ジチタイワークス

不動産投資と公務員は本当に相性が良いのか?

公務員の資産運用におけるその重要性は、これまでも本誌で語られてきた。取材をするなかで見えてきたのは「公務員と不動産投資の相性の良さ」である。しかし、果たしてこれは事実なのか。

今回は、お金の教養が身につく総合マネースクールを運営する「ファイナンシャルアカデミー」の寺井真紀子さんにインタビュー。資産運用をすべき理由とは。そして、公務員が不動産投資をすることのメリットとは何なのかを伺った。

※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.6(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 [提供] ファイナンシャルアカデミー

資産運用=副収入で人生の選択肢が増える

なぜ近年、資産運用の重要性が声高に叫ばれるのか。「人生100年時代」に備えるためとはよく言うものの、寺井さんはその理由をこう分析する。「老後の備えとしてはもちろん、定年前の働き盛りの私たちが、今の生活をより豊かにしていくためにも大切だと考えています。労働収入にプラスして副収入を得ることで、経済的・心理的な余裕が生まれますよね。すると、長い人生において『お金の不安』から何かを選べないことも、なくなるように思います」(寺井さん)。

とはいえ、不動産投資に加え、投資信託、株式投資、外貨投資など、資産運用の種類は多岐に渡る。この中でも初心者が手を出しやすいものはあるのだろうか。この問いに、寺井さんは「初心者がいきなり始めても大丈夫だと言える投資はありません」と、きっぱり。「たとえば『手元資金が少ないから少額から始められる投資は?』『生涯に渡って収入が入り続けるような投資は?』など、自分が目的としているものにぴったりあうものを選んだうえで、しっかりとルールを学び、そ
れにのっとって運用をすることをおすすめします」(寺井さん)。

闇雲に手を出すのではなく、まずは自分の目的を明確にすること。なぜそれを始めたいのかをよく考えること。これが、投資の成功を左右するカギとなりそうだ。

公務員に経済リテラシーは必要か否か

経済に関する知識が重要なことは理解できるものの、普段の業務に関係があるようには思えない。
財政部など、一部の職員が押さえていればいいのでは――そんな疑問に、林 誠さんが答える。

Q.そもそも「経済リテラシー」とは何を指しているのか?

A.一般に「リテラシー」は「読解力」といった意味で使われます。「経済リテラシー」とは、経済の仕組みを理解し、起きている経済現象を説明できる力のことと言えます。

 

Q.そうした力は、財政部門や産業振興部門には求められるかもしれないが、他の職員にはあまり必要ないのでは?

A.むしろ、直接住民や事業者と接する職員にこそ必要な力ではないかと思います。世の中で起きていることは、広くとらえればすべて経済問題と言えます。貧困の増加も、ゴミの問題も、教育の格差も、根っこに経済があります。そこを理解していないと本質に迫れません。住民に寄り添って課題を解決していくためには、経済の理解は必須です。

 

Q.では、「経済リテラシー」を高めるためにはどうしたらいいのか?

A.自分事とするように努めるべきだと思います。まずは、経済に関するニュースに敏感になりましょう。新聞の経済欄を毎日欠かさず読む、一日一度は株価をチェックする、といったことから始めてはいかがでしょう。だんだん世界の見え方が変わってくると思います。積み重ねていけば、それが「経済リテラシー」につながるはずです。

林 誠(ハヤシ マコト)さん

所沢市 経営企画部次長。中小企業診断士、通訳案内士の資格を持つ。著書に『9割の公務員が知らない お金の貯め方・増やし方』(学陽書房)がある。

公務員は不動産投資に有利!?

では、数ある投資の中でも公務員に向いているものは何なのだろうか。やはり、定期的な家賃収入を得られるという点で安定している不動産投資が思い浮かぶ。寺井さんはこれに対し「融資を受ける際に公務員は有利になる場合が多いようです」と答える。不動産投資では短期間でご自身の資産を増やすために銀行の融資を活用することが多いようだ。

その際、金融機関側は借り手の年齢や収入、勤続年数などの「属性」といわれる判断材料を使って、貸すか貸さないか、金利をどうするかなどを決めている。「あくまで一般論ですが、公務員の方は勤続年数も長く、将来に渡って安定的に働けると見られるのです。だから、有利な条件で融資を受けられることが多いと聞きます」(寺井さん)。

不動産投資は唯一、投資のために銀行という信用できる機関からお金を借りられるのだ。また、自己資金を使わずに投資をすることも可能である。不動産投資は公務員に最適だと言われる所以はここにあるのだろう。「ただ、物件情報を入手し、購入価格の交渉をし、銀行に融資を相談し……と、不動産投資は多くの人と関わることが多いのも特徴です。コミュニケーションにストスなく、相手の信頼を得ることが得意で社交的な方のほうがより向いていると言えますね」(寺井さん)。

学びによる正しい知識が人生を豊かにする

向き不向きを考えるよりも先に「投資をするうえで絶対に欠かせないことがある」と寺井さん。それは「学び」だ。「投資のプロたちが利益を出し続けるのは、ルールを熟知しているからです。不動産投資にしても何にしても、まずは学ぶ必要があります。

車を運転するときには、教習所に通って道路交通法の知識をつけたり、練習を重ねたりしますよね。投資の世界も同じです。安定した結果を出す方法、失敗するパターンなど、あらゆる角度から学んだうえで、人生を豊かにするための投資を始めてください。正しい知識をつけて大切なお金を向き合うことで、経済的・心理的に豊かな将来を創っていけるのではないかと思います」(寺井さん)。

寺井 真紀子(テライ マキコ)さん

ファイナンシャルアカデミーで、マーケティング部シニアマネージャーを務める。

 

総合マネースクールファイナンシャルアカデミー

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