ジチタイワークス

東京都葛飾区

移動式エアコンの導入で、熱中症対策における施設間格差の解消を目指す。

コンセントに挿すだけの移動式エアコン

気候変動の影響で近年は猛暑日が増え、空調は不可欠となりつつある。しかし補助金などで導入費用をカバーできず、空調の設置が難しい施設がどうしても出てきてしまう。この問題の解決に葛飾区が選択したのは、移動式エアコンだった。

※下記はジチタイワークスVol.32(2024年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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旧学校の体育館には空調が導入できず、住民の間に格差が生じてしまった。

東京都内の小・中学校では、都独自の補助で体育館への空調導入が進んでいる。ただ、それではカバーできない施設があった。同区では廃校になった学校があるが、その体育館は、施設開放事業で住民たちの社会活動やスポーツ活動に利用されている。しかし、廃校であるため補助金の対象外であり、新たな空調設備の設置が難しかったのだという。

当時の状況を教育委員会の永島さんはこう振り返る。「近くに学校がある住民は、空調の効いた体育館を利用できます。しかし、旧学校の体育館を利用する住民は夏の暑い中でも空調が利用できず、住民の間に格差が生じていました」。そればかりか、防災の面でも問題があったと続ける。「旧学校体育館も指定避難所なので、以前に大型台風が来た際には多くの住民が避難しました。しかし空調がないため室内の気温が高く、“何とかしてくれ”という声が多く寄せられたのです」。

そこで、これらの体育館でも熱中症対策として空調設置の検討を開始。ただ、据え付け型のエアコンは配管工事なども必要で、見積もりも高額だったという。「廃校になってから20年経つ施設ということもあり、いつまで使うか分からない状況で設置に踏み切るのは難しい。情報収集を続ける中で見つけたのが、移動式エアコン“ヒエスポ”でした」。

視察で効果を確認し、サポートを受けつつコストを抑えて導入。

すぐにメーカーの「信越空調」に問い合わせ、導入している法人や行政担当者の声を収集。また、予算要求の前には近隣の導入施設を案内してもらい、視察に行って細かい部分をチェックしたという。「季節は冬で、冷房・暖房の違いはあったものの、大型の体育館でもしっかり空調が効いていました。また、体育館ではバドミントンや卓球など、風の影響を受けやすいスポーツも行われますが、利用者の視点でも問題ないと感じました」。

また、検討段階から、同社の代理店による現地調査やアドバイスを受けられたという。「台数や機種の選定、設置場所のシミュレーションなどのサポートをしてくれたので、助かりましたね。移動式なので大がかりな工事が不要で、200Vの電源工事だけで済み、災害時用に導入していた発電機でも稼働できることが分かりました」。予算化に向けては、代理店に実機を旧学校体育館へ持ち込んでもらい、防災担当・財政担当とともに確認したそうだ。「4校に4台ずつ、計16台導入することが決まりました。旧学校は今後建て替えなどの可能性もあることから、5年間のリースで導入することに。そこでも初期費用を抑えることができたので、よかったですね」。

※ヒエスポ16台と、4施設の電源工事費(変圧器増設などを含む)、備品購入費、5年間の維持管理費(年1回のフィルター清掃、故障対応など)を含む総額。

どの施設でも住民の健康を守り、安心して過ごせる環境をつくる。

令和5年7月にヒエスポの稼働が開始。夏の暑い時期だったため、住民から喜ばれたという。利用者へのアンケートでは、“効果があり、涼しかった”“冬の暖房もぜひ使用したい”などの声が集まったそうだ。「例年、暑い日は直前になっての利用キャンセルも多かったのですが、空調の導入後はキャンセルが一件も発生しなかったと聞いています」。

また、稼働にあたっては代理店とともに操作マニュアルを作成したという。「体育館に職員は常駐していませんが、住民からは、“マニュアルがあったので簡単だった”という反応で安心しました。移動できるのも好評でしたね。体育館を広く使用するバスケットボールなどの際は、隅に寄せることもできますし、使わないときは倉庫に格納しておけます」。

費用を抑えつつ、住民の使い勝手のよさもかなえた移動式エアコンの導入。永島さんは「近年は毎年のように猛暑が続いていますし、災害はいつ起こるか分からない。平時の施設開放でも、災害時の避難所でも格差をなくし、どの施設であっても住民の健康を守っていきたいですね」と語ってくれた。

葛飾区
教育委員会 教育総務課
主任主事 永島 敏雄(ながしま としお)さん


ジチタイワークスVol.26の記事は、画像をクリックorタップでも読むことができます。

よくある質問

導入検討時によくある質問について、企業担当者に回答してもらった。

Q.実物を見て確認したい

A.導入・稼働中の近隣事例のうち、視察可能な施設をご案内します。
 

Q.どの機種が何台必要?

A.当社もしくは代理店の担当者が現地を調査し提案します。また、カタログには対応面積の目安を機種ごとに掲載しています。

カタログはこちらから
 

Q.メンテナンスの手間は?

A.年1回程度、フィルターを水洗いもしくは掃除機で清掃してください。全国に代理店網をもつため、メンテナンスの請負も可能です。

 

お問い合わせ

サービス提供元企業:信越空調株式会社

TEL:026-247-8100
長野県須坂市米持町174-1

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