ジチタイワークス

【宮嶋 順也さん】メンタルをすり減らさず「自分のためになるかどうか」を考えましょう。

※下記はジチタイCLASS(2022年5月発行)から抜粋しており、記事は取材時のものです。
※誌面掲載のアンケートは、ジチタイワークス会員を対象に令和4年1月14日~2月7日に実施したものです

みやじま じゅんや● 1998年一橋大学社会学部卒業。民間企業勤務を経て2002年に小金井市役所入庁。保健センターでは精神障害者向けホームヘルパー派遣事業を、市民課では住民票などのコンビニ交付事業を立ち上げた。2015年に独立し、公務員志望者を育成する「株式会社大谷場教育研究所」を設立。専門は接遇実務、メンタルヘルスの守り方など。

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「現場の実務に即した具体的なポイントや、職場全体で仲間のメンタルヘルスを守る方策などを紹介。諸問題とその対処法を“免疫”として身につけることが大切です」

自治体職員の声
Q.コロナや苦情への対応が多い中、メンタルを弱らせない秘訣は?

先生の答え
A.「自分のためになるかどうか」を考えましょう。

自分をすり減らすのではなく、「プラスの経験」にできるか。

―― 職場でストレスを受ける主な要因と、その際にすべきことは何でしょうか?

自治体職員のストレスの要因は、大きく2つに分かれると思います。1つは、住民からのクレームなどの外部要因。もう1つは、職場メンバーとの関係などの内部要因。このうち外部要因は、自分で排除することができません。ひどいクレームによって心にダメージを受けた場合、いったんは気持ちが落ち着くまでひと休みしましょう。大切なのはその後、再び前向きに仕事に取り組めるかどうかです。

クレームに遭わないよう、窓口や電話対応を避けるなど消極的になると、周囲からも認められなくなり、ますますモチベーションが下がるという悪循環に陥ります。むしろ、積極的に仕事をして、感謝されたり頼られたりすることで好循環を取り戻せます。そして、それまでの嫌な経験も「免疫」となってメンタルを強くしてくれます。

ただし、一生懸命に仕事をすることは、「自分を犠牲にして奉仕すること」ではありません。熱心な姿勢も丁寧な対応も、喜ばれることが自信になり、自分のポジティブな変化につながるという好循環を意識してください。そして、住民・同僚・あなた自身がハッピーな「Win-Win-Win」をイメージできれば最高です。

身近な上司や同僚を助けていざというときの「保険」を掛けておく。

―― 気持ち良く働く環境づくりは、日頃からどんなことに気をつければいいのでしょう。

働きやすい環境を手に入れるには、先にお伝えした内部要因、つまり職場の上司や同僚との関係をより良くすることが不可欠です。そのためには、例えば同僚が仕事でミスをしてしまったときには、代わりに仕事を引き受けたり、サポートしてあげたりすること。普通は「なんでアイツの尻拭いを自分が」って思いますよね。でも、同僚へのサポートは、いつか自分がミスをしたり落ち込んだりしたときの「保険」になると考えれば、「お互いさま」という気持ちになります。実際に自分の仕事がしんどくなった場合は、1人で抱え込まず、すぐにまわりに報告・相談・共有しやすい環境をつくっておくことで、自分のストレス軽減につながります。

仕事面では、「できるかできないか」ではなく「するかしないか」が大事。まずは、あいさつや整頓など小さなことから能動的に取り組んで。そして、自分の担当業務に関しては、上長も及ばないレベルまで精通することを目指しましょう。これらも、最終的には自分のため。仲間を守ったりポジションを確立したりして、職場に「必要な存在」になれると、自分自身が気持ち良く働けるようになりますよ。

限界を感じる前に無理せず逃げて。強いメンタルには「心の余裕」が必要。

―― それでもつらいときには、どう乗り越えればいいでしょうか?

精神的に追い込まれないようにするためには、心身が元気なうちに気持ちに余裕をもっておくことが重要です。職場の内外に良好な人間関係を築いておくことも、有効手段の1つ。クレームなどで傷ついても、別の住民から感謝の言葉を掛けられて癒やされることもあります。また、職場の仲間にSOSを出せる関係であれば、悩みを1人で抱え込まずに済みます。

もう1つのオススメは、今の仕事を続けながら、ほかに興味をもてることを見つけて、資格を取ったり勉強したりしておくこと。もちろん、心が復活したらもとの仕事に戻ればOK。実際に転職や退職をするかどうかは別にして、「いざとなったら違う道もある」と思えるように保険を掛けておくことが、心のゆとりを生み出します。心のゆとりがあるだけで、メンタルの状況は随分良くなります。

ただし、ここまででお伝えしてきたのは、あくまでメンタル的に健康なときに気をつけるべきこと。もし限界を感じるようなことがあれば、ためらわず休んだり逃げたりしてください。職場の仲間にも頼ってください。精神面の不調から回復するのは、容易なことではありません。まずは、自分を大切に。「自分のためになる範囲」で頑張ることが1番だと思います。


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