公共イベントや地域のお祭り、学校行事などの現場運営を円滑にするため、各地の自治体がトランシーバーなどの無線機を導入・活用している。近年は頻発化する自然災害に対応すべく、無線機器の新規導入を検討している自治体も多いという。ただ、高価な無線機を導入すると相応のコストが必要であり、日常的に使うものではないだけに、早い時期から導入している自治体の場合、経年劣化に気づいていないケースも少なくはないようだ。
そうした状況を受けて「ウェッジ」は、信頼性が高く導入しやすい価格の国産トランシーバーを“入口”にして、自治体ごとのニーズに応じた無線通信環境を提案中だ。同社のトランシーバーの仕様や、自治体における活用状況などについて、営業企画課の髙瀬さんと取締役の中村さんに聞いた。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
[提供]ウェッジ株式会社
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ウェッジ
右:取締役 中村 真輔(なかむら しんすけ)さん
左:営業部 営業企画課 髙瀬 勝巳(たかせ かつみ)さん
早い時期に導入し、経年劣化等に気づいていないケースも!
各地の自治体がイベントやお祭りなどの現場で、人流の整理、あるいは駐車場内の車両誘導などを円滑にするため、トランシーバーやインカムなどの無線通信機器を活用している。
活用シーンとして、例えば、発災時に指定避難所に出動した職員が、施設内・外の連絡用として使う場面が多く、ほかにも、ごみ焼却施設の作業現場と制御室間の連絡、公園内での迷子や落とし物などの報告、鳥獣捕獲作業時の人員連携、地域観光スポットにおける来場者からの質問対応などにも使用している自治体もあるようだ。
教育現場においても、火災やけがなどの発生リスクがある技術・家庭科の実習室や、特別支援学級の教室内にトランシーバーを常備し、職員室や保健室と迅速に連絡が取り合えるよう配慮する小・中学校が増えているという。
このように、工夫次第で様々な活用法があるため、随分前から使用している自治体も多いようだが、長期保管している間の経年劣化や、電池を入れっぱなしにしていたことによる電解液の液漏れなどに気づいていないケースが少なくないという。
コロナ禍による影響から使用期限が延長されたものの、いずれ使用不可となる旧スプリアス(不要電波)規格の無線機を導入している自治体もあるだろう。 そうした中で、各種無線機の総合商社である「ウェッジ」は、同社オリジナル機である「Wedge Talkie®(以下、ウェッジトーキー)」の導入を、全国の自治体に提案中だ。
「多くの皆さまのニーズをもとに必要な機能のみ搭載し、低価格で提供している人気モデルです。現在、発売から5年で約8万台を販売しました」と、中村さん。「自治体では、イベントなどの現場運営はもちろん、選挙会場内の選挙管理委員同士の連絡、消防や防災関連など、様々な用途で活用されています」。
必要な機能をコンパクトサイズに収めた、信頼の国産モデル。
ウェッジトーキーは、出力10mW・使用周波数400MHz帯の特定小電力トランシーバーである。免許・資格が不要なため、導入して電池(単3形アルカリ乾電池1本)を入れれば、すぐに運用開始できる。国内大手無線機メーカーである「アイコム」が製造する国産モデルでありながら競合機種と比較すると、かなり安価な点が大きな特徴だ。
「上位機種のトランシーバーには、複数機と同時通話ができたり、受信時にバイブレーションが鳴動したりといった機能がついていますが、それら便利機能は特定のシチュエーションに限られ、一般的な現場ではあまり使われていません。
一対一の音声通信、中継器対応、IP54相当の防じん・防水性能など、皆さんに求められる必要機能だけに絞り込むことで、小型軽量化とロープライスを実現しました」と、髙瀬さん。「導入自治体からは、“移動が多いイベント会場内などでも、小型軽量なので持ち運びが便利で使いやすい”など、ご好評いただいています」。
実際、幅46.5mm×奥行き19.9mm×高さ80mmの外寸は、小柄な人でも片手でラクに持ち運びできるコンパクトさで、本体重量も約86g(電池含め約110g)と、長時間携帯しても疲れることはなさそうだ。
単3形アルカリ乾電池1本で約24時間使用できるので、朝から夜半まで続くような屋外イベントなどでも、十分使用に耐えられる。また、シンプルデザインによる簡単操作も同モデルの特徴で、トランシーバー使用経験がない自治体職員でも、すぐに使いこなせるようになるだろう。
なお、通話可能距離は市街地の屋外で約200m、郊外で約400m、障害物のない見通しの良いエリアなら約800mで、中継器を使用すれば電波の飛距離を2倍近く伸ばすことができる。
広がる導入の輪!小学校から問い合わせ希望の声が続々。
自治体導入事例のうち、京都市にある音羽小学校の場合、まさにこの“中継器使用で通話可能距離を伸ばせる点”が、導入の決め手になったという。
「不審者対策など危機管理において、職員間連絡用などとして、以前からトランシーバーを使われていましたが、中継器に対応していない機種では、校内に電波が届かない場所が点在したそうです。問い合わせをいただいた後、実機による検証を行い、校内全体で通信が行えることを確認いただいたのちに納品しました」。同校での導入を機に、近隣小学校からも問い合わせが入っているという。
自治体のニーズに応じて、複数のモデルを提案する。
大規模イベント開催時など、相応の人数の職員が会場運営にあたる場合、全員がトランシーバーを携帯していた方が便利だろ。ただ、高価な機種を数十台単位で導入するとなると、予算の確保が大きなハードルとなる。とはいえ、信頼性に欠ける格安品を選択し、必要な場面で必要な通信ができないようだと導入する意味がない。
「その点、ウェッジトーキーは信頼性が高いとされるアイコム製であり、予算の範囲内でより多くの台数を導入できる価格で提供中です。ご要望いただければ、実機による通信状態の確認も事前に行っていますので、“買ったものの使えない”という事態は発生しません」。
京都府内の本社を中心に、北海道から九州・沖縄まで計9拠点を展開しているので、全国規模で問い合わせ対応や販売後フォローを行えるのも、同社の強みだ。
自然災害が激甚化・頻発化している昨今、発災時の通信手段確保のために無線機器の導入を検討する自治体が増えている。
「ウェッジトーキーは、特定小電力トランシーバーという商品特性上、当庁内の災害対策本部と支所、指定避難所と地域の基幹病院といった、遠隔地間の通信には使えません。その分、自治体内でどのような通信環境を整えたいのか、どういう場所で使いたいのかといった要望をお伝えいただければ、それに合わせた上位機種との組み合わせを提案したり、中継器の設置場所を検討したりできます」。
今後は、同機器の導入を“入口”として、自治体ごとのニーズに応じた無線通信環境を提案していく考えという。
トライアルのご案内
現在、デモ機の無償貸し出しを実施中。台数に限りがあるため、この機会にぜひお試しください。
- ほかにもある!Wedge Talkie®の機能 -
●グループ通話機能
通信相手を特定の人に限定する、グループ通信機能を搭載している。
●トーンバースト通話機能
送受信切り替え時のノイズを、抑制イヤホン併用時も快適に使用できる。
●空チャンネルサーチ機能
通話の行われていないチャンネルをサーチし、通話相手も自動で同期する。