ジチタイワークス

岡山県瀬戸内市

防災アプリの利用率アップに、非常食で“記憶に残る”PRを。

オリジナルパッケージの非常食

瀬戸内市は、防災アプリのインストール数アップをねらい、「井村屋」の備蓄用ようかん「えいようかん」のオリジナルパッケージ商品を導入。令和5年10月より活用を開始している。その背景や抱えている課題について、担当者に話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.29(2023年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]井村屋株式会社

住民の防災意識を高める地道な活動に、インパクトのある一手が欲しい。

災害が少なく、住民の防災意識が低いことを課題とする同市。大雨被害などを受けた際には一時的に意識が高まるものの、「数年経つと、関心はどうしても薄れてきます」と新田さんは話す。大規模災害を想定した準備は長く課題とされており、防災訓練や地域での出前講座などを実施しているが、住民の意識向上には結び付きにくいという。

「大規模災害への備えとして、令和4年度に防災情報伝達システムを整備しました。防災アプリ・屋外スピーカー・戸別受信装置を使って、防災情報を住民へ伝達するものです。これにより住民は、いつ、どこにいても防災情報を受け取れるようになりましたが、当初順調に増えていたアプリのインストール数が伸び悩んでいたのです。もっとインパクトのある周知方法はないか、模索していました」。

そんな中、ジチタイワークスで見つけたのが愛知県名古屋市の記事だった。災害リスクが低く、住民の防災意識向上を目指しているという、まさに同じ課題をもつ事例に共感。これを参考に、オリジナルパッケージのえいようかんを導入するに至った。

情報伝達ツールの利用を促しつつ、経験不足を補う人材の育成も。

パッケージで独自のPRができる同サービス。非常食であるえいようかんは特に防災情報と親和性が高く、5年間保存できるため、長く目に留まるメリットもある。同市では今回、防災アプリのインストール数増加を目指し、ダウンロード用の二次元コードをパッケージに掲載した。

「これまでもチラシや広報紙で周知してきましたが、既存の方法では行動に結び付かなかった層にもアプローチできると考えています」。パッケージのデザインは同社に依頼したのだそう。「プロが色や配置のバランスを考えて作成してくれますし、小ロットの発注でも対応してもらえました。職員の負担や予算的にも、とても取り組みやすかったですね」。

情報伝達と並行して同市が力を入れているのが、防災リーダーの育成や、地域住民による自主防災組織の結成支援・活動促進だ。「災害が少ないということは、避難の経験や、避難所の開設・運営実績も乏しいということ。住民はもちろん、職員も同様です」。これに備えるため、人材育成を喫緊の課題としているという。「防災リーダーの育成やフォローアップ、小学校区の地域住民による避難所運営の推進などに取り組んでいます。また、自主防災組織への助成も、今年度から対象を拡大しました」

災害リスクが低い地域だからこそ、自助・共助・公助の仕組みが必要。

えいようかんは、内閣府が同市で開催した「避難生活支援リーダー/サポーター研修」で初めて配布。同デザインのポップも作成し、住民の注目を集めたという。防災アプリの重要性を伝えつつ、あえて“ぜひ食べてみて”と声をかけ、非常食のおいしさを知って家庭で備蓄を始めてもらおうとPR。今後もイベントや研修などで配布する予定だ。

近年の災害激甚化により、公助がますます困難なものになりつつある中で、「自治体として、防災における自助・共助を強力に推進する必要性を感じています」と新田さんは力を込める。「もちろん、私たち自治体による公助がしっかりと機能することが大前提。ここ2~3年で、職員の知識や対応力アップへの取り組みにも力を入れています。その上で、今後ますます増える要支援者の避難問題については、福祉との連携も重要でしょう。公助を強化しながら、自助・共助を支えるため、防災意識の向上と人材育成の仕組みづくりを、さらに推進していきます」。

災害に強いまちづくりという長年の課題に、挑戦を続ける同市。急激に変化させることは難しいが、こうした活動を積み重ね、継続することで、草の根のように防災への意識が広がっていくのだろう。住民の命を守るための、地道な取り組みは続く。

瀬戸内市
総務部 危機管理課
主幹 新田 浩二(にった こうじ)さん

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納品までの流れ

❶問い合わせ・見積もり、数量などを決定

1・3・5本セットがあり、小ロットからの発注も可能。

❷デザイン案の作成※約3週間~1カ月

デザインは井村屋に依頼するか、持ち込みでもOK。

❸デザイン決定、発注・入金

▼約1カ月

❹商品完成、納品

※下記は1カ月以上かかる場合があります
・ GW、お盆、年末年始を挟む場合
・ 防災の日の前後や、年度末に納品の場合

お問い合わせ

サービス提供元企業:井村屋株式会社

商品営業企画部

TEL:050-1791-2039
東京都文京区本郷1-24-1 ONEST本郷スクエア4F

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