ジチタイワークス

富山県射水市

年間8,669時間の人的工数を削減!新しい取り組みを生むための包括管理導入のすすめ。

公共施設管理において“包括管理”の認知度が高まっているが、コストや導入時の人的負担を考え足踏みする自治体は多いという。実際に導入した自治体はどのような状況だったのか。令和4年から運用を開始した射水市の足跡を追った。

※下記はジチタイワークスVol.21(2022年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本管財株式会社

専門知識の必要な施設管理をプロへの包括委託で検討。

平成28年に包括管理の導入を視野に入れ、公共施設等総合管理計画を策定した同市。しかし、当時は導入自治体が少なく、しばらく情報収集の状態が続いていたという。

そうした中、同年に新庁舎が開庁。当時の状況を佐野さんはこう語る。「その頃は、財政課に在籍しており、新庁舎の維持管理の予算要求に対応していました。しかし、要求の規模が適正なのか見極めが難しく、専門家の目が欲しいと考えていました。一方で管財担当者も、複数ある契約先とのやりとりに苦労していたのを覚えています。その後、福祉系の部署に異動しましたが、通常業務に加え福祉施設の廃止・売却なども行わなければならず、大変でした」。

こうした経験の後、佐野さんは令和2年に行革推進班へ異動。施設マネジメントを手がけることになった。まずは、管財部門と協力して庁舎単体の包括委託に向け動き始めたが、それに対して市長から出た指示は“費用対効果の高い取り組みになるよう、庁舎以外の施設も含めて検討すること”というもの。この言葉に後押しされ、包括管理の導入に向けて歩みを進めたという。

実際に話したからこそ分かった市内事業者の意外な本音とは。

本格導入に向けて、令和3年に現在の公共施設マネジメント推進班を新設。包括事業者の生の声を聞き、同市における市場性の有無を知るため、サウンディング型市場調査を実施した。その後、市内事業者への説明も開始。約40社を訪問する中で、“施設や設備の老朽化に伴い不具合が急増し、迅速な対応が難しくなってきている” “所管課ごとに異なる契約・請求事務が一本化されるのは望ましい”といった意見が挙げられたという。

さらに、庁内での理解と連携を図るため、夏野さんは「各所管課へ何度も照会や問い合わせを重ね、当班と現場とで認識のズレが生じないように気をつけていました。担当者と一緒に悩み、協議・修正を繰り返すことで包括管理への理解も深まり、庁内の一体感が生まれた気がします」と振り返る。

残された大きなハードルが“費用対効果”。ここでは人件費を可視化するという東京都東村山市の手法を参考にした。その結果、導入により削減可能な業務時間は、年間8,669時間と算出。この数字を根拠に議会へも説明し、プロポーザルにて委託先が「日本管財」に決定。“地域の未来を一緒に考える姿勢”がありがたかったという。

包括事業者をパートナーとして一緒に新たなステップへ!

令和4年4月から始まった同市の包括管理。実際に現場からはトラブル対応が迅速になったと、喜びの声が上がったという。同時に、庁内でも変化が生まれ始めた。膨大にあった業務が簡略化され、担当職員は新しい業務に取りかかることができるようになったそうだ。今では同社を“市の重要なパートナー”と位置づけ、「建物管理はもちろん、統廃合の推進や脱炭素化など、様々な課題について一緒に知恵を絞ってくれることがありがたいです」と評価する。

同市の包括管理はまだ始まったばかりだが、すでに多くの効果を生み出しているという。佐野さんは「他自治体の事例を参考にできたからこそ、ここまで来られた」としつつ、次のようなメッセージで締めくくってくれた。「私たち職員にはやるべきことが山ほどあり、マンパワーには限界があります。まちの魅力向上に向けた新しい取り組みに注力するためにも、包括管理をやる意味は大きいです。導入時には大変なこともありましたが、次の段階へ進むための効果的な施策だと感じています」。

射水市 資産経営課
公共施設マネジメント推進班
左:班長 佐野 泰寛(さの やすひろ)さん
右:夏野 いつか(なつの いつか)さん

包括事業者・市内事業者との連携で新たな課題に挑戦し未来を開く。

導入に向けた苦労はあったものの、それを超える成果が得られたという同市の包括管理。取り組みの中では動き始めて分かったメリットも多いようだ。

射水市における包括管理の導入メリット

1.修繕対応で“三方よし”を実現

緊急案件や簡単な修理などは包括事業者が対応。施設からは迅速さが喜ばれ、市内事業者は膨大な不具合対応から解放される。自治体側は小まめなメンテナンスで事故のリスクを低減できる。

2.市内事業者の受注率が向上

“市内事業者を導入前と同等以上に活用する”を条件にプロポーザルを行ったため、主業務は可能な限り市内事業者で担当。仕事が減る不安の払拭はもちろん、議会への説明にも対応できた。

3.地域の未来を見据えた提案

脱炭素化や施設の魅力向上・再編など、自治体が取り組むべき領域が増えてきている中、同市の実状と目指す未来を踏まえて様々な相談ができる。今や建物管理を超えた重要なパートナーという存在に。

検証で分かった業務時間の削減

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