体にも心にも栄養を届けたい羊羹の老舗・井村屋の挑戦
ご飯やビスケットなどが多い防災食の中で、和菓子という強みを活かしたジャンルで展開する井村屋の「えいようかん」。コンパクトで栄養価が高いことから、今、注目されている防災食の一つだ。それにしても、なぜ羊羹なのか?開発者である荻原佳典さんに話を伺った。
※下記はジチタイワークス防災・危機管理号(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 井村屋株式会社
「開発のきっかけは、『このままでは羊羹を食べる機会が減ってしまう!』という危機感だったんです」という荻原さん。羊羹はもともとメインユーザーが高齢者であり、若年層には食べる機会も少ない和の伝統食となっている。
しかし 、羊羹は井村屋が創業当初から販売してきた商品であり、井村屋の原点である。この美味しさを、もっと多くの人に届けたい――。そこで、羊羹の需要を増やす新商品を開発すべく、羊羹の特長や井村屋の歴史を改めて振り返ることにしたのだという。
防災食としてのポテンシャル
その過程で再認識されたのが、美味しさだけではない羊羹の可能性だった。「砂糖・小豆・寒天・水あめ」というシンプルな素材でできており、アレルゲンフリーであること。糖質が多く、手軽に栄養がとれること。長期保存が可能であること。そして非常にコンパクトであること。また、昭和33( 1958) 年には南極観測船「宗谷」に、井村屋の羊羹を寄贈していたという実績もあった。
「これは、災害時用の保存食になるのではないか」。当時の防災食は、乾パンが主流。まだお菓子はほとんど出回っていなかったという。専門家や災害ボランティアの方にヒアリングに行くと「非常時には、『水がなくても食べやすいもの』が最も適しているとアドバイスをもらい、防災食として利用できる羊羹の開発がスタートした。
独自の包装で長期保存が可能に
昔から保存性が高いとされてきた羊羹だが、備蓄用食糧とするには、3年もしくは5年以上の賞味期限が求められる。乾パンやビスケットと比べ、水分が多い羊羹を守るには独自の包装材料を開発することが不可欠だった。そこで、包材メーカーとともに何度も実験を繰り返し、光・酸素を遮断する4層構造の特殊フィルムが完成。このフィルムのおかげで、保存料不使用のまま平成19(2007)年には賞味期限3年の初代「えいようかん」が誕生した。その後も品質向上の努力を続け、賞味期限は現在5年にまで延長したのである。
初代えいようかん(賞味期限3年)
災害時にこそ癒しを届けたい
もう一つこだわったのがネーミングだ。当初は「防災用ようかん」という名称で、パッケージも白地に緑の字が印刷されただけのシンプルなものだったという。「これじゃダメだよ、とボランティアの皆さんに言われてしまいました。いかにも災害時の食べ物となると、気が滅入りますよね」(荻原さん)。そこで、「栄養があるようかん」「防災食に良いようか
ん」という意味を込めて、商品名は「えいようかん」に変更。パッケージも、羊羹の美味しさをイメージさせる小豆色になった。さらに、点字や暗闇でも見やすい反射板を加えるなど細やかな配慮がなされている。
あんこのやさしい甘さは、日本人にとってホッとくつろげる懐かしさがある。お茶と甘い羊羹があれば、つらい時も頑張れる。体にも心にも栄養を届けてくれる「えいようかん」は、被災者に元気を与えてくれるはずだ。
味、栄養、省スペース。3拍子そろった手軽な防災食
創業時から羊羹を作り続けてきた井村屋だからできた、防災用の美味しい羊羹。「防災食に羊羹?」と不思議に思う人もいるかもしれないが、「えいようかん」は災害時に適した特徴を多く備えている。
「えいようかん」のメリット
アレルゲンフリー
原材料は「糖類、小豆、寒天、水あめ」と非常にシンプル。食品衛生法で対象とされるアレルギー物質は不使用のため、住民の方にも安心して配れます。
水がなくても食べられる
フィルムを引っ張るだけで簡単に開けられます。スッキリした甘さで、えいようかんだけでそのまま美味しく食べられます。
手軽に栄養補給ができる
1本(60g)で、ご飯一杯分(171kcal )のエネルギー。食欲のない方や小さなお子さまでも手軽にカロリーを摂取できます。
コンパクト
かさばらず、被災者が持ち帰りやすいポケットサイズ。備蓄場所も省スペースで、1万食171万キロカロリー分の備蓄場所は一般的な防災食の9分の1で済みます。
過去2年間の導入実績
学校
法政大学、群馬大学付属中学校
自衛隊
航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊習志野駐屯地
自治体
東京都庁、仙台市役所、八戸市役所、川崎市多摩区役所、塩竃市、行田市役所、十和田市役所
その他
田川市社会福祉協議会、仙台市消防局、釧路地方裁判所、和歌山刑務所…ほか
自治体オリジナル仕様にも
「えいようかん」は、オリジナルパッケージの注文も可能。パッケージ裏面に避難場所の案内や緊急ダイヤル、自治体の担当部署の電話番号などが記載できる。写真は、三重県大紀町で実際に制作した例。昭和19年の津波被害を教訓に建設された防災塔「錦タワー」と「第2錦タワー」がデザインされている。
井村屋の美味しい羊羹は、避難生活に潤いをもたらしてくれます
おかげさまで「えいようかん」は、大手通販サイトでも上位に入るなどたくさんの方のご好評を得ています。コンパクトで栄養価が高いため、災害用だけでなくスポーツやアウトドアでの利用もおすすめしています。それに何より、井村屋ならではの羊羹としての味の良さが自慢です。特殊なフィルムのおかげで、味は普通の羊羹と変わりません。
昔ながらの製法でじっくり作られており、美味しくお召し上がりいただけます。甘いものは、とてもリフレッシュ効果がありますよね。特にあんこは、心をほぐしてくれる味なのではないでしょうか。非常事態で大人以上につらい思いをしているお子さん、避難所生活が長引きがちで不安を抱えているお年寄りなどにも喜ばれます。ストレスの多い状況下で、多くの人を癒してくれる「えいようかん」を、ぜひ自治体の防災用にもお役立てください。
井村屋イメージキャラクター アズキキング
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