ジチタイワークス

静岡県伊豆市

【チームの絆】志を同じくする若手職員30人が、20年先の未来を見据えて走り出す。

ジチタイワークス増刊号「感謝劇場」とは?
行政マガジン編集室が、事例紹介を中心とした通常号とは趣の異なる「増刊号」をつくりました。
「感謝・ありがとう」をコンセプトにした、その名も「感謝劇場」。略して、カンゲキ号です!
公務員の誰もが主人公になり得る、様々な視点での「ありがとうのドラマ」を取材し、紹介しています。

※下記はジチタイワークス 感謝劇場号(2024年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「これからの伊豆市を背負うのは君たちだ」という市長の言葉を受けて、令和4年8月に設立された「伊豆市デザインラボ(以下、ラボ)」。市制20周年を契機として、20~40代の若手職員有志が、20年後の「市のありたい姿」を模索し、活動しているという。

左から
遠藤 尋生(えんどう ひろき)さん 建設課
太田 成一(おおた せいいち)さん 企画財政課
鈴木 有里菜(すずき ゆりな)さん 上下水道課
杉本 和穂(すぎもと かずほ)さん 観光商工課

右腕・エース・ホープと、個性的な顔触れのリーダーが揃っている。

―― まずは太田さんから、ラボの説明と皆さんのご紹介をお願いします。

太田 市長の言葉をきっかけにラボを設立し、若手職員30人が所属・活動しています。テーマ別のワーキンググループ(以下、WG)があり、今日はそのリーダーに集まってもらいました。遠藤はいつもニコニコしているのですが、意外にも仕事への意識は高い(笑)。私の右腕のような存在です。

遠藤 「職場環境の改善WG」のリーダーをしています。最近増えている若手退職者の本音を調査し、そこからいくつかの改善案をまとめて「職員組合」に要望書を提出しました。

太田 鈴木は企画力が素晴らしく、今後のエースとして期待しています。

鈴木 「市制20周年記念イベントの企画立案WG」では、「ワサビを同時にすりおろす最多人数」で、世界記録に挑戦しようと企画しました。当市は旧4町が合併しているのですが、そういう隔たりをなくし、子どもから大人まで一緒になって楽しめる企画にしたくて……。

太田 若手ホープの杉本は、まわりの意見を聞きながら、どんな活動も丁寧に取り組んでくれています。

杉本 私がリーダーを務める「視察WG」では、職員自身が地元を知ることが大切だと考え、ラボのメンバー向けに「伊豆市の魅力再発見ツアー」を開催。地元の生産者さんに、食材をつくる現場を見せてもらいました。

杉本さんがリーダーを務める「視察WG」では、「伊豆市の魅力再発見ツアー」を開催。伊豆半島が誇るブランド鶏「天城軍鶏」の鶏舎などを見学し、生産者のこだわりを聞いた。

ラボでの活動には、通常業務ではできない貴重な経験がある。

――ラボの活動は業務として行われているそうですね。

太田 業務外で集まるのはハードルが高いと思い、「業務内でやらせてほしい」と、上司と人事にかけ合いました。メンバーが所属する部署の部長や課長など、上司がラボの活動を後押しし、サポートしてくれるから活動ができている。本当に感謝しています。ただし、僕らは公金を使って動くので、成果を見える形で残さないといけない。

遠藤 職員組合に要望書を提出したときは、地元の新聞社に取材してもらいました。通常業務なら提出するだけでいいのですが、打ち出し方まで考えるのが、このラボならでは。活動だけではなく、そのPRにも力を入れています。

太田 今回も豊田というメンバーが「ジチタイワークスに出たい!」と言い出し……。その夢がかないました(笑)。

鈴木 通常業務は前任者から引き継いだものが多く、ある程度やることが決まっています。しかし、ラボではゼロから企画を立ち上げるため、「いつまでに何をするべきか」など、考えることがたくさんある。企画を財政部署にプレゼンしたのですが、若手がこういう経験を積めるのは貴重です。

杉本 ラボでの活動は、勉強になることが本当に多いです。遠藤さんのWGが全庁的なアドバイスをしているのを見て、「自分のWGでも何かしたい!」と。いつも刺激をもらっています。

僕らより2歩も3歩も先を走っている、頼れるリーダーです。

―― 最後に、皆さんから太田さんにひと言、お願いします。

鈴木 ラボでは他部署との交流が図れる上、有志なのでやる気のあるメンバーが集まってくる。まずは、こういう場を設けてくれて感謝しています。

杉本 アイデアや議論が詰まってしまったら、助け舟を出してくれる。色々と丁寧にサポートしてもらっています。

鈴木 そうそう。私のラボでの活動を、太田さんから私の上司に報告してくれるんです。そのため上司は理解があり、今日の取材も「せっかくの機会だから」と、快く送り出してくれました。

遠藤 立ち上げから1年半しか経っていませんが、市役所全体の意識が変わりつつあると思います。毎年、同じようなことをするのではなく、「ちゃんと効果的な方法を考えよう」とか……。太田さんなしでは、ここまではできていなかった。僕より2歩も3歩も先を走っている、まさにリーダー的存在です。

太田 初めて聞いた(笑)。普段は忙しくてなかなか参加できないメンバーも、新しいことにトライするときは率先して取り組んでくれて、本当に頼もしく思います。この活動を通して、庁内に腹を割って話せる人が増えました。自分こそ、色々な面で助けられている。ラボをやってよかったです。
 

◆活動内容

「住民の満足度向上は職員の満足度向上が鍵!」をモットーに、月に1回ほどワークショップや視察、講話などを行っている。WGへの参加は任意で、複数参加も可能なのだとか。メンバーにとって理想を語れる場であるため、年齢・役職などに関係なく、“みんなが平等”で“相手を否定しない”姿勢を大切にしている。

◆ワーキンググループ一覧

1.市制20周年に向けた伊豆市エンブレム・ロゴ作成(リーダー:太田さん)

2.市制20周年記念イベントの企画立案(リーダー:鈴木さん)

3.未来塾との連携(リーダー:三須さん)

4.区長会のオンライン化(リーダー:山下さん)

5.視察(リーダー:杉本さん)

6.保存文書のデータ化・文書保存方針の検討(リーダー:佐藤さん)

7.職場環境の改善(リーダー:遠藤さん)

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