ジチタイワークス

愛知県日進市

事業者・自治体ともにメリットの大きい電子請求で業務の効率化が加速する!

自治体のほぼ全部署で発生する事業者の請求書処理。時に職員の負担にもなるが、システムの導入にはコストも職員の手間もかかり、何より事業者がシステムを使ってくれなければ費用対効果は薄れてしまう。

これに対し愛知県日進市では、既存システムを改修することなく導入できる電子請求システムを採用。事業者への周知にも工夫を重ね、当初の狙いを上回る効果を出しているという。同市の担当者に詳細を聞いた。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
[PR]株式会社AmbiRise

請求書処理をDX化した日進市会計課の橋本公太さん

 

 

 

Interviewee

愛知県日進市 会計課
橋本 公太(ハシモト コウタ)さん

紙の請求書による煩雑な業務を低コストで効率化する。

職員の手を止めてしまうことも多い請求書の処理業務。日進市でもこの業務における煩雑さが以前からの課題だったと橋本さんは語る。

「システムの導入前は、請求書を行財政システムに手入力で転記し、紙の伝票を出力して請求書をのり付けし、印鑑を押した上で、会計課まで持ってきてもらっていました。件数に比例して担当課の手間は増えますし、処理後の保管も大量に発生します。ミスがあれば会計課で工数がかかる。何とかしたいと考えていました」。

こうした負担への対策として、電子決裁システムを導入することを決定。より効率化を進めるために電子請求システムの導入も検討していたところ、同市の行財政システムを手がけているベンダーから勧められたのが、GovTech企業のAmbiRise(アンビライズ)が提供している「Haratte(ハラッテ)」だった。

電子請求書の処理の流れ

▲株式会社AmbiRise提供資料から作成

Haratteは自治体業務に特化した電子請求サービス。事業者側では請求書の自動発行、自治体側では伝票の自動起票・転記までをカバーする。「説明を聞き、当市のニーズとぴったりだと感じました。既存の行財政システムと連携でき、操作が簡単で、コストも抑えられる。さらにデジタル田園都市国家構想交付金も利用できるので、費用対効果が高いと判断したのです」。

このサービスは、事業者がオンラインで請求処理を行うHaratteサイトと、自治体側の財務会計システムに改修なしで自動転記を行うHaratteロボで構成されている。同市では、既存の行財政システムに直接取り込むことができ、さらなる効率化とコスト低減ができると考えて導入を決定。請求書処理の新しいフローを設計した。

そこで懸念した点があったという。「システムを入れるだけでなく、事業者の利用を広めないといけません。多くの事業者に活用されてこそ電子化の効果が上がるので、様々な工夫をしました」。

マニュアル整備、運用支援…。事業者の協力を得る工夫も。

同市では、システムの運用前に支払件数が多い事業者をピックアップ。上位200社に向けてアンケートを実施した。

「このアンケートでは、電子請求の仕組みを周知した上で導入の可否を確認しました。社会の電子化の流れもあってか、6~7割 の事業者からは『フォローがあるならやってみたい』という好意的な反応が返ってきました」。

導入前の4月には事業者向けの説明会を実施してシステムの活用を呼びかけた。併せて、AmbiRiseのサポートも得つつ、電子請求のマニュアルや作業手順などを解説する動画を作成し、市の公式ホームページに掲載した。

「アンケートに同封した案内書にも記載していたのですが、書類作成の手間が減る、郵送料の負担がなくなるなどのメリットをあらためて伝え、事業者のモチベーションが上がるよう意識しました」。

事業者が操作する電子請求書作成の画面

事業者が操作する電子請求書の作成画面。書類作成の手間や郵送料の削減など事業者側のメリットも大きい。

さらに同市は、請求書に関する約款も改訂。“指定する請求書システムによって作成した請求書を使用するものとする”という記載を追加したという。「お願いするだけでは取り組みは広がりません。事業者が“使わなくては”と考えるきっかけをつくることが大切です」。同時にAmbiRiseがオプションサービスとして用意している電子請求専用のヘルプデスクを活用し、事業者の不安や、運用上のつまずきに備えたという。

入念な事前準備を経て、同市の電子請求は令和6年5月から運用を開始。いざ始めてみると、事業者からの反応は良好だった。「Haratteの利便性は理解していたのですが、事業者からも同様に『実際に使ってみたら簡単だった』という声をいただきました。必要十分でシンプルなところが受け入れられやすいのだろうと思います。ヘルプデスクも活用されているようです」。

こうした事業者への気配りと、システム自体の使いやすさもあって、事業者の活用は拡大。令和6年7月時点で133社が電子請求を使っている。「この結果は予想以上でした。電子請求への移行については今も事業者に案内を続けているので、今後も増えていくと思われます」。

そして、電子請求の導入効果は、事業者側だけでなく庁内にも現れた。

支出事務をDX化するHaratteの3つの効果

▲株式会社AmbiRise提供資料から作成

システム、ツールの相乗効果で電子化メリットを最大化する。

職員の請求業務に係る作業負担は、電子化で大きく改善した。Haratte、行財政システム、電子決裁、RPAを組み合わせて請求書作成事務の完全自動化を実現。全体の効果として、従来と比較すると作業量を約85%削減できたという。

「職員からは『作業が本当にすぐに終わる』と好評です。また、Haratteと行財政システムの連携で二重支払いができない仕組みとなっているので、『安心感が大きい』という声も聞いています」。

起案者だけではなく、確認者、決裁者、さらに会計課でも業務効率化の効果が出ているという。「請求に差し戻しが発生した場合、その作業も電子でやらなければならないため手間がかかるのでは、と懸念していましたが、その差し戻し自体が発生しないのです。電子請求書をシステム内に取り込むことで金額や事業者情報が自動で転記されるためミスがなく、同時にRPAによる日付などの自動チェックを行うため、チェック項目も10数カ所から2カ所に減らすことができました」。

日進市の支出事務DX効果

このような好結果を出している理由について、同市はツールとシステムの相乗効果によるものも大きいと分析する。「電子決裁を導入したら、電子請求も必要になります。せっかくDXを進めるならば、できるだけ効果を引き出さなければならない。今回の取り組みでも、システムの足し算ではなく、かけ算で導入効果を大きくすることができました」。

ヒューマンエラーのリスクから解放され、庁内全体で業務効率化を果たしている同市の電子請求。こうした取り組みを行う際には、学校や保育園などの外部施設との調整も必要だと力を込める。「学校や保育園は請求書の処理業務が多いので、大幅な導入効果が見込めます。しっかり説明して、運用しやすいように打ち合わせを行うなどの調整を行い、足並みを揃えてもらうことが必要です」。

この電子請求システムを発端に、同市では「ここも電子化できるかもしれない」というアイデアも生まれてきているそうだ。事業者、職員双方の負担を減らし、業務の正確性を高めつつ、庁内の機運も醸成している日進市の取り組みは、DXのお手本的事例といえるかもしれない。

 

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電子請求をスムーズに導入するために

支出事務をDX化するAmbiRiseの北出さん

 

 

 

 

AmbiRise Haratte開発・カスタマーサクセス統括
北出 秀行(きたで ひでゆき)さん

日進市では、Haratteと財務会計システム、電子決裁、RPAの組み合わせで従来比15%程度の労力で済むようになったとお聞きしました。これは目視での伝票起票といったデータ化の労力や入力ミスなどがなくなり、処理の開始地点が進んだことが大きいと考えます。

Haratteでは、事業者が利用する際に、必須、フォーマット、日付の大小等、様々なチェックを経た請求書ができあがるようになっています。合計や税額の計算といった審査の際に検算してチェックが必要な項目も計算ミスが発生することはありません

「データ化された状態からスタート」「チェックの大部分をシステムに置き換え」「計算・転記ミスの防止」この3つの要素の相乗効果が、労力の大幅な軽減を生んだのではないでしょうか。

また、担当課においてもHaratteはスムーズに導入できたと評価いただいています。これは本システムが「自治体の業務負担を軽減する」ことを前提に開発されたサービスであり、操作がシンプルで職員の方の負担が少ないことが、評価につながったのだと思います。職員の皆様の負担が少ない分、各課や事業者との調整に時間を割くこともできます。

電子請求の導入で、自治体の担当者が最も心配されるのが「事業者が使ってくれるだろうか」という点です。日進市では6~7割の事業者が利用に好意的でしたが、弊社が他の団体で実施した調査でも同じくらいの割合が前向きな回答をしており、事業者側にも電子化を進めたいニーズはあるのだと感じています。

また、日進市で事業者への普及が順調に進んだのは、庁内・庁外問わず準備にしっかり時間と労力をかけられたことが大きかったと思います。日進市で取り組まれた様々な工夫は、今後導入される団体においても参考になるのではないでしょうか。

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