ジチタイワークス

埼玉県春日部市

シニアのITリテラシーを向上して地域全体の情報格差を減らす。

社会サービスのデジタル化が急速に進む中、ICT機器を活用できる人とそうでない人との“情報格差”が広がっている。そこで春日部市は、デジタル化に取り残されがちな高齢者をサポートする「スマホ教室」の開催に踏み切ったという。

※下記はジチタイワークスVol.25(2023年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]MXモバイリング株式会社

コロナ禍で顕在化した情報格差に危機感を抱く。

これまで、平日の日中に役所へ足を運ぶケースがほとんどだった行政の各種手続き。それらをパソコンやスマホから行えるようにするなど、行政サービスのデジタル化に向けた取り組みが各地の自治体で進められている。一方で、ICT機器を利用できる人と利用できない人との間に生じる、情報格差が課題として浮上してきた。

“ICT弱者”になりがちな高齢者へのデジタル活用支援の重要性は、同市でも以前から感じていたという。その課題が浮き彫りになったのが、新型コロナウイルスの高齢者向けワクチン接種がスタートした令和3年5月頃。

「WEB予約も受け付けていましたが、なかなか操作方法が分からず、多くの高齢者がWEB予約ではなく、コールセンターへ電話をかけたようです。その結果、電話がつながらない、予約できないという声が多く聞かれました。そのため当市では、市内の各公民館で予約のサポートなどの対応を行いました」と、新谷さんは当時を振り返る。

電話での対応時、そもそもスマホを持っていない、持っているが操作がよく分からないと語る高齢者の声が多かったことから、「令和4年度からは、スマホ操作を基礎からレクチャーする機会をつくりたいという意見が、課内で高まってきました」。そんな中、地元のスマホショップ経由で情報を得たのが、「MXモバイリング(以下、MXM)」が各地で実施している住民向けのデジタル化サポート事業だったという。

予約枠は2日ですぐ埋まりニーズの高まりを実感する。

同社は、ドコモショップを全国に196店舗(令和5年1月31日現在)展開している携帯電話の販売代理店。急速なデジタル化の流れに対応し、シニア向けスマホ教室などのデジタル化サポート事業を各地で実施している。

使い方を知りたいという住民には、最寄りのスマホショップが開催しているスマホ教室などを案内することはできるし、その方が職員の負担も小さい。ただ同課としては、スマホ操作を覚えてもらうだけでなく、市が発信する情報の収集や電子申請のやり方なども徐々に身に付けてもらえるような、ステップアップ型の講座を検討していた。

今回の企画内容をMXMに相談したところ、対応が可能とのことから実施することになったという。「高齢者が継続的に集まる講座を開催し、今後、参加者が講師のサポート役にまわってもらうことを想定したオリジナルカリキュラムを依頼しました」と石澤さん。

広報紙に教室開催の案内を掲載したところ、定員は2日で埋まり、必要性の大きさを改めて実感したという。

スマホの利便性を知り、使える喜びも実感できる。

こうして令和4年9・10月に、市内の施設で全4回のシニア向けスマホ教室がスタート。同社のショップスタッフが講師を務め、スマホの基本操作や文字入力の方法、Wi-Fiの設定方法などを、参加者に体験してもらいつつレクチャーが行われた。「参加した人たちからは、知らなかった使い方を覚えられてうれしいなどの感想を聞きました。参加者アンケートでも9割近くが満足できたようです」。総じて積極的な意見が多かったようで、中には“市の情報をスマホで得られるようになりたい”と願う、80代の参加者もいたという。

同社は、今回のように基礎的な使い方を教える講座ばかりではなく、少しレベルアップした目的別のオリジナル講座も実施している。「スマホを使って友人たちと情報交換したい、といった意欲をもつ高齢者も多いようです。今回の成果をもとに、今後はSNS活用教室などの開催を検討しています」。

こうした取り組みを通じて同市は、デジタル行政サービスの活用を推進しながら、情報格差の解消につながることを願っている。

春日部市 高齢者支援課
左:新谷 弘樹(にいや ひろき)さん
右:石澤 由里子(いしざわ ゆりこ)さん

春日部市が行った情報格差解消への取り組み

ワクチン接種予約の電話がつながりにくかった

スマホから申請できるようになれば、予約方法の選択肢が増える。


 

高齢者は自宅にこもりきりになりがち

継続的に受講するので仲間が増え、楽しく外出するきっかけになる。


 

“学びっぱなし”だと身に付かない

ステップアップ型のカリキュラムで、体験しながら成長を実感できる。


 

軽い運動や習慣の変容で脳を活性化させる「脳検講座」を全国の主要店舗で実施中。

国内の高齢者比率は、今後さらに高まることが明らかになっている。一方で、健康寿命が少しずつ延びていることにより、旺盛な学習意欲をもつ高齢者も増えているという。そうした高齢者のためにMXモバイリングは、脳検講座の全国展開を開始した。

MXモバイリング モバイル統括部
左:深海 英里(ふかうみ えり)さん
中央:末光 恵美(すえみつ めぐみ)さん
右:内倉 美紀(うちくら みき)さん

年齢を重ねても学びを求めるアクティブシニアが増加。

国内の総人口に占める65歳以上人口は、令和元年の段階で28.5%に達し、2040年には35%を超える見込み※だという。これに伴って懸念されているのが、認知症患者数の増加だ。厚生労働省が令和4年に発表した推計では、国内の認知症患者数は令和2年時点で約600万人に達しているという。

一方で、趣味などに意欲的に取り組み、活発な生活を送るアクティブシニアの比率も高まっており、人生の半分を過ぎても、なお学びたいと考える高齢者も着実に増えているようだ。「当社のスマホ教室を受講する高齢者の半数以上が、アンケートで“健康について学びたい”と回答しています」と、深海さん。

そこで同社は、スマホ教室を開催する自社ショップを生涯学習拠点として利用してもらうため、令和5年3月より脳検講座の全国展開に着手した。

※総務省「令和4年10月 人口推計」より

体を動かしながら、認知症を未然に防ぐ対策が学べる。

同社の脳検講座は、医療系出版物を多く手がける「Gakken」と、オンライン認知機能検査などを実施する「脳活性総合研究所」が監修したもの。末光さんは、「スマホやタブレットなどを使って脳年齢を測定する“脳検”のほか、認知症予防のための対策や運動法などを、体を動かしながら学べます」と説明する。

講座専用のテキストには、有酸素運動によって脳機能を維持させることの重要性や、糖尿病や高血圧といった認知症リスクとなる生活習慣病と、それを予防するための食事・栄養補給の方法などが分かりやすく解説されている。

受講者たちはテキストの内容を学びながら、脳を活性化させる健康運動や手指を使ったレッスン、ドリルなどにチャレンジするカリキュラム構成だ。

講座をきっかけに、孤立した高齢者に交流の場をつくる。

認知症予防は、対策を始めるタイミングが重要といわれている。同講座も、毎回脳検を通じて認知機能を把握することにより、その後の予防対策に活かせるのだそう。「合計8コマの講座を準備しており、何回でも参加できます。ドリルや運動を帰宅後にも行ってもらうことで、認知症予防に役立てられるでしょう」と内倉さんは期待する。

また、運動機能の低下によって自宅にこもりがちになり、それが認知症の引き金となるケースも少なくないという。その点、同社が実施するスマホ教室などのオリジナル講座は、孤立する高齢者の社会的な接点創出にもひと役買っている。今後は、全国各地の自治体に対して高齢者福祉の一環として、講座の活用を呼びかけていくそうだ。

講座で行われる「脳検」について

数学、言葉の記憶、空間把握、記憶と計算、変化推理の5種類を検査し、最短2分で脳年齢をチェックできるプログラム。定期的に行うことで、自身の認知機能に急激な低下がないかを調べられるという。

そのほか目的に応じて選べるMXモバイリングのオリジナル講座

VR災害体験講座

豪雨災害や地震をVRで疑似体験することで、避難指示の発令を自分事として捉え、防災意識を高める。防災アプリやハザードマップアプリの活用方法なども学べる。

Zoom講座

Zoomの概要から活用方法まで、オリジナルのテキストを用いて解説。アプリのダウンロードやオンラインイベントの参加方法などが身に付けられる。

はじめてのLINE 「LINEを楽しく使おう」

多くの人がコミュニケーションツールとして日常的に利用しているLINE。基本的な操作方法が身に付く初級編と、写真・動画の送受信も学べる応用編を用意。

「MXモバイリング」の強み

1.行政サービスのデジタル化を支援

全国トップクラスの年間約14.8万人※にマイナンバーカードの申請や活用法を手ほどき。

2.住民サービスの向上を支援

自治体アプリを活用したオリジナル講座や、情報収集などのサポートも個別に実施可能。

3.地域コミュニティの醸成

コロナ感染対策の上、大人数が集う各種講座の開催で、高齢者の地域コミュニティを醸成。

住民向けデジタル化サポートにより自治体の悩み事を軽減!

※令和4年度 総務省「デジタル活用支援推進事業」同社開催講習会への延べ参加者実績、同社調べ

「脳検講座」実証実験パートナー募集中!

7月に実施予定の、脳検講座の実証実験に参加いただくパートナー自治体を現在募集中です。気軽にお問い合わせください。

※先着2自治体、参加可能エリアは要相談

「脳検講座」実証実験の詳細はこちら

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サービス提供元企業:MXモバイリング株式会社

住所:〒135-0061 東京都江東区豊洲3-2-24 豊洲フォレシア 15・16F(受付)

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