廃棄物処理費専用の精算システム
産業廃棄物の不法投棄は景観を損ねるだけでなく、環境にも悪影響を及ぼす。さらに処理を代行したり、苦情を受けたりと、自治体にも業務負担が発生する。そんな中、ごみ処理にかかる精算に着目し、未然防止を目指すサービスがあるという。
※下記はジチタイワークスINFO.(2024年11月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社JTBビジネスイノベーターズ
JTBビジネスイノベーターズ
事業推進部
ペイメントソリューション
ユニット長 江上 顕生(えがみ あきお)さん
担当者の声
産業廃棄物の不法投棄は、まちの魅力に悪影響を与えます。当社は、処理業者が適正な費用を受け取るシステムで、未然防止に貢献します。
事業者間の不適切な処理費用の流れが、不法投棄の一因になることもある。
ごみの不法投棄対策は国や自治体を挙げて行われている。監視カメラやパトロール、立て看板など様々な方法で防止を図り、減少傾向にあるものの完全になくなるまでには至っていない。
不法投棄が起きる原因の一つとして「JTB」が着目したのが、“処理費用の不透明な流れ”だ。「産業廃棄物を処理する際、ごみを排出した業者が処理や運搬を担う業者に委託します。ただ、個別の連絡や支払いが煩雑になることから、仲介業者を通すことが一般的。その過程で処理業者に適正な金額が支払われないケースがあり、結果として処理ができずに不法投棄をしてしまう業者も少なくありません。また、排出事業者にとっても、誰にいくら支払っているのか分からない状況はコンプライアンスの観点で問題になることがあります」と江上さん。
不法投棄が見つかった際には、自治体の環境部門の担当者などが処理を代行。投棄した業者に対して債権回収などを行わなければならず、通常はする必要のない業務が生まれてしまうという。そこで、処理費用の流れを透明化して不法投棄を未然に防ごうと、廃棄物処理費専用の精算システム「WaReSS(以下、ワレス)」を開発した。
同社がごみ処理の第三者として、排出事業者からの支払いを配分。
同システムは、ごみ処理を行う業者間のやりとりに第三者として介入。排出事業者の支払いを受け取り、仲介業者・処理業者・運搬業者にそれぞれ配分する。処理後には、各業者の明細を排出事業者にシステムから提示するため、どこにいくら支払ったかが明確に分かるという。国際的な決済ネットワークをもつ「Mastercard(マスターカード)」が自社の法人向け決済ソリューションの活用方法につき提案したことがきっかけで共同開発に至った。「支払いの流れを追跡・分析してデータ化するため、改ざんを防ぐことができます。仲介業者が介在する場合、支払いの仲介はせずに事務連絡を担ってもらいます。請求書の作成や督促の業務は不要になり、各業者にとってメリットがあるといえるでしょう」。
このサービスは、ごみを出す業者と仲介業者・処理業者・運搬業者がJTBと契約することで、利用できる。産業廃棄物の処理については、自治体が直接契約することはないが、不法投棄の未然防止に取り組む立場として、企業や工場に活用を呼びかけてほしいと話す。地域で使われるようになれば、改善が進むのではないだろうか。
今後はクリーンセンターと連携し、精算時の手間を削減する見込み。
早ければ来年度には、一般廃棄物の処理にも対応するため、自治体が運営するクリーンセンターで導入できるようになる予定だそう。「計量システムと連携することで、ごみの重さから処理費用が分かります。自動精算もできるので、受付の業務負担を減らせるでしょう」。導入にあたっては、そのまま連携できる仕様の計量システムであれば、申し込みが完了したらすぐに稼働できる。非対応のシステムやアナログで精算していた場合などは、自治体の実情やニーズを擦り合わせた上で開発から携わるという。
複数業者のやりとりを透明化する仕組みには、JTBグループが長年培ってきた旅行業者としての知見や技術が活きている。「旅行者と、ホテルや航空会社などを結び付けるサービスを提供している私たちは、仲介業者の立場です。自前で構築してきた精算システムを廃棄物処理に応用することで、行政課題の解決につなげたいと考えています」と語る。
国立公園や歴史的景観地区など、観光地の魅力を維持・創出するため、旅行業にとどまらず、業者や行政との連携を強めている同社。観光地だけでなく住環境においても身近なごみ問題の改善に貢献することで、CO2排出量の削減を目指す。環境美化からまちの魅力向上につなげていくつもりだ。
JTBグループの強み
仲介業者の視点で構築した仕組みを応用
旅行業者として旅行者と旅行先の業者をつなぐ同社。仲介業者の立場でつくり出した精算システムを同サービスに応用している。
※写真はイメージです
環境配慮の取り組み
JTBグループは環境保全に関する取り組み目標をまとめた「エコ・ファーストの約束」を環境大臣に提出。令和6年4月に「エコ・ファースト企業」の認定を取得した。
お問い合わせ
株式会社JTBビジネスイノベーターズ
TEL:03-5796-5646
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