関東圏の移住・定住ニーズにコロナ禍で起きた“ある変化”。

北関東で最多の人口を抱える同市。U・Iターンの促進に力を入れてきたが、東京圏への人口流出は止められず、転出超過が続いていたという。「特に若い世代が進学を機に東京へ出て、戻らないというケースが多いです。このままでは人口減少が加速してしまうという危機感から、様々な施策を講じていました」と酒井さんは話す。移住・定住情報を発信するアプリの運用、お試し移住、そして市の魅力度向上を図るシティプロモーション事業と、複数の柱で取り組みを行ってきたという。

「宇都宮は関東圏にあるため“移住先”として認知されず、そもそも候補に挙がりにくい状況でした。そんな中、コロナ禍でテレワークという働き方が一気に広まり、移住・定住のニーズが高まりました」。新幹線を利用すれば東京駅まで約50分。今まで注目されにくかったロケーションが強みに変わったことで、“移住先としての宇都宮”の効果的なPRがこれまで以上に重要となった。

その過程で出合ったのが、移住マッチングプラットフォーム「たびすむ」を活用した移住・定住促進事業を行う「BeA（ベア）」だった。

ターゲットの移り変わりに伴いデジタルマーケティングを開始。

酒井さんが同社を知ったきっかけは、同サイトに無料で情報を掲載できるプランの案内だったという。「すぐに予算が取れない自治体にとって、無料掲載できるのがありがたかったです。何よりサイトのコンセプトやビジョンがしっかり考えられていたので活用してみることにしました」。

無料掲載でサイトの仕組みや使い勝手を確認しながら、令和３年度には動画やLP制作などの有料プランを利用。同サイトを活用したシティプロモーションをスタートさせた。中でも同社と制作した動画シリーズ「宇都宮ヴァンパイア」は視聴者によるTwitterでの発信など、認知拡大の好循環を創出し、合計約44万PVを記録。その拡散効果は大きかったという。

「たびすむに掲載した動画を見ての問い合わせもありました。この成果は、“どうすれば多くの移住検討者の目に留まるか”を考え、動画の内容にこだわるのはもちろん、リスティング広告を打つなど、様々な施策を行っていただいたからこそです。自治体だけではここまでできなかったと思います」。動画に出てくるキャラクターの人気は今でも高く、同市の認知度向上に貢献しているという。

窓口の体制づくりと情報発信が移住・定住促進に必要不可欠。

移住・定住促進のため、複数の事業を展開していた同市だが、現在は「人口対策・移住定住推進室」を新設し、関わりのある事業の窓口を一本化。「ひと言で“移住”と言いますが、単に住む家を用意すれば解決する話ではありません。住まいや子育て、教育、助成金など、様々な部署と連携した取り組みが必要です。移住施策は、その全体を把握した上に成り立つものだと感じています」。人口減少という課題に立ち向かうためには、一枚岩でシティプロモーションに取り組む必要があるだろう。

そのような体制づくりと同時に重要なのが、“届けるべき相手”に対して情報を届けていくことだという。移住・定住PRの企画やコンテンツ制作において“自治体のかゆいところに手が届くようなサービスを提供してくれる”と酒井さんが評する同社。

たびすむは、令和４年11月からふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」との資本業務提携も開始したそうだ。より充実したサービスで、今後も自治体のプロモーションをサポートするパートナーと成り得るだろう。

宇都宮市 総合政策部
人口対策・移住定住推進室
酒井 聖也（さかい せいや）さん

デジタルを活用したマーケティングでターゲットに響くプロモーションを。

移住の検討に必要な情報を網羅

地域の魅力拡散に「たびすむ」が選ばれる理由

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