ジチタイワークス

石川県輪島市

“想定外”の災害対応に追われる中、いつものチャットツールが心強い援軍に。

情報の共有・周知を円滑にする自治体専用ビジネスチャット

能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島市。LGWAN回線が切れるなど、庁舎からは連絡すらままならない状況に陥った。しかし、職員はチャットを駆使して、発災直後から連絡を取り合い、情報を共有してきたという。

※下記はジチタイワークスVol.33(2024年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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石川県輪島市
企画振興部 復興推進課
デジタル化推進室
デジタル化推進係長
山吹 允(やまぶき まこと)さん

発災直後の混乱の中、わずかに残った回線が情報共有の“命綱”になった。

同市では、令和4年度から職員間のコミュニケーションツールとして「トラストバンク」の「LoGoチャット」を活用している。一般行政職員を対象にアカウントを配布し、電話やメールに代わる手段として日常的に利用。BYODを許可していたこともあり、ほとんどの職員が便利に使っていたという。

そうした中、能登半島地震が発生。市内には震度7を記録した地域もあり、ライフラインは甚大なダメージを受けた。通信に関する当時の状況を、山吹さんは次のように振り返る。「電話は不通、市庁舎の光ファイバーは断絶し、LGWAN回線も使用不能に。インターネットの一部回線だけが使える状況でした」。元日だったため、帰郷先が孤立化して、登庁できない職員も多かったそうだ。

安否確認すら困難な中、職員の中で自然に広がっていったのが、チャットによる連絡だった。インターネットがつながる地域にいた職員が現状を報告し合い、徐々に各自の状況が見えはじめたという。「個人のスマホを使えたことが幸いしました。連絡先を知らない職員にも、LoGoチャットなら連絡できる。電話番号を知らなくても話せる通話機能も助かりましたね」。混乱する被災地で、こうしてチャットが重要な連絡手段になっていった。

※ BYOD=Bring Your Own Device(私的デバイスの活用)

日常的に使い慣れたツールだからこそ、突発的な事態にも柔軟に対応できる。

いざ災害が発生すると、自治体が担うべき業務は多岐にわたる。同市もチャットの様々な機能を活用し、臨機応変に対応していったそうだ。「まず使ったのは、“グループトーク”。困り事相談・物資・医療などの目的別にトークルームをつくり、連絡事項や指示などを共有しました」。そこで実感したメリットは、情報が属人的にならないことだったという。「チャットなら多くの職員に情報を共有できます。また、誰に聞けばいいのか分からない質問でも、トークに書き込んでおけば誰かが回答してくれる。情報が特定の人に偏らない上、分かる人を探す手間を省くこともできました」。

また、避難所の状況報告や、設備の操作方法などを指示する際には、“ファイル送受信機能”を活用。視覚的な情報伝達のおかげで、細かい説明をせずとも意図を伝えることができたという。さらに、重要事項は何度も確認する必要があるため、情報が流れていかないように、“ノート機能”を使って書き留めておいたそうだ。こうして必要に応じて有効な機能を選び、工夫を凝らしながら目の前の困難に対応。「体調を崩した住民がいれば保健師に指示を仰いだり、避難所の定期報告に使ったり……。“LoGoチャットがなければ終わっていた”と、職員間で話しているほどです」。

導入している自治体が多いため、共通ツールとしての側面も。

発災から数日後には他自治体から応援職員が到着し、協同で業務にあたることに。そうした場面でもチャットは役に立ったという。「応援職員にもLoGoチャットを使っている人が多かったので、連絡がスムーズに進みました」。導入自治体が多いことに起因するメリットが、十分に発揮されたようだ。

非常時における情報の伝達や共有をチャットツールで乗り切った同市。そのポイントは「日頃から使っていたことでした」と山吹さんは語る。「当市では、災害に特化した業務システムも導入していましたが、使い慣れていなかったため、操作方法の習得から始めなければなりませんでした。いつものツールが災害時も使えたのは便利でしたね」。

こうした点を踏まえて、庁内では“教育現場などにもチャットを導入してはどうか”という意見が出ているという。「災害対応には全職員であたるため、教員や保育士も通常の勤務場所で働いているとは限りません。そうした状況でもチャットがあれば連絡がスムーズになる。検討する価値はあるでしょう」。復興に向けて一歩ずつ進もうとするその言葉には、より災害に強いまちを目指そうとする意志が感じられた。


 

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