レセプト点検+αの医療費適正化総合支援サービス
地域経済の悪化や高齢化が進行する中、国民健康保険制度をいかに健全に運営するかは、自治体にとって大きな課題の一つだ。医療費適正化の実行力を上げるため、門真市は平成20年度から民間と連携しているという。
※下記はジチタイワークスVol.29(2023年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社メディブレーン
自治体の医療費負担が増大する中、医療費適正化への取り組みが必須に。
少子高齢化を背景に、国民健康保険の保険者である自治体の医療費負担が増大している。同市では平成18年度、国保事業の累積赤字額が58億円を超過。赤字解消計画を策定し、保険料収納率の向上と、医療費の適正化に取り組んできた。
「適正化に直結するものの一つが、医療機関などから毎月提出されるレセプト(診療報酬明細書)の点検です」と藤田さん。国保連合会の1次審査後、保険者としてさらに細かく2次審査し、医療費が適正に使われているかを確認するものだ。診療報酬の点数確認だけでなく、関連データと突合することで、より広範な適正化を推進できる。
そこで同市では、平成20年度から「メディブレーン」とレセプト点検に関する業務連携を開始。その後、関連業務についても業務を委託し、同社と目標を共有しながら対策を続けてきた。
「当課は会計年度任用職員を含め、25人で国保事業全般を実施している状況です。民間との連携なしで、精度の高いチェックと対策の実施は難しいでしょう」。累積赤字額は令和2年度に解消したが、健全な財政運営のために、引き続き医療費適正化に取り組んでいるという。
専門知識を用いた詳細なチェックが、効率的な事務・窓口業務にも貢献。
同社が担当するレセプト点検では、被保険者の資格点検や同一被保険者の重複請求チェック、診療と調剤情報の突合などを行う。これらをはじめ、柔整・鍼灸療養費の点検、ジェネリック医薬品使用率のデータ分析などにも対応。住民への文書送付などの補助業務をワンストップで代行するのも合理的で、職員の業務負荷軽減につながる。また、不正の多い海外療養費のチェックでは、現地医療機関への照会も可能だ。
柔整・鍼灸療養費については、施術の重複など、不適切受診の疑義がある診療をリスト化。「柔整・鍼灸関連の対応は職員1人で行っていますが、リストがあれば、被保険者や施術所への連絡をスムーズに取ることができます」と、窓口対応を担当する南さん。
「毎月のレセプト数は膨大で、点検には高度な専門知識が必要。職員の異動が多い中、経験豊富な民間スタッフが細かくチェックしてくれるのは心強いですね。医療機関からの問い合わせで判断に迷ったときなどは気軽に相談できて、対応も迅速なのでいつも助かっています」。
また、ジェネリック医薬品差額通知書の印刷なども継続的に行っている。同市のジェネリック使用率は、令和4年度時点で国が掲げる目標値の80%まであと一歩のところまできているそうだ。
優先順位にもとづく業務分担で、保険制度と住民の笑顔を守る。
保険制度の健全な運営を支えるため、医療費の適正化は今後も欠かせない。同市では現在、特定健診受診率の向上に重点を置き、AIやナッジ理論、SMS通知など、様々な方策を講じているところだ。令和5年1月からは大阪府が整備した健康アプリ「アスマイル」を活用し、市独自ポイントを付与するインセンティブ事業にも取り組んでいるという。
並行して、生活面や健康面に不安を抱える住民へのサポートにも努めている。全ての事業で職員が手厚くフォローすることは難しい状況だが、「人的資源が限られる中では、業務の優先順位を付けなければなりません。職員と民間企業のどちらが実施すべきか、費用対効果などを総合的に判断しながら進めていくことが重要だと考えています」と竹田さん。専門性が必要とされるレセプト点検と関連業務を委託することで、職員にしかできない業務に集中できる環境を、今後も維持したいと語る。
自立した生活を送れる健康寿命をいかに延伸するかは、同市にとって大きなテーマだという。3人は「安心して医療を受けられる保険制度を維持し、当市が掲げる“人情味あふれる笑いのたえないまち”を実現していきたいですね」と笑顔を見せつつ、決意を語ってくれた。
門真市 保健福祉部 健康保険課
左:課長補佐 藤田 勇貴(ふじた ゆうき)さん
中央:主査 南 和栄(みなみ かずえ)さん
左:課長補佐 竹田 晶則(たけだ あきのり)さん
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E-mail:eigyo@medi-brain.com
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