岩手県北上市企画課では、平成29(2017)年4月から終礼による時間外勤務削減の取り組みをはじめています。
※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.4(2019年1月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 岩手県北上市
毎日のルーティンに終礼を導入
平成29(2017)年4月から終礼を実施することによる時間外勤務の削減に取り組んでいます。きっかけは平成23(2011)年3月11日に起きた東日本大震災でした。当時、岩手県釜石市が被災地へ応援にきていた職員に対して勤務時間の配慮のため、終礼を開いていたのです。
それから6年後、北上市政策企画課では釜石市の取り組みを参考に、業務改善のアイデアを各課から募集し1カ月の準備期間を経て終礼を毎日のルーティンに導入。業務改革運動の一環として「各課でできることからはじめよう」と取り組みました。メリハリのある業務を目指すため、17時15分には業務終了のベルを鳴らしています。
ルーティン化で時間外労働の時間を削減
この取り組みをはじめた4月から11月までの約半年間で、時間外労働の時間が前年比で1人当たり70時間も短縮しました。ベルが鳴ったらとりあえず手を止める。その後、各係長が30秒から1分ほどで自分の係員の業務進捗状況を報告します。どうしても残業が必要な場合は、その理由も含めて課の全体に共有するというルールを設け、時間外での勤務を最低限に抑えました。
管理の職員は係員に目を配り、係員は上長へ積極的に報告をすることでコミュニケーションも増えたといいます。職場内では「勤務時間にメリハリがつくようになった」「終礼のおかげで周りを気にせず帰りやすくなった」という声が上がっているそうです。担当者は「各課によって業務が異なるため一律に広めるのは簡単ではないが、他課にも終礼の導入を広めていきたい」と話します。
係ごとの業務状況を報告する様子。