岡山県総社市は、平成29(2017)年4月から「ひきこもり支援センター」を開設しています。
※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.4(2019年1月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 岡山県総社市
水面下にあった支援ニーズに応える
ひきこもりに特化した支援センター「ワンタッチ」。きっかけは、住民から生活困窮支援センターに届いた「障害者手帳もない状態でひきこもりになったときに相談できる窓口がわからない」という声でした。平成27(2015)年から民生委員をはじめ地域住民や、大学教授などの有識者らと協議を重ね、まずは個人を特定せずに地域でヒアリング。総社市全体で少なくとも207人がひきこもり、悩みを抱えていることがわかりました。
そこで有識者などからなる約20人の支援検討委員会で、「ひきこもり」の支援方策や、相談窓口の設置に向けて関係部署と協議、検討を重ねました。2年後の平成29(2017)年4月に「ワンタッチ」を開設。現在は2カ月に一度、支援センターの運営、事業計画、課題別ワーキンググループの進捗などについて会議を開いています。
一人ひとりに寄り添った支援を心がける
「ワンタッチ」はセンター長1人、支援員2人が在籍。本人やその家族であれば誰でも、相談支援や居場所を無料で活用することができます。電話やメールでの予約で何度でも相談可能な仕組みです。開設前は数件だった相談も、平成30(2018)年10月末には2837件にまで増加しました。担当者は「ひきこもりの当事者の意思を何よりも尊重している。ハローワークへの同行や、社会参加のためのボランティア体験を勧めるなど、一人ひとりに寄り添った支援を心がけている」と話します。
ひとりでも多くのひきこもりの方がセンターにつながるように、呼びかけていきたいと考えています。
福祉施設でのボランティアの様子