フェーズフリーの総合防災情報システム
近年は災害が頻発しており、内閣府によると令和5年だけで激甚災害の指定を受けたものは13件※にも及ぶ。いつどこで起こるか分からない中、自治体はどう備えていけばいいのか。災害対応ソリューションを手がける企業に話を聞いた。
※内閣府ホームページ「令和五年等における特定地域に係る激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」より
※下記はジチタイワークスVol.34(2024年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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左から
NTT東日本
ジネスイノベーション本部
地域基盤ビジネス部
公共ビジネス推進グループ
防災インフラDX推進担当
田中 誉幸(たなか よしゆき)さん
森田 英里(もりた えり)さん
アナログでの危機管理体制に残る、対応遅延のリスクと職員の不安。
自治体ではそれぞれ地域防災計画を立て、様々な災害を想定して対策を練っている。しかし、いざというときの対応に関して、不安が残る自治体も多いのではないだろうか。「普段から防災部門の職員とコミュニケーションを取っているのですが、発災時にホワイトボードや白地図、付箋紙を使用して情報を共有しているところもまだまだ多い印象です」と語るのは「NTT東日本」の田中さん。
こうした方法は特に中小規模の自治体に残っている傾向が強く、アナログゆえに情報の集約・拡散がしにくいという。「情報をリアルタイムで見ることができず、必要な人に共有するのも難しい。また、情報が増えると処理が難しくなる上、データを蓄積・一元管理することも困難です」。
とはいえ、システムの導入には相応の財源確保が必要だ。情報の重要性は熟知していても予算面での制約があり、ジレンマに陥りがちなのだという。また、森田さんは、運用上の不安の声も現場からよく聞くそうだ。「いざ防災システムを導入しても、有事の際に活用できるかが気になるようです」。そこで同社は、多くの自治体で導入実績がある、NTTグループ会社の「EYE-BOUSAI(アイボウサイ)」をベースに総合防災情報システム「地域防災支援システム powered by EYE-BOUSAI」を新しくリリースした。必要最低限の機能に絞り込み、導入コストを抑えるなどの工夫をしているという。
フェーズフリーのシステム運用が災害対応の瞬発力につながる。
自治体が集めた情報や観測データ、地域住民からの被害報告などをリアルタイムで集約し、可視化する同システム。「これにより、災害対策本部における状況の認識一致を図ります。多くの情報を迅速に把握して整理することで、住民の避難行動などを素早く促すことが目的です」と田中さんは説明する。
職員はシステム上で複数の災害情報を同時に把握可能。断片的な情報を集約して時系列に表示する機能の活用で、意志決定を支援する。さらに住民への一斉配信機能や避難所の情報管理機能なども網羅し、発災時の業務負担軽減につながるという。
また、フェーズフリーの視点で、平時から活用し、操作に慣れておける点も強みだ。「例えば鳥獣被害が発生した場合、発生時間や場所、そのときの状況、対応方法などを登録。それが経験値になるだけでなく、過去の対応の振り返りも可能にするのです」。
手厚いサポート体制をフル活用し自治体と事業者で住民を守る。
さらに心強いのが充実したサポート体制だ。同システムには、“習熟支援”と“操作支援”のサポートも付いており、円滑な導入と安定した運用を支えているという。「習熟支援では、定期的な研修を実施。操作支援は防災訓練や図上訓練方式で、より実践的なシステムの活用法を伝えます。年に1度を基本とし、要望や予算に応じて回数も調整可能です」。
これらに加え、日常的な問い合わせにはヘルプデスクが職員をサポートする。また、運用開始後に機能を追加できるオプションも用意されており、システムとしての拡張性も有している。災害対応における課題解決に向けて、同社が伴走支援をしていく形だ。
こうしたサービスを提供することに関し、災害対応業務の効率化はあくまでも“地域防災の出発点”だと強調する森田さん。「アナログで生じる課題をクリアすることで、職員の災害対応の迅速化・的確化を支援し、それを通して地域住民の安全を確保することが最終的な目標です」。この考え方は、電気通信事業者としてこれまで培ってきたものなのだという。「私たちには、過去の災害経験の中でも、住民のすぐ近くで復旧作業を続けてきたという自負があります。今後も自治体とともに“災害に強い安心なまち”をつくっていきたいと考えています」と締めくくってくれた。
CHECK!
普段から活用することで発災時も迷わずに使える
災害対応以外でも利用可能なシステム。フェーズフリーの観点でも普段から使い慣れておくことが重要だ。
✓ 自治体主催イベントの情報発信
✓ 道路陥没・ひび割れの報告
✓ 鳥獣被害に関する住民周知
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