ジチタイワークス

福岡県福岡市

【高島 宗一郎さん × 﨑田 恭平さん】未来を見据え、「イノベーティブな挑戦」ができる公務員へ。

※下記はジチタイCLASS(2022年5月発行)から抜粋しており、記事は取材時のものです。
※誌面掲載のアンケートは、ジチタイワークス会員を対象に令和4年1月14日~2月7日に実施したものです

たかしま そういちろう● 1974年生まれ。大学卒業後はアナウンサーとして朝の情報番組などを担当。2010年、36歳で福岡市長に就任し、現在3期目。2014年に国家戦略特区を獲得し、数々の施策でスタートアップシーンをけん引。福岡市を開業率連続日本一に導く。また、都市開発プロジェクトやMI CEなどの政策で、令和元年度まで7年連続、税収過去最高を更新。教育再生実行会議、デジタル臨時行政調査会の委員として自治体現場から日本を変える提言に力点を置く。著書に、日本を最速で変える方法(日経BP社)、福岡市を経営する(ダイヤモンド社)。

さきた きょうへい● 1979年生まれ。宮崎県庁、厚生労働省を経て、33歳で日南市長に就任。「日本一組みやすい自治体」「日本の前例は日南が創る」をキャッチコピーに掲げ、ベンチャー企業並みのフットワークの軽さで、民間人登用や官民連携による地域課題の解決策を実行し、その手腕が全国から注目された。2期8年を務め、3期目は出馬せず2021年に退任。 現在は「株式会社飫肥社中(おびしゃちゅう)」の代表取締役として、人材育成、政策支援などに取り組む。「ジチタイワークス」アンバサダー。

自治体職員の声
Q.これからの時代、首長が求める公務員のスキルや姿勢とは?

お二人からのメッセージ
A.未来を見据え、「イノベーティブな挑戦」ができる公務員へ。

明朗なコミュニケーションと伝わる発信力。

―― 高島さんは放送局、﨑田さんは県庁職員からの首長就任。特に高島さんは、当初、行政の世界を新鮮に感じたのではないでしょうか?

高島 ●  そうですね、行政と民間の大きな違いは、営業部がないことだと思います。私は前職時代から、ビジネスも人間関係もWin-Winな状態をつくることが大切だと考えてきました。公務員の皆さんと話していると、その視点が欠けていると感じることがあります。もう1つ、「あいさつをしましょう」と伝えたいですね。民間なら来客時に「いらっしゃいませ」などと声を掛けますが、役所にはそんな雰囲気があまりない。職場内外にかかわらず、活発にコミュニケーションを図ることは非常に大事だと思います。

﨑田 ●  職場に明るい人が1人いるだけでも雰囲気が変わりますからね。私は日南市長として「日本一組みやすい自治体」を旗に掲げ、民間企業の力を積極的に活用してきました。その際、「行政用語は民間に通じない」と自覚していたので、その通訳を担ってもらうために、民間出身の人をマーケティング専門官に採用しました。

高島 ●  確かに、言葉は大事。また、私は「発信力」も意識しています。発信力とは、有名人の発言がメディアに取り上げられることではなく、自分の話を聞いた人が、その内容をほかの人に正しく伝えられるかどうか。そのためには、シンプルに分かりやすく語らなければなりません。また、聞き手が周囲に「伝えたくなる」ことも大切。例えば、福岡市では「FUKUOKA NEXT」「天神ビッグバン」など端的なフレーズを用いて、周囲を巻き込むように心掛けています。

マネジメントは「強みの分析と配置」が重要。

―― 本誌アンケートでは、マネジメントに関するお悩みや、そのスキルを学びたいという声が多く寄せられました。どんなことに気をつけたらいいでしょうか?

高島 ●  市長就任から12年目に入りますが、マネジメントや人事は、いまだに悩むところです。未来を考えた次の一手を提案してくれる「攻めの職員」を評価したいけれど、そういう人に限ってマネジメントが不得意だったり、反対に「職場をうまくまとめられる職員」はアウトプットが物足りなかったり……。攻めが得意な人をリーダーにするなら、着実に落とし込める人をサブにつける組み合わせで、組織としてのパフォーマンスを最大化することが重要。リーダーになる人は自分の成果だけでなく、攻めと守り、長期的な視点をもち、多角的に考えて行動してほしいですね。

﨑田 ●  本当にバランスは大事ですね。マネジメントをする立場になったら、自分のまわりにいる人々の「戦力」をしっかり分析した配置を意識すること。また、公務員として忘れてはならないのが、職場内のみではなく、地域のキーマンも大切な戦力と考えること。プレイヤーとして優秀な人、守りが得意な人など、それぞれの強みを分析した配置が、いいマネジメントにつながると思います。

高島 ●  組織には2:6:2の法則があって、私は、やる気のある「上の2割」がいきいきと働ける環境を後押ししたいと思っています。その2割が輝くことで、真ん中の6割も上に引っ張られるので。日本が良くなるためには、各地方が、それぞれ地方なりに最高に輝くことが大事で、そのカギを握っているのは、やはり公務員の皆さんです。

人としての魅力を高め、改革に果敢に挑む!

―― 最後に、全国の公務員の皆さんにメッセージを。

﨑田 ●  私は、自分自身も県庁職員を経験し、地方公務員ほど面白い仕事はないと感じています。誰よりも現場を知っているのは皆さんで、現場が上げる情報によって上司や首長は方向性を定める。つまり、「自分が担当分野の政策をつくるのだ」というくらいの自負心で働けることが、公務員の醍醐味ではないでしょうか。そのための大前提として、職場内で信頼を得ることはもちろん、地域の人が声を届けたくなるような、「人としての魅力」が必要ですね。幅広い視点を備えて地域で活躍し、自分がまちを引っ張っていくという気概のある公務員であることを、皆さんに期待しています。

高島 ●  これから公務員の仕事は、どこよりもイノベーティブで、どこよりもリスクを取ることが求められると思います。前例や慣習、横並びが重視される行政において、イノベーションを起こすのは非常に大変。人口減少、少子高齢化が進む中、今の手法では行政サービスを維持できないことは自明です。しかし、そこに果敢にチャレンジする首長もいます。これを読んでいる皆さんは向上心があり、プライドをもって仕事に臨んでいる公務員だと推測します。私をはじめ、改革を目指す首長たちと、志を同じくする皆さんとで、力を合わせて日本の行政組織をアップデートしましょう。自動的にアップデートされることも、痛みなくラクに実現することもありません。それでも、それぞれの自治体が各分野で風穴を開け、「互いがそれに倣う動き」が盛んになればいいなと考えています。切磋琢磨し、前進しましょう!

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