ジチタイワークス

「野嶋さんが手がける様々な事業は先進的で魅力的。」【地方公務員アワード】受賞者&推薦者インタビュー

2024年で第8回目を迎える「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」。株式会社ホルグが主催し、地方公務員が、全国のすごい職員を推薦して受賞者が決まるアワードです。

2023年のアワードでは、過去最高148件の推薦があり、2024年もいよいよ推薦募集がスタートしました。そこでジチタイワークスでは、昨年実際に推薦文を応募した方にクローズアップ。受賞者とは元々どのような関係だったのか?どんなきっかけで推薦することになったのか。そこには様々なストーリーがありました。

さらには、推薦文を書くときに気をつけたことはあるのか?など、そのコツを聞いてみました。今年は、ぜひ皆さんが身近にいるすごい人を推薦してみませんか。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

本当にすごいと思う人を推薦する >

『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024』開催のお知らせページにリンクします

 

野嶋 京登(きょうと)さん地方公務員アワード2023で受賞!
野嶋 京登(きょうと)さん
静岡県浜松市 富塚協働センター 主任(コミュニティ担当)

地域住民とともに、公園で大きな白いパラソルのもと、アーティストとともにクリエイティブなワークショップを行う「あおぞら協働センター」を開催し、幅広い世代間交流や顔の見える関係づくりの一翼を担う。佐鳴湖(さなるこ)のごみ拾いボランティアの活動に感銘を受け、地域などを巻き込み、佐鳴湖ごみゼロ運動を仕掛けた。「ごみゼロフェスタ」等で啓発を行い、ごみのポイ捨てゼロを目指す。若者の地域づくりへの参画は、シビックプライドの機運醸成のため重要と考え、若者ボランティア「コミュニティ・アシスタント」の確立を行い、イベント協力や「アオハル音楽祭」「富ックオアトリート」等を行う。
浜松ケーブルテレビをはじめとする各メディアに多数出演・掲載され、地域づくりの大切さを伝える。「地域コミュニティの原点は楽しい時間を共有すること」は、地域住民に共感され、協働センターに子どもから高齢者まで多くの方が訪れる。


山本 裕美子さん推薦者
山本 裕美子さん
西東京市田無公民館分館長
東京都公民館連絡協議会職員部会元部会長

市職員歴36年目/市教育部公民館は9年目/西東京市内公民館6館のうちすでに4館で勤務
 

主な企画事業
SDGsロビーフェスタ田無/中学生ボランティアSDGsサポーター編/親子落合川探検と壁面水族館づくり/曜日別活動サークル1日ロビー見学体験会/子育て中の男性あつまれ!小学生親子料理講座パパっとごちそうレシピ!
月刊誌に掲載された実践報告特集記事
月刊公民館2023年11月号、社会教育2023年12月号に掲載/内容は、
「中学生と地域活動団体代表たちが各自関心のあるテーマで語り合う『SDGsロビーフェスタ田無』の成果と展望」

 

―受賞理由となった、取り組みの概要を教えてください。


野嶋: 大きく3つあります。1つ目であるメインは「あおぞら協働センター」の立ち上げで、建物の中に人が集う公民館のかわりに、公園に大きな白いパラソルを立てて、幅広い世代の人が交流する場をつくりました。

2つ目は、地域住民の声や要望から課題ややりたいことを拾って、課題解決に向け、堅苦しくないワクワクするイベントを企画したこと。

そして3つ目は、1年間で50回ほどメディアに掲載されたことが受賞につながったのだと思います。

地方公務員アワードは、数値で定量的に表せる取り組みを表彰されることが多いような印象でしたが、私の場合は定性的で、子どもから高齢者まで一緒に協働した事業をやっていることを評価いただいた点で意義があると感じています。

あおぞら協働センター若者ボランティア


公園に大きな白いパラソルを立てて、幅広い世代の人が交流する「あおぞら協働センター」や「若者ボランティア」の様子。

 

―今回、野嶋さんを推薦した人のひとりが山本さんでした。山本さんは浜松市ではなく西東京市の職員とのことで、どんなつながりがあるのでしょうか。

山本: 私は西東京市の職員で、平成28年から教育部公民館へ配属になり、係長職として4つの公民館で様々な事業を実施してきました。令和4年に西東京市の田無公民館の改修工事が終わりWi-Fiも整備されたので、全国で先進的な活動をされている人にオンラインで話を聞くことになり、講師をお願いしたのが野嶋さんでした。

どこの公民館も若者が来ないという課題を抱えている中、全国公民館連合会の方が、若者を巻き込んで事業を展開しているすごい人がいると推薦してくださったからです。

野嶋さんのいくつもの実践事例はどれも本当に素晴らしい内容でした。

私は東京都公民館連絡協議会職員部会の部会長もしていたので、3カ月後に控えた、都内の公民館職員を対象にした研修会で、野嶋さんを講師として浜松からリアルにお呼びして実践事例を学ぶ企画を提案しました。

研修会には多くの公民館職員が参加し、たくさんの気づきや学びや刺激をいただきました。

実践事例を学ぶ研修会

多くの若者や市民を巻き込んだ事業展開を数多く手がける野嶋京登さんいわく「地域コミュニティの原点は、楽しい時間を共有すること」

自分たちだけで聞くのはもったいないと思い、さらに4カ月後にも東京都公民館研究大会に事例発表者・助言者として来ていただき、さらに多くの公民館職員や公民館運営審議会委員や公民館利用者に向けてお話しいただきました。

毎回、聞いた皆さんがすごく刺激を受けて、大好評でした。野嶋さんにはSDGsロビーフェスタ田無のアドバイザーも務めていただき、頑張る人たちの背中を力強く押してもらっています。

 

―山本さんが野嶋さんを推薦しようと思われた理由を教えてください。

山本: 初めにオンラインで取り組み事例をお話しいただいたとき、ものすごい方だと感動して、もっと多くの人に知ってほしいと思ったからです。

それに、野嶋さんが企画した事業は新聞や地元のテレビにたくさん取り上げられて、今の部署になって80回ほど報道されたなんて驚異的ですよね。

地方公務員のほとんどは、担当事業がメディアに取り上げられることはありませんから。それだけ野嶋さんが手がける様々な事業は先進的で魅力的なんです。そんな人はいないので、推薦しないわけにはいきませんでした。

野嶋: 山本さんには1年のうちに何度も講演や研修の機会をいただいた上に、推薦までしてもらい、アワードの会場にも足を運んでもらって大変感謝しています。多くの人に共感してもらうことももちろん大切ですが、強い思いで支援してくれるほうが大事だと思っているので、ありがたいです。

イベント終了時の集合写真

イベント終了時の集合写真を撮ることは、一緒に盛り上がった楽しい時間を共有するためにも、その後の展開のためにもとても重要と野嶋さんからアドバイスがあり記念撮影

それに、私は講演や研修で人の心に火をつけて、行動変容を起こしたいと思っていて、山本さんをはじめとする、研修受講者の方々が企画を行い、新たな事業を始めたり行動したりした人がたくさんいると聞いて、とてもうれしく思っています。

山本: 野嶋さんから若い人を巻き込んだ事業などについて話を聞き、公民館に勤める若い人からベテランまで目からうろこで、自分たちも色々な企画ができると気づいて頑張っています。

皆さん、「あれから、自分の公民館では、こんなことをした」と野嶋さんに報告したくてたまらない感じです。

授賞式にかけつけてくれた推薦者のお二人。

授賞式にかけつけてくれた推薦者のお二人。山本さん(写真左)と浦安市の北村さん(写真右)。

 

―山本さんが推薦文を書くときに気をつけたポイントを聞かせてください。

山本:800字の制限の中で、野嶋さんがどれだけすごい人かを感じてもらえるように、全国探してもこういう人はなかなかいないというポイントを書かせてもらいました。

 

―受賞したことで何か変化はありましたか。

野嶋: 友だちや地域住民をはじめとする多くの方に喜んでいただき、自分自身の仕事に対するモチベーションがさらに上がりました。

取り組みは点が線になり面になって、ワッと花開いた感じです。マスコミが大々的に取り上げてくださったことで色々なところで声をかけられ、知り合いが増えて、多くの人が自分事のように喜んでくれました。

お祝いなので、アワードの会場にみんなで貸し切りバスで行こうと話が出たり、私の歌をつくろうかというミュージシャンがいたりと、地域の人たちと一緒に盛り上がるきっかけになりました。(結果的には会場の広さの都合などで実現はしませんでしたが)

また、自分の居住する地域の町内広報紙で「一丁目のステキな人」という特別なコーナーで取り上げてくれたことで、さらに認知される機会も増えました。

私の場合、アワードでは山本さんをはじめ、全国の自治体の方が推薦してくれました。各地の人にお会いすることでスキルが上がったり、情報共有できたりと、全国でネットワークが広がると公民館活動が活発になるはずなので、これからも意欲的に活動していくつもりです。こうした小さくローカルな活動をすることが、日本全体で重要だと思っています。

 

―今年は「NEXT HOPE賞」という30歳以下を対象にした新しい枠ができました。地方公務員アワードやNEXT HOPEに期待することを教えてください。

山本: 今の職場には若手があまりいないのですが、若手の賞ができることはみんなの励みになるので頑張ってほしいです。

野嶋: 30歳以下なら、2、3の部署を経験したところですね。若手で実績をつくった人は、プロセスを丁寧に進めて、役所内外への説得力があり、まわりの支えも大きいと思います。どんな人が受賞するのか見てみたいし楽しみです。若くても実績を作れると示すことができたら、全国的にいい影響を与えられると期待しています。

 


 

「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024」推薦募集中!

地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード

【開催概要】
1)応募受付期間(締め切り)
  2024年7月7日(日)まで

2)応募・推薦方法
  自薦ではなく“他薦”であること!自身ではなく、周囲の人が推薦文を投稿する方式。
  頑張る職員に光を当て、応援するのがねらいです。

『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024』開催のお知らせページにリンクします

3)結果発表等

・2024年8月中旬にホルグ公式サイト『Heroes of Local Government』 にて結果発表、
・2024年10月13日(日)に表彰式開催予定(変更可能性有)

 

▼2023年表彰式の様子

 

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