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資産形成の王道「先取り貯金」を、公務員向けバージョンで解説!

「将来のために資金づくりをしたいけど、何から手を付けていいのかわからない…」「資産運用したいけど、投資はちょっと怖い」…

元公務員で、現在は公務員専門のファイナンシャルプランナーとして活躍している岩崎大さんに、気になる「公務員のお金」について本企画。

今回のテーマは、公務員ならではの「貯蓄の仕組み」について。
貯蓄はすべての資産形成の第一歩にかかわらず、「なかなか貯まらない」という悩みは尽きない。

岩崎さんは「貯蓄の“仕組み”なので、一度つくってしまえばほったらかしでOK」という。考え方から具体的な方法までを解説する。

こんにちは。公務員専門FPの岩崎です。公務員世帯のお金の悩みを聞いて、解決するサポートをしています。

中でもよくいただくお悩みは、「お金が貯まらないんです…」という切実なもの。この悩みを解決するためには、知識や心構えもそれなりに必要です。とは言え、気持ちだけで乗り切ろうとしても長続きしないケースが多いかと思います。

そこで今回は、公務員のみなさんへ「貯蓄の仕組みのつくり方」をお伝えします。この方法、僕が現役公務員だった頃に採用していたんですが、FPとなった現在も推奨している王道の仕組みです。

「仕組み」なので、一度つくってしまえばあとは基本的にほったらかしでOK。忙しい公務員の方にも向いている方法なので、ぜひ最後まで読んで実践してみてください。
 

貯蓄の仕組みの全体像

ステップを分解すると、次のようになります。

1.「貯蓄用の口座」と「生活用の口座」をつくる

2.貯蓄用の口座に給与の一部を入金する

3.残りは生活用の口座に入金する

 

これでおしまい。あとは普通に暮らすだけです。とてもシンプルですね。いわゆる「先取り貯金」という資産形成の王道です。聞いたことあるよ、という方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

実際には公務員向けにちょっとだけアレンジを加えますが、その方法は順を追って説明しますので、まずはこの先取り貯金の有用性を把握しておきましょう。
 

貯金で大切なのは方法を知っていることではなく実行すること

本多静六(ほんだせいろく)という人物をご存じでしょうか。「日本の公園の父」と呼ばれ、明治神宮の森、日比谷公園などをはじめ、大規模公園の設計に携わった人物です。

一方で、「蓄財の神様」という別名を持ち、東大教授という公職の身でありながら、貯蓄と投資で巨万の富を築いた人物としても有名です。そんな本多氏が資産形成の第一歩目として推奨している手法が、他でもない「先取り貯金」なんです。

本多氏の著書「私の財産告白」にこんな一節が登場します。

【普通の生活をつづけて、それでもいくらか残ったら……と望みをかけていては、金輪際余裕の出てこようはずはない。】

【いくらでもいい、収入があったとき、容赦なくまずその四分の一を天引きにして貯金してしまう。】

【本多式四分の一貯金法は、決して本多の発明ではない。すでに二千五百年も昔にお釈迦様が御経の中でも説いておいでた。江戸時代でも松平楽翁公や二宮尊徳翁(二宮金次郎)、その他幾多の先輩が奨励してきた貯金法と一致している。】

【貯金の問題は、要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。】

 

このように、蓄財の神様は「効果的な貯金の方法は昔から決まっているんだよ。後はやるかやらないかだよ」というメッセージを僕たちに遺してくれています。

つまり、資産を築きたいなら「先取り貯金って何だか良いらしいね~」と知識として知っているだけでは意味がなく、とにかく先取り貯金を行う「実践力」が必要なんだ、ということです。
 

先取り貯金は「再現性が高い」

「知識よりも実践」という教えは、ファイナンシャル・プランナーの肌感覚としても納得できるシーンが多くあります。仕事柄、家計相談やライフプラン作成などでたくさんの公務員世帯の貯金額を見てきましたが、40~50代でしっかりと貯金ができている世帯の多くは、何らかの方法で「先取り貯金」を実践されていました。

やはり、先取り貯金は資産形成に有用なようです。これがもし資産運用の結果だとしたら、「運任せ」の要素があり、万人にその結果は保証されませんが、先取り貯金は裏切りません。やった分だけ貯金が増えます。つまり、誰がやっても同じ効果が得られる=「再現性が高い」ということです。

どんな分野でもそうかもしれませんが、知識よりもその知識を実際にどう活かすか=実践が非常に重要です。もしもまだ「先取り貯金」があなたの中で「知識」にとどまっているのであれば、この機会に「実践」までグイッと引き上げてしまいましょう。
 

先取り貯金の金額はいくらにしたらいいの?

「先取り貯金が良いことは分かった。でも実際のところ、いくら先取り貯金したらいいの?」という声もよく聞きますので、金額の目安もお伝えしましょう。

僕が推奨しているのは、「手取りの10%~25%」です。家族構成やライフステージによってアレンジできるように割合の幅を持たせています。基本的には本多氏推奨の25%をベースとして、子育て期などお金がかかる時期は最低10%をキープするなど、工夫してみてください。

もちろん、余裕のある時期は「50%先取り貯金するぞ!」というのもアリです。実際、そういう方もいらっしゃいます。このパーセンテージは満足できる生活水準によっても変わってきますので、無理のない範囲を少しずつ見極めていきましょう。
 

先取り貯金の問題点と解決のための「仕組み化」

先取り貯金を実践すれば、手元に残ったお金だけで生活することになるので、ムダ遣いを確実に減らせます。とは言え、毎月毎月、決まった金額を手動で貯金するのは面倒ですよね。なによりも、「人の心」が入ってしまうので「今月は厳しかったしやめとこう…」といった悪魔のささやきに負けてしまうかもしれません。

そこで、先取り貯金をちょっと現代風にアレンジして「仕組み化」してしまいましょう。システムとして組み込んでしまえば、悪魔が付け入る心の隙間だって、最小限に抑えることができるかもしれません。

 

 

次は、いよいよ先取り貯金の仕組みの作り方について、ステップ・バイ・ステップで具体的に解説していきたいと思います。手順をおさらいすると、次のようになります。
 

1.「貯蓄用の口座」と「生活用の口座」をつくる

2.貯蓄用の口座に給与の一部を入金する

3.残りは生活用の口座に入金する

 

それでは、各ステップを見ていきましょう。

 

貯蓄用の口座と生活用の口座をつくる

まずは非常に重要なファーストステップ、口座をつくるところから。ポイントは、「貯蓄用の口座と生活用の口座の開設を、別々の金融機関で行う」ということです。

最近では、同じ金融機関内で仮想的に目的別口座をつくることもできますが、別々の銀行にスパッと分けることを推奨しています。理由は、同じ銀行だと資金移動が容易で、貯蓄用の口座に手をつけてしまうおそれがあるからです。

悪魔のささやきに負けやすくなるということですね。悪魔に負けない方法は、そもそも遭遇しないこと。つまり、先取り貯金を長続きさせるコツは、貯蓄用口座の存在を忘れることです。忘れると言ったら言い過ぎかもしれませんが、「気が付けばいつの間にか貯まっていた」くらいがちょうど良いと思います。

どれだけ鉄の意志を持っていたとしても、意志の力を過信するのは禁物です。人の心は揺れ動くものですから、そんな不安定なものに任せていては、しっかりとした貯金を続けていくことは困難です。先取り貯金に意志の力は不要です。仕組み化しましょう。

生活用口座、貯蓄用口座をそれぞれ別の金融機関で管理して、貯蓄用口座への入金もこれから解説する方法で自動化しておけば、普段の暮らしの中で貯蓄用口座を意識する頻度は下がります。自分で貯蓄用口座に毎月手動で移す場合と比べたら、それはもう圧倒的に。

生活用の口座と貯蓄用の口座は別々の金融機関でつくる。これをぜひ実践してみてください。
 

貯蓄用の口座と生活用の口座への自動入金

それでは次のステップです。貯蓄用口座への入金と、生活用口座への入金はほぼ同時に可能です。まずはじめに推奨する方法は、給与振込先の複数指定です。

給与の振込先を2つ指定しよう

多くの自治体では、給与振込先を2つ以上指定できるかと思います。僕の勤めていた自治体でも、複数の口座を指定することができました。この方法を使って、毎月の給与を「貯蓄用」と「生活用」それぞれの口座に自動で振り分けてしまいましょう。

例えば、5万円を先取り貯金する場合は次のようなイメージ。

●第一口座(貯蓄用)
→5万円を入金

●第二口座(生活用)
→手取りから5万円を引いた額を入金

 

具体的な操作方法などは、お勤め先の給与システムによりますが、基本的には貯蓄用口座に同額を毎月振り込むように指定すればOKです。庁内システムを使って、決裁不要で自分で自由に設定できるケースもあるでしょう。

もしも給与の振込先が1つしか指定できない場合もご安心ください。代替案があります。
 

給与の振込先が1つしかない場合

銀行によっては、「自動振込サービス」を提供している場合があり、「毎月この日に〇〇円振り込む」という設定ができるんです。

このサービスを使って、生活用口座から貯金用口座に定額を自動振込するように設定すれば、先取り貯金を自動化できます。一度設定してしまえば、あとはほったらかしでOKなので、ぜひお試しください。

この方法の課題は「振込手数料」という名のコストです。場合によっては数百円かかるケースもあります。せっかくの先取り貯金ですから、無用なコストは避けたいところ。いかにしてコストを回避するかですが…解決策として「ネット銀行を使う」ことをオススメします。

ネット銀行の場合、サービスの利用内容によって振込手数料が月に何回か無料になる、という特典があったりします。給与振込先として指定したり、無料アプリをインストールするなどの条件をクリアしたりするだけで、振込手数料が数回無料になるネット銀行もあります。ここを上手に活用しましょう。

その他、ネット銀行はATM手数料や金利の面で優位性もあります。利便性も高いので、ぜひこの機会に利用を検討してみましょう。
 

ネット銀行って危なくないの?

ネット銀行は比較的新しいサービスのため、利用に二の足を踏む方も少なくないと思います。実際、「ネット銀行の利用ってちょっと不安なんですよね…」というお悩みもお聞きします。

そこで、先取り貯金の本題とは少し逸れますが、ネット銀行を利用する際に知っておくと良いことについて少しだけ触れたいと思います。

「預金保険制度」をご存じでしょうか。万が一、金融機関が破たんしても、預金1,000万円とその利息までは保護される仕組みのことです。

各金融機関が保険料を払って預金保険制度に加入しているんですが、どの銀行が加入しているかどうかは、預金保険機構の公式サイトに一覧表示されています。

そして、多くのネット銀行もこの制度に加入しています。つまり、メガバンクも地銀もネット銀行も、同じ保険制度に加入しているということです。立っている土俵は同じなんです。

その前提で考えると、手数料や利便性の面でネット銀行を利用するという選択肢はアリだと考え、推奨しています。

注意点としては、インターネットを介した利用がメインとなるため、振込用のパスワード管理などは厳重に行う必要があります。
 

まとめ

それでは、今回の記事の内容をまとめます。

● 先取り貯金は大昔から実践されてきた資産形成の王道

● 先取り貯金は実践が重要!知っているだけでは意味がない

● 先取り貯金の金額は手取りの10~25%で始めてみよう

● 貯蓄用、生活用の2つの口座を別々の金融機関でつくろう

● 給与振込先の指定やネット銀行を活用して先取り貯金を自動化しよう

 

まだ先取り貯金を始めていない公務員の方は、ぜひこの機会に「実践」にチャレンジしてみてください。10年後、20年後の資産額に大きな違いが出てくるはずですから。最後に改めて本多静六氏の言葉をお贈りします。

「貯金の問題は、要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。」

最後までお読みいただきありがとうございました。

 


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本企画では、元公務員で、現在は公務員専門のファイナンシャルプランナーとして活躍している岩崎大さんに、気になる「公務員のお金」について執筆いただいた。
 


岩崎 大(いわさき・だい)

公務員専門FP事務所代表。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®。

1984年生まれ。熊本県出身。自治体職員として、生活保護・地域おこし・防災・選管・児童福祉などの業務に携わる。在職中にFP資格を取得し、2017年に退職・独立。公務員世帯に特化した独立系FP事務所を運営中。

ブログやメルマガ、YouTubeなど各種メディアで「公務員にとって本当に役立つお金の知識や情報」を発信中。YouTubeチャンネル「公務員専門FP」はチャンネル登録者7,000名(2021年10月時点)。
 

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