自治体が届けたい情報は多岐にわたる。住民が受け取る方法も、紙媒体やメール、電話など複数あるため、確実に迅速に伝えることは簡単ではない。そうした状況を改善するために山添村は、一斉情報配信システムの導入を決めたという。
【情報発信ソリューション】
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【まちづくり体制構築システム】
・ 導入事例 兵庫県加西市
※下記はジチタイワークスPICKS(2023年3月発行)に掲載後、ジチタイワークスPICKS(2024年3月発行)にて情報を更新。内容は取材当時のものです。
[提供]バイザー株式会社
デジタル化への村長の意欲で配信方法の改善を迅速に決断。
自治体が配信する情報は多種多様で、緊急性も異なるため、業務全般が煩雑になりがちだ。同村ではケーブルテレビを全戸につなぎ、各課からの情報を順次放送。併せて防災無線・広報紙・ホームページ・新聞の折り込みを使っている。
「ケーブルテレビでは、テレビの前にいる人にしか情報が届きません。防災無線も、平常時は屋外拡声器を使わないので、戸別受信機を置いている部屋以外には聞こえませんし、ホームページも活用できておらず、あまり見られていないという状況でした」と椋本さん。人口約3,000人で高齢者が多く、集落が点在する小規模な自治体だからこそ、情報を“素早く・確実に”届けたいものの、多くの課題があったそうだ。
そんな状況を改善するきっかけが、令和3年9月に就任した現村長の野村 栄作さんが掲げた、デジタル化構想だった。自治体からの情報配信を漏れなく行い、住民と双方向のやりとりも可能にするため、「バイザー」の一斉情報配信システム「すぐメールPlus+(プラス)」と連動するアプリをメインに活用することとなった。次年度からの運用に向けて庁内でもスムーズに計画が進み、令和4年9月との契約が決まったという。
住民が親しめるデザインと意見収集で距離の近い行政へ。
すぐメールPlus+は、メールや電話、ファックスなど様々なメディアに対し、メッセージを一斉配信できる。その配信先には自治体専用アプリもあり、今回は同社に村のオリジナルアプリの制作から依頼したという。住民がアプリをインストールすれば、各課の情報が受け取れる。イベントカレンダーをはじめ、住民から情報提供や意見などを受け付け「住民レポート」もあり、村に関する様々なやりとりが可能に。今後は村のホームページ内にある電子申請とも連携し、手続きの利便性も向上させるという。
「ホーム画面を当村の特徴をあらわしたイラストにするなど、オリジナリティがあって親しみやすいデザインも魅力的でした。気軽に意見や要望を発信しやすい状況をつくることで、住民の声を取り入れた行政になることを期待しています」。
高齢者が人口の約半数という同村だが、実はアプリ導入への懸念は少なかったそうだ。「今の60代の人たちは多くがスマートフォンを持ち、使いこなしています。そのため、70代以上のサポートに力を入れれば、今後はほとんどの世代がアプリを使えると考えました」。
同村では令和4年度から、60歳以上を対象としたスマホ教室を毎月実施。スマホ販店のスタッフを講師に招き、基本的な操作や写真撮影、二次元コードの読み取りなどを指導。「リピート参加も可能なので、80~90代の人たちも操作ができるようになっています。口コミで参加者も増えました」。
このような寄り添った支援や、住民同士の距離の近さが奏功したようだ。
集落単位の配信も検討し村がさらに便利で豊かになる。
システムの本格運用は令和5年度から始まる。「村にある30カ所ほどの集落では、自治会長が公民館に出向いて、防災無線で情報を伝えています。今後はシステムの配信権限を自治会長に付与することを検討中です。自宅から送れるようにすれば、限られた地域内で必要な情報が、素早く確実に届きやすくなるでしょう」。
導入・運用が難しいと思われがなアプリも、全庁が村長の思いに共感してスムーズに進んでいる。“デジタル化で、村民の生活を便利で豊かに”という目標にも近づいていくだろう。併せて、災害時対応などに向けた“公共職員参集システム”の運用も始める予定だ。参集連絡の自動配信と、対象者へのリレー配信などの仕組みを整えるという。
「小規模な自治体だからこそ、有事に限らず漏のない情報配信を行いたいです。共通の課題をもつ他自治体の参考事例になればと思います」。
山添村
総合政策課
椋本 泰明(むくもと ひろあき)さん
「すぐメールPlus+」とアプリにできること
自治体情報をメール・電話・LINE など様々なメディアに対して一斉に届けられる。他部署に依頼することなく、1人で複数メディアに配信できるため、業務負担が軽減。課ごとにアカウントを分けることで、誤配信の防止も。
ほかのメディアでも活用できるスマートリンク機能
アプリだけでなく、メールやLINEのメッセージにも各種コンテンツへのリンク設定が可能。複数メディアからのアクセス数増加につながる。
他自治体でも、アプリを併用した導入事例があります。詳細はこちらをご確認ください。
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