人手不足、働き方改革、個人情報保護、コスト削減……様々な課題を抱える自治体の現場で、住民と直に接する窓口業務は見直しできる部分が多い。各種申請手続きの電子化サービスを手掛ける凸版印刷の関 隆彦さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.8(2019年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 凸版印刷株式会社
デジタル手続法と自治体の現状
2019年5月、「デジタル手続法」が公布された。ICTの積極活用により行政手続き等の利便性向上、及び行政運営の効率化を図ることを目標としたこの法律により、各自治体も現場業務の改革を迫られている。同時に、人口の減少に伴い、自治体も今後はさらに少ない職員数での運営を余儀なくされるため、その対策も必須だ。事実、総務省の試算では、2040年の自治体職員総数は2013年時点と比較して10~20%程度減少すると示唆されており※1、少ない人員でも行政サービスの質を低下させない工夫が喫緊の課題となっている。
これらをクリアするには、現場へのICT導入を推進すれば良いのだが、実際には予算、ソフトウェアの信頼性、老若男女を問わないインタフェースの実現など様々なハードルがある。こうした諸問題を、窓口業務の場で解決するのが、凸版印刷が提供する「Speed Entry® Government(スピードエントリーガバメント・以下SEG)」だ。
住民・自治体双方に有益な電子申請システム
SEGは、凸版印刷が開発し、金融業界を中心に浸透しているペーパーレス申込サービス「Speed Entry®」シリーズの自治体バージョンだ。住民は窓口でタブレットを貸与され、「手続き申請アプリ」を用いて情報を入力していく。基本情報についてはOCR(光学文字認識)により運転免許証やマイナンバーカードからも読み取り可能で、それ以外の入力も一問一答式で進み、名前などについては手書き入力機能で紙への記入に近い使用感がある。
入力が完了したらQRコードが発行され、それを窓口に持参。職員は自分のタブレットの「申請受付アプリ」でQRコードを読み込み、処理を進めるという流れだ。関さんはこのシステムにより住民・職員双方の負担が軽減されると語る。「記入の手間や待ち時間の削減で住民のストレスが減り、記入ミスや漏れの防止、システムへのパンチ入力が無くなるといったことで職員の負担も軽くなりま
す。端末にはデータが残らないので、個人情報漏えいの心配もありません」。
「操作が簡単で記入者の負担が少ない」と話す関さん。
金融機関など50社以上の導入実績を公共分野に活かす
このSEGは、2020年夏より自治体へのリリースが開始される。前述のSpeed Entry®を導入済みの民間各社からは「操作が簡単で高齢者にも優しい」「受付担当者も使いやすく業務がスムーズに進む」といった評価を得ていることもあり、関さんは「Speed Entry®シリーズは50社以上で使われており、機能と信頼性に定評があります。SEGも自治体業務に貢献できれば」と期待を寄せる。
人と人が接する窓口では、とりわけストレスの少ない環境整備が大切になる。SEGのような利便性の高いシステムが導入されれば、住民の満足度向上と職員の負担軽減が実現し、職員はより住民満足度の高い業務に注力できる、という好循環が生まれるはずだ。
※1 平成30年2月・総務省自治行政局「第8回自治体戦略2040構想研究会資料」より
窓口業務の電子化を推進 実証実験を行う自治体を募集中!
2020年夏から本格リリースを開始する「Speed Entry® Government」。同システムを開発した凸版印刷では、実証実験への参加自治体を募集中。デジタル手続法への対応を含め、現状業務の効率化を図る絶好の機会だ。
※画像
住民の目的に合わせた手続きを選択することができる。
使用イメージ
サービスの特徴
●入力負荷の軽減
OCRによる運転免許証やマイナンバーカードの読み取りで、基本情報の入力は不要。さらに窓口で使う職員側の端末と基幹システムを連携することが可能であれば、申請書類に記載された内容を自治体のシステムにパンチ入力し直す必要もない。
●入力ミスや漏れの削減
申請手続きの画面は一問一答で展開するため、記入漏れが発生しない。記入内容についてもエラーチェック機能が入力ミスを検知するため、窓口で記入の不備が見つかり再提出を促すような手間が省ける。
●ペーパーレス化の実現
住民、職員ともにタブレットで申請手続きを進めるので、窓口業務におけるペーパーレス化が実現できる。用紙の印刷代や郵送に係るコスト低減、個人情報の保護に貢献すると同時に、紙の保管場所確保や書類整理などのタスクも不要となる。
窓口業務の課題を一挙に解決します!
当社の「Speed Entry®」シリーズでこれまで培ってきた技術を活用していただくことで、様々な課題の解決に貢献できればと願っています。各自治体様の共通的な窓口業務からサービス化する予定ですが、個別のご要望に合わせた仕様での開発・提供も検討可能です。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
サービス提供元企業:凸版印刷株式会社
Email:seg@toppan.co.jp
住所:〒112-8531 東京都文京区水道1-3-3
担当:情報コミュニケーション事業本部 デジタルセキュア事業開発部