯電話回線で接続されるため、インターネット環境の有無に関わらず、外出先でも使用できるのだという。Windowsアプリ版も付属するため、WEB会議でも同様に利用可能だ。
「手軽に使える点はもちろん、経費とランニングコストも導入の決め手です。他社ツールと比較して安価で、専門事業者への委託料よりもはるかに経費削減できることから、予算申請はスムーズに通りました。活用してみると、議事録作成に要する時間は、従来の半分以下に短縮できているように感じます」。導入後、庁内では5台の端末をグループウェア上で管理し、会議室を押さえる際に、端末も併せて予約できるように設定。そうすることで、様々な部署が気軽に利用でき、庁内での活用が広がっているそうだ。
また、文字起こしされたテキストは、ほぼリアルタイムで編集画面に表示される。そのため、会議内容を別室で確認できる点も便利だと語る西田さん。「当市の予算・決算委員会では、担当課の職員が入れ替わりで議員に説明する場があります。従来は、自分の出番がいつ頃まわってくるのか、議事の進捗を議会事務局に電話で確認していました。今では、議事録を別室で確認できるので、職員の手間も電話代も削減できました」。
活用次第で議事録以外での多様な業務の効率化を図れる。
職員のユニークなアイデアが光る同市では、議事録作成以外の場面でもツールを活用し、効率化を図っているという。例えば、子育て関連施設などにおける相談記録。「家庭問題などの相談を受ける際、職員間での情報共有のために、従来は手元でメモを取っていました。それをツールに置き換えることで、漏れなく記録を残せるようになったそうです」。
また、出張でセミナーなどに参加した職員からは、“報告書の作成がラクになった”といった声も上がっているそうだ。「帰庁後に出張報告書を作成する際、長時間のセミナー内容をまとめるのは非常に手間がかかっていました。しかし、ツールに搭載された要約機能を活用すれば、セミナーのポイントが簡潔にまとまった文章がすぐに仕上がります。意外な活用法として、職員間では評判ですよ」。
そのほか、聴覚障害のある職員からも、大いに喜ばれているという。「以前から、『会議内の会話が聞き取りづらくて困っている。DXツールで何とかできないだろうか』という相談を受けていました。専用端末を会議に持ち込めば、リアルタイムで文字起こしされる文面を手元の端末画面で確認することができ、会議内容がはっきり分かるようになったそうです」。
同市では現在、より多くの職員にツールを活用してもらうため、グループウェア上で定期的に情報発信を行い、周知をしているそうだ。「これまでも色々なツールを導入してきましたが、導入するだけでなく、それらをいかに使いこなすかという意識改革が必要です。今後は、そのための研修会なども企画しながら、DXの成果を出したいと考えています」と意気込みを語ってくれた。
導入自治体の声:山形県朝日町(あさひまち)
■人口 5,773人 ■世帯数 2,286世帯
令和7年2月1日時点
義務教育学校創設の準備に際し人員不足を補うためにツール導入を速断。
朝日町 教育委員会 教育文化課
義務教育学校創設準備室 主査
佐久間 淳(さくま あつし)さん
リソースに余裕のない中、コア業務に時間を割くためには、ツール活用が有効だろう。朝日町では、新たな事業を限られた人員で遂行するため、令和6年10月より同ツールを導入し、議事録作成の時短を図ったという。
審議の透明性を高めるには高品質の議事録が必要となる。
平成28年4月に学校教育法が改正されて以降、9年間の義務教育を一貫して行う「義務教育学校」を設置する自治体が増加している。同町も、3つの小学校と1つの中学校を統合した学校組織の創設に向け、令和5年度に創設準備委員会を発足。準備を進めていく中で、会議の頻度が増えていったという。
「会議の回数がそれほど多くはなかった時期は、職員が手作業で議事録をつくっても何とか間に合っていました。ただ、日常業務の合間に作業を行うので、粗い仕上がりになることもありました」と語る佐久間さん。「単なる学校統合ではなく、今までにない新たな学校の創設。そのためには、校名や校章をはじめ、校歌、制服、学校行事など、様々なことを一から決めなければなりません。審議内容の透明性を確保するためにも、質の高い議事録が必要でした」。
月日を重ねるにつれて、会議の回数は増加。その一方で、小規模自治体で専任の職員が2人だけということもあり、徐々に議事録作成に手がまわらなくなり、効率化の手段を模索していた。
そうした中、令和5年6月にジチタイワークスで他自治体の事例記事を発見。「当町でも取り入れるべきだと直感して、即座に企業に連絡して無料トライアルを申し込みました」。その後の動きは速く、トライアル開始の約4カ月後には予算が可決され、令和6年10月中旬に正式導入が決まった。
要約機能を使えることが、導入の大きなポイントに。
「検討する中で、他社ツールとの比較も行いましたが、要約機能があることが決め手の一つでした。そのほかにも、専用の端末が小さくシンプルなので、準備・撤収が手軽で便利に感じました。人員不足がツールで解消できるのなら、と予算査定も非常にスムーズで、スピード感をもって導入ができました」。実際に活用すると、作業が格段にラクになったと実感しているようだ。
作成した議事録は、要約機能で簡潔にまとめて会議参加者に配布している。会議内容を振り返るには、要約したものの方が分かりやすく、参加者に好評なのだという。現在、ツール活用は庁内全体に広がり、他部署でも活用が進んでいるそうだ。
「今回の導入を通じて、トライアルができるサービスは、積極的に試してみることが大切だと感じました。時間をかけて悩む前に行動を起こして、効率化できることはどんどん進めていくべきです。これまで一度も試したことのない自治体の方には、まずトライしてみることをオススメしたいですね。それだけの価値はあると思います」。
人員不足を感じながらも、新たなツールの導入をためらってしまう自治体もある。その中で、同町のスピード感をもったツール活用の動きは、参考になるのではないだろうか。
他自治体はどうしている?よくある質問に担当者が回答!
時空テクノロジーズ
都築 真夕美(つづき まゆみ)さん
“無料トライアルの申し込み方法は?”“他自治体はどういう理由でログミーツを選んでいる?”など、自治体からは様々な問い合わせが寄せられるという。そこで企業担当者が、よくある質問に回答する。
CHECK!
紹介キャンペーンを実施中
すでにログミーツを活用中の自治体に情報収集を行い、その後導入するケースが増えているようだ。その場合、問い合わせを受けた自治体と導入した自治体の両者に端末を無料で追加提供する。
お問い合わせ
サービス提供元企業:株式会社時空テクノロジーズ
東京都港区南麻布3-19-16
アーバンネット南麻布303
TEL:03-5488-6067
Email:LG@zi-ku.com