ジチタイワークス

議会の答弁書「答弁書は誰が書くべき?」

答弁書作成は実は若手職員がステップアップするチャンス。所沢市役所・林 誠さんに答弁書作成のメリットを聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.2(2018年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

答弁書の多くは課長級の職員によって書かれているのではないでしょうか。「時間がない、内容が心配」などの不安があるかもしれませんが、思い切って若手職員に任せてみましょう。さまざまなメリットが考えられます。

1.上司の考えを理解できる

答弁書案を書くと、課長・部長にはじまり、最後は首長に至るまで、いろいろな修正が入ります。この過程で、若手は上司の考えをより深く理解するようになります。また、答弁書は自治体の意思を示すもの。首長の意思や行政の方向性、事業の意義などを理解していないと書けないため、業務に関する見識がぐっと深まります。

2.「市民の目」を意識文章力もアップ!

議員は市民の代表です。議員からの質問を通じて、「市民の目から市政はどのように見えるのか」という視点が養われます。また、限られた時間と分量の中で、要点をまとめてしっかり伝えなければならないので、文章力を磨く練習にもなります。書くスピードもアップするでしょう。加えて、さまざまな部署とやりとりする調整力、段取り力も身に付くはずです。

3.書き手を育てるのも役目異動後役立つスキル

答弁書を仕上げるには、いろいろな苦労があります。だからこそ、若手職員のスキルアップにつながるのです。課長自らが書くより、時間はかかってしまうかもしれませんし、練られていない答弁書ができあがって、何度もやり直すリスクもあります。それでも、人を育てることは課長の大きな役割の一つ。答弁書を書くスキルは、どの部署に異動しても役に立つ宝物となりますよ。

講師PROFILE

所沢市役所経営企画部次長 林 誠
2017年、『イチからわかる“! 議会答弁書”作成のコツ』(ぎょうせい)を刊行。「楽しくやる」がモットー。中小企業診断士、通訳案内士

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