ジチタイワークス

【ファザーリングKOBE】男性の育休は、生き方・働き方を考える良いチャンスです。

※下記はジチタイCLASS(2022年5月発行)から抜粋しており、記事は取材時のものです。
※誌面掲載のアンケートは、ジチタイワークス会員を対象に令和4年1月14日~2月7日に実施したものです

上:ほり・きょうへい/中:やまもと・じゅんこ/下:ながやま・ゆう● ともに神戸市職員で、育休経験者。「ファザーリングKOBE」は、育児や家事に積極的に関わる男性を増やそうと、2021年3月に市職員5人で設立したグループ。現在のメンバーは20人ほどで、情報交換や交流会、勉強会などを随時開催しながら、庁内の理解促進も目指す。山本さん制作のロゴマークは、オスが卵をかえして子育てをする皇帝ペンギンを模したもの。

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自治体職員の声
Q.男性育休を取得したいのですが、前例がなくて迷っています。

 

先生の答え
A.育休は、生き方・働き方を考える良いチャンスです。

ワークのついでにライフではなく、ライフを豊かにするためにワークがある。

―― 「ファザーリングKOBE」を設立したいきさつと、育休取得時のお話を聞かせてください。

堀 ●  実は以前の私は仕事人間で、ワークのついでにライフがあり、子育ては妻に任せっきりでした。生き方を考え直したのは、友人の過労死がきっかけです。前職時代に2人目が産まれ、部署で初めて男性育休を取得。「前例がない」「奥さんが病気でもないのになぜ」「出世に影響する」など、色々な言葉を掛けられましたが、なんとか取得し、いざ育児をしてみると仕事よりもきついほど。妻はこんなに大変なことをやっていたのかと驚きました。その経験から、娘たちが社会に出たときに、仕事に誇りをもって働きつつも、安心して子育てできるのが当たり前の世の中にしたいと考え、この活動を始めました。「もっと子育てがリスペクトされる世の中にしたい」と思っています。

永山 ●  僕らは育休を取ったことで考え方も変わったし、家族も幸せになった。そして生き方や働き方を見直すきっかけにもなりました。僕は長期の育休を2回取りましたが、堀さんは週1〜2日の休みを1年間かけて取得しました。男性からは「どのくらいの期間取得すればいいですか?」という相談をよく受けますが、仕事の都合よりも、家族としてどうしたいのかを、夫婦で一緒に考えてみてください。その上で職場とよく話し合って、取得期間を決めてほしいと思います。大切なのは、いざ育休を取りたいと思ったときにそれができる体制が整っていることであり、そのためにファザーリングKOBEは活動をしています。

 

―― 山本さんは母親ですが、ファザーリングKOBEのメンバーなのですね。

山本 ●  メンバーには独身男性もいて、属性はあまり関係ありません。「誰もがそれぞれの幸せの形を実現できる社会にしたい」という思いで集まる組織です。

堀 ●  育休取得男性というマイノリティだけが集うと、狭くて内向きの議論になりがち。日本のお母さんの立ち位置を経験する山本さんは貴重な存在です。

 

個人の幸せを実現できる社会をつくるファーストペンギンになってほしい。

―― 育休中に不安などはありませんでしたか。

永山 ●  復職後に仕事についていけるかという漠然とした不安はありました。育児は24時間、自分の時間もなく、情報弱者になりがちです。うちは夫婦で育休を取ったのですが、慣れない頃は2人体制でも手一杯で、夫婦ともに疲弊してしまう。そこで途中から交代制にして、しっかり休息を取ることにしました。その時間で、夫婦それぞれ情報収集や勉強ができるようになったのは良かったですね。父親は仕事に出掛けてキャリアを続けながら息抜きもできるのに、母親はできない。これは変えていかないといけないことです。

堀 ●  育休期間に家族と向き合い、育児を通じて夫婦が仲間になれたのは、私にとって生涯の財産です。古風な組織風土の中で育休を取得する人は、まさに「ファーストペンギン」。職場では厳しいことも言われましたが、相手も私を思っての発言で、悪気はないのです。思えば異文化コミュニケーションのような日々でしたが、少しずつ理解を広げた日々でもありました。私の退職後に何人か育休を取得したと聞いて、ファーストペンギンになれて良かったと思っています。

 

育休は非生産的な時間ではなく、職員・職場ともに学びを得る貴重な時間。

―― 育休取得後の職場はどうでしたか。

永山 ●  復職後は、限られた時間で効率良く働く意識が強まりました。部下には「いつ休むかなんてお互いさまだから、チームでサポートしていこう」と伝え、業務の効率化など、生産性を上げる工夫をしています。今では部下全員の意識も変わり、明らかに残業が減って、有休取得も増えましたよ。ほかにも良かったと思うのは、視野が広くなったこと。僕は育休中に夫婦で保育士資格を取得したのですが、新たな学びの時間を得ただけでなく、一市民として行政サービスを経験できたのも、社会を知る良い機会になりました。

山本 ●  育休中に様々な経験をして知見を得た職員が戻ってくるのは、長い目で見れば、組織にとってプラスになるはずです。育休を取ると伝えたら「おめでとう」と上司が祝う社会にしていくためにも、全国の組織で率先して育休を取得するファーストペンギンたちが増えてほしいですね。

堀 ●  人も予算も少ない職場で、働き盛りが抜けるのは困るでしょう。しかし育児だけでなく、今後やってくるのは大介護時代。個人の事情や生き方と両立できる働き方が、ますます求められます。制限つきの人材でもまわしていけるのが健全な組織で、ワークライフバランスを保つことは、働き手に選ばれる職場になるためにも大切。職員の育休取得は、そんな職場づくりのチャンスです。我々の活動がその一助になるよう、男性の育児参加へのサポートだけでなく、講演や勉強会の開催など、まずは足元の市役所から意識を変えたい。それが民間へ広まり、神戸市から日本の働き方を変えていけたらと思っています。

 

 

育休取得が進む男性国家公務員

令和2年度から、政府は子どもが生まれた全ての男性国家公務員が1カ月以上の育休を取得できることを目指し、取り組みを進めている。地方自治体も準備を。

 

上司・人事はCHECK!

内閣官房の資料を使おう!

内閣官房内閣人事局ホームページには、上司と部下で育休取得を計画的に進めるための資料が公開されている。

● 取得計画兼フォローシート
● 業務遂行計画書
● 家族ミーティングシート
● 収入シミュレーションシート
● イクメンパスポート など

上記資料や取り組みの成果は、こちらからダウンロードが可能!ぜひ参考に。 

 

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