ジチタイワークス

東京都町田市

“聞こえづらい”を解決!マスクやパーテーション越しの会話アシストシステム。

コロナ禍の感染拡大防止のため、様々な場所にアクリル板などのパーテーションが設置された。それに伴って増えたのが“相手の声が聞こえづらい”という悩み。町田市では、この問題を“会話アシストシステム”の導入で改善しているという。

※下記はジチタイワークスVol.21(2022年8月発行)に掲載後、Vol.26(2023年6月発行)にて情報を更新。内容は取材当時のものです。
[提供]ファーフィールドサウンド株式会社

感染症対策のパーテーションで住民との間に“音の壁”が生じた。

同市では、コロナ禍に入って間もない令和2年度から、住民窓口を中心にパーテーションの導入を開始した。そこで持ち上がったのが“お互いの声が聞こえづらい”という問題。マスクの着用もこの傾向に拍車をかけた。

小川さんは当時の状況について、「当係では、75歳以上の後期高齢者を対象とした医療保険制度の業務を行っています。そのため窓口に来られる方の多くが高齢者で、以前から大きな声で話さなければならないことが多かったのですが、パーテーション設置後は聞き返される回数が増えました」と振り返る。会話が困難になれば手続きも進まず、場合によっては住民の横に移動して説明せざるを得ないこともあったという。

さらに説明時間も長くなり、パーテーションそのものが感染症対策の障壁になるという矛盾した状況に。その対策として浮上したのが、「ファーフィールドサウンド」が手がける会話アシストシステム「kicoeri(以下、キコエリ)」だった。

同市では、平成25年度から「町田市トライアル発注認定制度」を設け、市内事業者が開発するものの中から新規性や有用性のあるものを認定。製品の信用力を高めつつ販路開拓を支援している。キコエリは令和3年8月に同認定を受けており、まずはこれを庁内で使おうと、同年9月からトライアルを実施した。

 

 

トライアルでは職員の8割超がその聞こえやすさを確認できた。

同製品は、双方向の会話をより聞こえやすくするシステム。設置は、2つのマイク付きスピーカー(親機と子機)をケーブルで接続し、双方の背面にあるマグネットでパーテーションを挟み込むだけと簡単。開発した同社は、もともと自動車内における会話をアシストする製品をリリースしており、その技術が応用されている。

通常、マイクとスピーカーが近くにあると、音声が循環して激しいハウリングが生じる。その対策として声のする側のマイクだけをONにする方法が知られているが、会話音声が被ると一方の声しか聞こえず、会話が途切れるという。しかし、独自のエコーキャンセル技術によりそれらを解消。会話が自然でクリアに聞こえ、パーテーションなしでの聞こえ方とほぼ変わらないという。この機能が支持され、令和5年4月時点で官民合わせて5,000台以上の導入実績があるのだとか。

同市はまず、市民課、納税課など12課でトライアルを実施。設置から約1週間後にアンケートを行った結果、聞こえやすさについて83%※が“良い”と回答。手応えを得た上で、令和3年12月に正式導入を開始した。小川さんは「相手の聴力に合わせて音量調整できるので、職員が大きな声を出さなくても聞き取ってもらえるようになりました。住民の中には声の小さな方がいますが、そのような場合でもきちんと聞こえています。お互いに聞き返しや繰り返しの説明も減って、スムーズに意思疎通を図れています」と評価する。

※同市「kicoeriデモ機設置アンケート」より

来庁者のストレスに配慮しつつ正しい感染症対策を継続する!

現在、市民課・納税課・保険年金課・産業政策課で18台稼働しており、日々の窓口業務の円滑化を支えている。導入から運用を経て小川さんは、「相手の声が聞こえづらい状況は、住民と職員にとって、とても大きなストレスがかかることなのだと再認識しました。キコエリは、パーテーション越しのやりとりでも伝わりやすいため、感染症対策の観点でも安心感を与えられていると感じます」と話す。

今後、感染症対策用のパーテーションが完全に不要になるまでには、まだ時間がかかりそうだ。そうした場面で、同製品のように会話をアシストするツールがあることは心強いといえるだろう。「今後も円滑なコミュニケーションツールとして活用し、住民の安心感を高めつつ、職員の負担軽減にもつなげたいと思います」と展望を語ってくれた。

町田市 いきいき生活部
保険年金課 高齢者医療係
小川 紗輝(おがわ さき)さん

パーテーションを意識させない自然で聞き取りやすい会話へ

1.ストレスを感じにくい会話ができる

近距離にマイクとスピーカーを置くと通常ハウリングを起こしやすいが、キコエリは“近接型双方向エコーキャンセル技術”でクリア。この性能が令和3年度「世界発信コンペティション※」で特別賞を受賞。

※東京都内の中小企業が開発した革新的で将来性のある新しい製品、技術、サービスを表彰するもの

2.小型・軽量で設置場所にも困らない

パーテーションを親機と子機のマグネットで挟む形式のため、省スペースで設置場所の自由度が高い。小型だが、マイクから50㎝離れていてもしっかり声を拾うので、相手の声が十分な音量で聞こえる。

3.アフターコロナでも有効

コロナ対策に限らず、公共施設の受付窓口などに通常設置されているアクリル板でも使用可能。スムーズな会話によって、聞き取りに不安を抱える人たちの満足度向上や、窓口対応の時間短縮にも貢献する。

快適なコミュニケーション環境を提供!

トライアル(デモ機貸出)随時受付中

kicoeriのデモ機を希望自治体に無料で貸し出し。この機会に会話アシストシステムの効果を体感できる。期間は1週間から、台数も応相談。数に限りがあるため問い合わせはお早めに。

詳しくはこちらまで

導入実績

石川県輪島市役所 東京都武蔵村山市役所 仙台市青葉区役所保険福祉センター 横浜市青葉区役所高齢・障害支援課 ほか全国20以上の自治体

お問い合わせ

サービス提供元企業:ファーフィールドサウンド株式会社

TEL:050-5305-2634
住所:〒194-0041 東京都町田市玉川学園1-22-10 玉川学園インペリアル1F
E-mail:info@farfieldsound.com

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