ジチタイワークス

兵庫県西宮市

“体験”に力を入れた防災訓練で、非常食を事業PRに活用する。

オリジナルパッケージの非常食

災害が少ない地域や、災害を経験していない世代の防災意識をどう向上させるか、頭を悩ませている自治体は多いだろう。西宮市では、防災訓練の実施にあたり、若年層の参加者増加を目指したという。背景やその成果について話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.31(2024年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]井村屋株式会社

阪神・淡路大震災から30年を目前に若年層の防災意識向上を目指す。

近年、幸いにも大きな災害には見舞われていない同市だが、元々市民の防災意識は高い地域だ。「当市は阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた地域の一つです。あの経験は今もなお、市民の記憶に深く刻まれていますし、市民の防災意識が高い理由でもあります。ただ、来年の令和7年には震災から30年が経つこともあり、若い世代へのノウハウ継承が課題となっているのです」と庭山さん。震災を経験していない若年層が子育て世代となりつつあることを踏まえ、この世代をターゲットとした施策を検討していたという。

折しもコロナ禍で実施を見送っていた小学校区防災訓練が、約4年ぶりに開催されることに。「しかし、当時の担当職員がほぼ全員異動していたため、いっそのことプログラムを一から作成しようと考えました」。まずは他自治体事例などの情報収集を始めたというが、「目に留まったのが、ジチタイワークスWEBにあった若年層向け防災訓練の記事と、“えいようかん”を活用した防災意識啓発の記事でした」。これらを参考に、小学生とその保護者をメインターゲットとしたプログラムづくりを開始。また、参加賞として配る粗品を決める必要もあり、併せて検討を始めた。

非常時にホッとできる甘さとエネルギー効率のよさに着目。

えいようかんは「井村屋」が手がける非常食で、賞味期間は5年と、備蓄に適した商品だ。「震災被災者の著書にあった、“非常時に甘いものがあるとホッとする”という話が記憶に残っています。避難生活が長期化して疲弊する中では、日常に戻れる時間が必要なのだと。それに加えて、ようかんのエネルギー効率のよさを知っていたこともあります。私は学生時代にスポーツをやっていたのですが、練習中にようかんで補給をしていたんです」。

また、これにオリジナルパッケージを施して活用できるという点にも興味をもったという。「“にしのみや防災ネット”への登録を促すデザインにすれば、単に物品配布以上の効果があります。配布するならこれだ!と、すぐに問い合わせました」。にしのみや防災ネットは、災害時に市からの緊急情報や避難情報などがメール配信されるもの。令和5年度は登録者数を増やす目標を立てていたそうだ。

こうして準備を進め、令和5年11月12日に実施した小学校区防災訓練では、約1,000人の地域住民が集まったという。「4年前の訓練参加者は平均200~300人ほどだったので、かなりの盛況でした。また、この訓練に合わせて集団避難訓練も実施されましたが、これは地域の自主的な声かけによるもの。高い防災意識をもった自治会や自主防災会の存在は、市の強みです。市民の活発な防災活動を今後も継続できるよう、より一層環境を整備していきたいですね」。

西宮市
総務局 危機管理室
地域防災支援課
庭山 篤さん

約1,000人が参加した体験型の防災訓練

9:00~ 集団避難訓練

防災スピーカーを合図に、各地区から小学校を目指して集団避難訓練を実施。

10:00~ 体験型訓練 11:25~ 消防訓練展示

プログラムの目的は、実際に手を動かして防災ノウハウを身に付けること。子ども防災コーナーではVR・ARゴーグルを使った災害体験や、防災紙芝居も。

11:50~ 講評・終了

終了後には、えいようかんを配布。写真は令和6年1月に実施した防災講演会での配布の様子で、様々な機会で手渡しし、防災意識を啓発している。

地域がもつ防災意識を継承し、自助・共助の仕組みを強化する。

訓練時に配布したえいようかんは、“ようかんが非常食になるとは知らなかった”と好評だったそう。「コンパクトなので子どもの手でも持ちやすいということや、訓練前の保管や運搬の際にスペースを取らないこともよかったですね」。配布後には、にしのみや防災ネットへの登録が約250件あり、少なからず成果につながったのではと話す。

大きな爪痕を残した大震災から30年の節目を前に、さらなる防災意識向上を目指す同市。「有事の際は職員も被災者であり、自助・共助の仕組みづくりが市民の命を守るカギとなります。避難所での集団生活は快適とはいえず、市の備蓄物資も十二分にあるわけではない。公助依存でなく、市民自らの備えをさらに呼びかけていきます」。今後は南海トラフ地震発生を想定し、地域主導の避難所運営にも力を入れるという。引き続き、同市の取り組みに注目していきたい。

住民も職員もうれしい「えいようかん」の強み

● 5年間の長期保存が可能
フィルムは簡単に開封でき、調理も食器も不要。

● ご飯小盛り1杯分のカロリー
非常時に1本で効率よく栄養を摂取できる。

● アレルゲンフリー
子どもから高齢者まで、安心して食べられる。

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納品までの流れ

❶問い合わせ・見積もり、数量などを決定

1・3・5本セットがあり、小ロットからの発注も可能。

❷デザイン案の作成※約3週間~1カ月

デザインは井村屋に依頼するか、持ち込みでもOK。

❸デザイン決定、発注・入金

▼約1カ月

❹商品完成、納品

※下記は1カ月以上かかる可能性あり
・ GW、お盆、年末年始を挟む場合
・ 防災の日の前後や、年度末に納品の場合

お問い合わせ

サービス提供元企業:井村屋株式会社

商品営業企画部

TEL:050-1791-2039
東京都文京区本郷1-24-1
ONEST本郷スクエア4F

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