鎌倉市は手続きの電子化に向けた先進的な取り組みにいち早く着手している。平成30(2018)年11月には電子化への第一歩として、Webサイト「くらしの手続きガイド」を公開した。利用者はいくつかの質問に答えるだけで、引っ越しや結婚、出産といったライフイベントごとに必要な手続きや、持ち物リストなどを洗い出すことができる。
今回、実証実験を開始した「Graffer窓口印刷」では、「くらしの手続きガイド」で洗い出された必要な手続き書類をパソコンやスマホで事前に作成することができる。フォームに必要項目を入力した後、生成されたQRコードを鎌倉市役所にある専用端末へかざせば、事前に入力した項目が記入された手続き書類をまとめて印刷できる仕組みだ。
これらのサービスを提供している株式会社グラファーの担当者は「個人情報をサーバーに保存せずQRコード自体に保存するので、自治体にとって安心して導入できるものになっている。いずれはマイナンバーカードを活用した個人認証機能を追加し、すべての行政手続きがスマートフォンやウェブで完結するようなサービスに発展させたい」と展望を話す。