世間では、公務員は安定していると広く認識されているが、実際に働いている中で、将来に漠然とした不安を抱えているという方もいるはずだ。そのような方々にとって、投資を通じて資産形成を試みることは魅力的な選択肢となるだろう。しかし、投資経験がない場合、何から始めたらいいのか分からないかもしれない。
そこで今回、自治体職員として勤務しながら、様々な投資を経験し、ジチタイワークスセミナーの講師としても過去5回登壇いただいている斎藤洋介さんに、投資の経験や準備、魅力について伺った。
Interview斎藤 洋介(さいとう ようすけ)さん
都内自治体 課長
プロフィール
東京都内の某自治体に勤務する39歳。28歳のとき、NISA制度発足を機に日本株投資を開始。その後、米国S&P500、先進国・新興国株式、FX、仮想通貨など様々な投資を経験。37歳で都心中古ワンルーム投資を開始し、現在2戸を所有する。妻と息子2人の4人家族。趣味は筋トレ、読書、服飾研究、サウナ、アート鑑賞など。
頭でっかちになるのではなく「走りながら考える」。
― 公務員は“安定している職業”として知られていますが、斎藤さんが投資を始めた理由やエピソードを教えてください。
「外の世界を知りたい」と思ったのが投資を始めたきっかけです。公務員は独特な世界であり、外の世界に触れる機会は限られています。これからは金融リテラシーの向上が求められる時代でもあるので、経済について学ぶことも重要だと感じていました。その思いから、投資の勉強を始めることになりました。
また、公務員としての安定性と変化する要素を組み合わせることや、変動のある状況も楽しみたいという考えもありました。
― まず、株式投資から始めたそうですね。
はい。最初はNISAを活用して株式投資を始めました。限られた資産の中で、5万円以下の株式からスタートしました。誰でも知っているような大手銀行や総合商社の株式を7~8銘柄ほど選びました。実際に始めてみると、様々なことに興味をもつようになりました。そこで、「なぜ株価が動くのか?」や「ほかにもっと良い投資先はないのか?」など、どんどん芋づる式に調べるようになり、経済そのものにアンテナを張るようになりました。
結果として、相場の状況が良かったことや知識が役立ったことにより、投資のメリットを享受することができました。
投資を始めた頃の様子
― 投資を始める前から勉強もされていたのですか。
実際に投資を始めると同時に勉強も始めました。言ってみれば「投資しながら学ぶ」という感じです。ただ、初めの段階で学習にあまり時間を割きすぎると、上手くいかないと考えていたので、同時進行で進めました。頭でっかちになるのではなくて「走りながら考える」というところは意識していましたね。
投資は手段、“総合力”を高めるため挑戦し続けたい。
― 投資を始めたことが仕事や日常生活にも役立った経験はありますか。
役立つことは多くありましたよ。特に上位職になるほど、役立つことが増えました。様々なことに触れると多様な視点をもつことができるため、説得力や物事への考え方など、総合力が高まったと感じています。
そのほかにも、日本や世界の経済や情勢への理解が深まるというメリットがあります。仕事で民間の方とお会いする機会もありますが、これらの点をきっかけに話が広がることもあります。
― 斎藤さんは、投資だけでなく、様々な趣味もお持ちということですね。
ボディメイクやアート、服飾などが趣味です。趣味というか、マニアックな感じでやっていたりしますね(笑)どれも浪費ではなく“投資”だと捉えています。例えば、いい時計を身につけることで、「それにふさわしい自分になろう」と努力します。お金は結局手段でしかないので、自分を磨き上げるために投資をして、それに見合う自分に成長していくことが楽しいです。投資を通じて成長することで、総合力も高まるのではないでしょうか。
また、私は「多くのことを知って、試したい」と常々考えています。投資もその中のひとつです。これからも、様々なことに挑戦していきたいです。
(左)筋トレグッズの一部(右)磨き立ての革靴達
「安心して任せられる」という実感が決め手。
― 普段、どの程度の時間を投資に充てているのでしょうか。
1日ベースでは5分もありません。以前は会社案内を見て、銘柄の情報を調べていましたが、今はあまりそこを重視していなくて、インデックス投資や不動産投資に比重を置いています。
― 不動産投資のお話が出ましたが、始めてみようと思ったきっかけを教えてください。
今まで、株式だけでなく、国内外のFX、仮想通貨などさまざまな投資をし、リスクもある程度は取ってきました。リスクを取ったからこそ利益を得ることができましたが、将来に向けて徐々に安定資産の形成を考えるようになりました。それがきっかけで不動産投資を始め、現在では都内に中古マンションを2戸保有しています。
― 不動産投資を始めるにあたり、勉強はしましたか。
投資用不動産を扱う会社の社長さんなどの本を4冊ほど斜め読みし、新築住宅投資やアパート投資などの投資について学びました。共通して言っていることは何だろう?という点を探しながら、不動産投資をやっていくヒントをあぶりだしていきました。
― 具体的に不動産投資を検討する際に、いくつかの会社を比較したのでしょうか。
検討したのは都内のワンルームマンションを扱う会社5社です。各社特徴が様々で、担当者はもちろん、会社の姿勢や雰囲気も全く異なります。決める際は担当者がどのような方なのかを重視しました。
検討の結果、「日本財託」さんに決定しましたが、担当の方について、包み隠さずいろいろお話してくれるという印象をもちました。よく「マンション投資は管理を買え」といわれるそうですが、その点、日本財託さんは賃貸管理に重点を置いているので、そこも魅力に感じました。
― 不動産投資の資金はどのように準備したのでしょうか?やはり、株式投資などで得た利益を充てたのでしょうか。
投資で得た資金を使おうとは全く思いませんでした。もちろん、自分の信用力もですが、銀行が物件を正当に評価してくれたら、融資審査には通るだろうと確信していました。なので、資金の準備はそれほど心配していませんでしたね。
― 日本財託さんは創業33年と業界の中でも老舗で、オーナーさんも約9,500名おり、約2万7,000戸の賃貸管理の実績※があるそうですね。日本財託さんで不動産投資を始めて感じたことなどを教えてください。
オーナーになっても生活する上で変わったことは全くありません。これも日本財託さんがしっかり管理してくださるからだと思います。自分の持っている物件を見に行ったことがありますが、率直に「さすが日本財託さんの物件で、この会社を選んだ時点で大丈夫だ」と思いました。投資のリスクヘッジもそれほど考えていません。
投資用不動産の販売・管理だけでなく、相続や保険など、トータルでお任せできる会社なので、その点も安心です。
※2023年5月末時点
― 空室リスクの心配はありませんか?
空室が出るときは、アプリで「退居が決まりました」という連絡が来ます。その後も、「どのくらい見に来た人がいる」など、状況を細かくお知らせしてもらえるので、新しい方が入居するのも早いだろうなと感じました。
実は去年1回空室が出ましたが、20日くらいで次の入居者を決めていただくことができました。日本財託さんを信頼していたので、空室が出てもそれほど心配はありませんでしたが、「この会社にお任せして良かった」と改めて実感しました。
失敗を恐れず、仕事も趣味も投資も楽しそうならやってみる。
― 今後の未来に向けて、展望などはありますか?
今は世の中もすごいスピードで変化しているので、楽しそうなことはどんどん試してしていきたいです。試した先に何があるかは分からないのですし、合わなかったらすぐやめればいいだけの話なので、食わず嫌いをせず今後もチャレンジしていきたいです。
壮大な夢みたいなものはないですが、常に自分の最高を更新し続けたいですね。そうすれば面白い人間になれるのかなと思っています。
― 最後に、読者の方々へのメッセージをお願いします。
「明るく楽しく元気に人生を送る」という言葉が私のモットーです。単純なことでもいつまでも続けていると、きっと人生が充実するという信念をもっています。まずは行動してみて、その結果見えてくることもたくさんあります。失敗は「成功するための一つの方法を知るキッカケ」と捉えることもできます。
結局、チャレンジしてみたあとでしか、誰もその後の景色は分かりません。失敗を恐れず、仕事も趣味も投資も、どんどん新しいことに前向きに挑戦してもらいたいですね。