ジチタイワークス

福島県郡山市

事務を効率化し本来の業務にシフト

福島県郡山市の保健福祉部保健所地域保健課では、保健師が現場での保健指導の時間を確保するため、事務業務を分析しました。

※下記はジチタイワークス Vol.5(2019年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

事務業務を見える化する

地域保健課では職員35人のうち、事務職は課長と管理係3人の計4人。保健師が事務を行わざるをえず、人手不足が課題でした。保健師が本来の業務である保健指導の時間を確保するため「まずは自分たちの事務の効率化を考えよう」と、どの業務にどのくらい時間がかかっているのかを分析。すると平成30(2018)年6月に電話対応の総着信数が1213件あり、その約半数は医療機関からの健診用書類の請求依頼や肝炎ウイルス検診の実施履歴確認だと判明しました。

電話対応の時間を削減するため、まずは医療機関からの電話依頼をメールやFAXから受付できるように切り替えました。また、平成31(2019)年度からは市民に送付する健診受診券に、肝炎ウイルス検診の実施履歴を初めから記載。さらには、医療機関からの問い合わせ専用の電話回線を設けることで事務時間のさらなる効率化に向けて取り組んでいます。


事務時間の削減に加え、今後医療機関からの専用電話回線を設けさらなる効率化を図る予定。

特定保健指導の実施件数が2.36倍増加

健診用書類の請求依頼方法を改善してからは、1カ月あたり114件。(約5.7時間)年間で約51時間の事務時間の削減を実現しました。平成31(2019)年4月以降に設置予定である医療機関からの問合せ専用の電話回線や健診受診券の見直しが整えば、1カ月あたり358件、年間約269時間の削減を見込んでいます。

さらに、本市の課題や特定保健指導実績向上に向けての目標を保健師と事務職が共有し、一部の事務業務を事務職へ移譲したことで、保健師の本来の業務である特定保健指導の実施件数は改善前より2.36倍に増加しました。担当者は「今後も改善を続け、保健師が訪問や保健指導、健康教育などに専念できるように事務の体制を見直していきたい」と話します。


改善した依頼表 サンプル

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