ジチタイワークス

岐阜県養老町

プレミアム商品券の電子化をきっかけに、多機能アプリで地域経済を活性化。

商品券や地域通貨を電子化するアプリ

地域経済を活性化させる施策の一つに“プレミアム商品券”があるが、住民に浸透しないといった悩みを抱える自治体も多いようだ。そんな中、養老町では独自のアプリで電子化を果たし、地域に支持されつつ機能の充実を進めているという。

※下記はジチタイワークスINFO.(2024年5月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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プレミアム商品券のデジタル化で町内での消費行動の活性化を目指す。

コロナ禍では、ほかの地域と同じく同町でも地域経済が停滞した。観光を主産業の一つとしているためダメージは大きく、「早急な対策が必要でした」と久保山さんは話す。「経済を地域で循環させなければという課題も、コロナ禍以前からありました。住民の生活様式の変容に合わせ、それらをデジタル活用で乗り越えようと考えたのです」。

同町は交付金も活用して新たな取り組みに挑戦することを決め、その手法を協議した。「大手企業の決済サービスを使った還元キャンペーンなども候補に挙がりましたが、最終的には“町内での消費行動に結び付く”という点を重視しました」。こうした経緯で、地域のプレミアム商品券を電子化することに決定。「GMOペイメントゲートウェイ株式会社」と「GMOデジタルラボ株式会社」が提供する「モバイル商品券プラットフォーム byGMO」を採用し、独自のアプリ「養老Pay」を構築することになった。

同アプリにて会員登録をすれば、プレミアム商品券を購入できる。「地域外からの流入もねらい、町外の方も購入可能としました」。もちろん、商品券を電子化しただけで地域経済が活性化するわけではない。取り組み開始前には、コツコツと積み重ねた根まわしがあったという。

地域からの協力を地道に集めつつ続々と生み出された新しい事業。

商品券の事業では、利用店舗数を確保する必要があるが、ここに最も注力したと渡辺さんは振り返る。「当町は高齢化率が高く、デジタル化への抵抗感を示す店主も多いので、理解と協力を得るためには労力を惜しみませんでした」。折しもコロナ禍で大規模な説明会はできず、小規模な会合を開催しつつ、職員が店舗を1件ずつ訪問。アプリの画面を見せながら丁寧に説明を続けたという。「小さなまちなので店舗も多くはないのですが、アプリ導入当初は約90店舗の賛同が得られました」。

こうした努力のかいあって、令和3年10月からサービスを開始。順調な滑り出しに手応えを感じた同町は、アプリを駆使した事業を次々に打ち出していった。マイナンバーカード新規申込者への商品券付与や、町内の大学生を応援する給付事業、中でも町外の人を対象に、同町での消費額相当分を養老Payで還元してまた来てもらう「Back to the YORO」キャンペーンは大反響だったという。

さらに、高齢者の利用状況を家族などが確認することで安否確認につながる“見守り機能”や、オンデマンドバスとの連携など、追加機能も続々と登場した。また、「商品券はカード版も用意しました。デジタルデバイド対策も忘れません」と渡辺さんは力を込める。

住民・事業者とも一体となって目指すはデジタルの“総合窓口”。

同町の取り組みは住民にも支持され、令和6年3月には、会員が1万6,000人を突破。プレミアム商品券の利用率も99.9%と、着実に地域経済を潤している。「当初は苦労もしましたが、今は問い合わせもほとんどなく、満足してもらえている様子です」と竹中さんは目を細める。「利用できる店も146店舗まで増えました。養老町商工会でもこの事業に力を入れており、地域が一体となって経済活性化を進める大切な取り組みになっています」。

現在も、生体認証やスタンプラリー、地域鉄道とのコラボなど、アプリ内で新しいサービスをリリースしつづけている同町。健康状態の見える化と生活習慣改善を目的とした「YORO健康通帳」アプリの運用や、マイナンバーカードとの連携も開始。「今後は、個人が必要とする情報をプッシュ型で届けられるようになると考えています」。

これからも様々な機能を追加し、「近い将来には養老Payに総合窓口のような機能をもたせたい」と語る竹中さん。同町の取り組みは、コロナ禍のピンチを地域経済活性化のチャンスに変えた好例といえるだろう。

左から
養老町 産業建設部
参事 兼 産業観光課 課長 竹中 修(たけなか おさむ)さん
産業観光課 係長 久保山 正也(くぼやま まさや)さん
産業観光課 主任 渡辺 祐貴(わたなべ ゆうき)さん
 

キャッシュレス決済にとどまらず幅広く活用できる「養老Pay」

1.“見守り機能”で子どもや高齢者も安心

利用者の家族などが登録申請し、本人が承認することで、アプリを利用した際に通知が飛び、決済履歴も確認できる。高齢者の安否・活動確認や、子どもの見守り、本人の意図しない不正利用の抑止などに役立つ。

2.アプリ、ブラウザ、カードと柔軟に運用可能

運用環境はアプリかブラウザかを選べ、デジタルデバイド対策としてカードでの交付も実施。店舗側が二次元コードを読み込むことで決済が行われる。自治体では、これらの利用ツールを問わず情報の集計・管理ができる。

3.オンデマンドバスの運賃支払いにも活用

地域でのMaaS推進施策でも活躍している。オンデマンドバスでは事前に利用者登録をしておくことで、アプリが利用者証として使え、運賃の決済も可能になる。ローカル線「養老鉄道」とのシステム連携も進行中

※令和6年3月時点

4.プッシュ通知でタイムリーな情報伝達

イベント情報やクーポンの有効期限などを利用者のスマホに直接配信することで、情報伝達率を高めることが期待できる。マイナンバーカードと連携すれば、より個人ニーズに応じた情報発信も可能になる。

地域になじむ柔軟なアプリ

地域ニーズに合わせた柔軟なカスタマイズや、全国の自治体で役立つ共通の機能なども随時追加されてきたのだという。ホームページでは自治体での導入事例なども掲載中なので、ぜひチェックを。

お問い合わせ

サービス提供元企業:GMOペイメントゲートウェイ株式会社

E-mail:info@gmo-mobilepay.jp
東京都渋谷区道玄坂1-2-3
渋谷フクラス

●モバイル商品券プラットフォーム byGMOを活用した養老Payの取り組みは、GMOデジタルラボ株式会社とGMOペイメントゲートウェイ株式会社の共同事業です。

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