キャッシュレス決済データの分析支援
観光政策において、消費実態を把握することは、より効果的な施策の立案に有効だ。そこで「三井住友カード」では、自治体の要望に応じて、膨大なキャッシュレス決済データを活用した分析支援サービスを提供。担当者に話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.34(2024年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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三井住友カード
データ戦略ユニット
高梨 翼(たかなし つばさ)さん
自治体との対話から生まれたデータ分析支援サービス。
官民を問わずEBPM※が推進されるようになり、自治体の観光政策においても、エビデンスにもとづいた施策設計が求められるようになってきている。携帯電話の基地局を活用した人流データや、観光地で実施するアンケート調査のデータを活用することが多いそうだ。さらに最近では、観光客1人当たりの消費額の向上を目指していることもあり、“消費動向の把握”に対するニーズが高まっているという。「自治体と対話する中で、観光客の移動経路のほかにも、施策立案やその効果検証のための判断軸を増やしたいという要望がありました。消費動向の分析ならば、当社がもつデータを活用できると思ったのです」と高梨さん。
そこで生まれたのが、クレジットカードなどのキャッシュレス決済データを活用した分析支援サービス「Custella(カステラ)」だ。自治体のニーズに合わせて購買実績データをカスタマイズして分析できるもので、日本人においては、どのような属性の人が、いつ・どこで・何に・いくら使っているか把握できる。また、一般的にはデータ収集が難しいとされる外国人観光客の購買実績も調査可能。消費動向が明らかになることで、新たな施策の提案にもつなげられるという。
※EBPM=Evidence Based Policy Making(証拠にもとづく政策立案)
ニーズに応じた分析、提案で自治体の目的達成を後押し。
同社で収集できるデータは膨大だ。会員数が多く一定の量があるため、根拠のあるデータとして活用できるところが利点だ。しかし、集めたデータを渡されるだけでは活用しづらいと感じる自治体もあるだろう。同社は分析してくれる上、分析項目を設計する際には、自治体との対話や擦り合わせを大事にしているという。
「データを使って自治体が解き明かしたいものは何か、しっかりとヒアリングするようにしています。その目的を達成するには、当社のオーソドックスな分析でいいのか、それとも個別のニーズに合わせて一歩踏み込んだ分析を行った方がいいのかを判断します。この提案力が私たちの強みです」。
例えば、ひと口に宿泊施設といっても、ビジネスホテルなのか温泉旅館なのかによって観光客が求めるサービスは異なる。大きな業種のくくりとしては“ホテル・宿泊”になるが、データ活用の目的によって、もう少し粒度を細かく把握したいという要望があれば細分化できるという。
「年代や居住地、家族構成などの詳細な属性情報から、その場所ではどのような人がよく消費しているかなど、実態の把握が可能です。要望があれば、後から項目の組み合わせを変えて新しい軸で分析することもできます」。
効果の検証がしやすいデータでよりよい施策立案に役立てる。
観光施策に力を入れている自治体にとって、消費実態を知ることは重要だ。しかし、これまで消費の観点から分析するサービスはほぼなかったという。「事例としては、日本人や外国人観光客がどこでどんな消費をしているかを見ることが多いです。分析の結果、有名観光スポットに隠れていた“思わぬ消費ニーズ”が見えてくることもあります」。
そのほかにも、毎週行われるイベントごとに、経済波及効果を検証している事例もあるという。導入自治体からは、地域の消費に大きく貢献したイベントの傾向などが把握できたことで、今後力を入れていくべき方向性が明確になったとの声が寄せられているそうだ。
データの一番の価値は“検証がしやすいこと”だと高梨さんは語る。「全国の自治体で様々な観光施策が実施されていますが、購買実績データが得られることで、どんな効果があったかを数値で可視化することができます。それを踏まえ、新たな施策立案にも活用してもらいたいです」。
多様な観点から分析が可能で、根拠をもった施策立案につなげられる同サービスは、自治体の政策とも相性がいいといえるのではないだろうか。
膨大な消費データを自治体の課題に応じて分析
1. 会員の詳細な属性情報をもとにした質の高い分析が可能
クレジットカードの会員データを利用するため、年代・年収・居住地・職業などの詳細な属性情報を把握。消費動向と合わせることで、質の高い分析ができる。
2. 捕捉が難しいインバウンド情報も利用者の国籍まで含めて把握
調査方法が限られ、可視化しにくいインバウンド消費。同社では、多くの外国人観光客の購買情報が把握可能で、国籍ごとに消費動向の分析もできる。
3. 加盟店から消費者のデータやニーズを幅広く取得できる
国内トップクラスを誇る加盟店の保有数を活かし、幅広い業種・エリアの購買実績を可視化。特定エリアや業種を絞った詳細な分析も得意とする。
自治体の課題をもとに、分析結果をレポーティングして納品。観光施策やイベントによる経済波及効果の調査という観点でも利用可能だ。まずは実態を知るところから始めてみては。
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サービス提供元企業:三井住友カード株式会社
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