ジチタイワークス

残土運搬のDXであらゆる土の移動を“見える化”し、安心・安全なまちに。

土木・建設業の分野でもICT技術の導入が進む中、残土運搬作業に関しては、いまだに旧態依然としたやり方が続けられている。そんな古い業界の慣習を変えるべく「Bridge」と「ソフトバンク」が協働でサービス開発・提供に乗り出している。

※下記はジチタイワークスVol.19(2022年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社Bridge

業界にいたから生まれた非効率への問題意識。

記録的豪雨が頻発する近年、土砂災害も各地で多発している。復興の第一歩は、まず流出土砂を迅速に運び出す作業だが、ダンプの手配やドライバーへの連絡はいまだに電話やFAXがメインで、情報共有もできず非効率なままだという。公共工事も同様で、効率の悪さが工期遅延やコスト増大の原因となるケースも少なくはないようだ。

そこで、作業の発注側(自治体や請負建設会社)と受注側(ダンプ運行会社)をICTシステムでつなぎ、効率化による工期短縮とコスト削減を目指して開発されたサービスが「DANPOO(ダンプー)」だ。「私自身、20年ほどこの業界にいますが、無線連絡がスマホに変わったこと以外は、取引方法もダンプの運行管理も、ほぼ当時のまま変わっていません。情報をマッチングして共有すれば、もっと効率化できると考えていました」と、システム開発のきっかけを語るBridgeの杉本さん。

平成30年、DANPOOの前身にあたるシステムを完成させリリース。折しも、ソフトバンクが建設・物流業のDXソリューション開発を進めていたことから、両社がタッグを組み、さらに高度な開発を進めることになった。ソフトバンクの山村さんは「建設業界の方々と話をしていく中で、残土運搬を担う下請け会社の効率化まで手がまわっていないことが分かりました。しかしそこが改善されない限り、現場の生産性は向上しません。業界全体のために“運土のDX”が必要だと考えました」と語る。

効率化はもちろん、受注側の売上アップに寄与できる。

DANPOOは、発注側が必要なときに必要な台数のダンプをWEBで依頼できる。受注側は煩雑な電話対応がなくなり、手配や配車計画も立てやすくなるのが最大の特徴だという。「ソフトバンクさんと一緒にシステムの随所を改善しました。特に、ダンプ運行会社の主軸となる“手配係”の配車や管理作業が効率化され、電話に出られなかった、ドライバーに伝え忘れたなどのヒューマンエラーは、ほぼなくなります」と杉本さん。

さらに従来では1日単位の依頼だったところが、現場に合わせて1台・1回単位で依頼できる。「必要なときに必要なだけの依頼なので、発注側はコストが抑制できる一方、受注側にとってはダンプの稼働率を上げることができ、売上アップにつながります」。また、AIが現場までの最適なルートを選択し、そのルートをもとにダンプ到着時刻を予測できるので、受発注双方がスケジュール管理しやすくなる。その分、工期短縮も見込めるという。

“土のトレーサビリティ”はまちづくりに欠かせない。

運行状況が“見える化”されることも導入のメリットだ。「ダンプ全台が作業時刻に一斉に到着しても、現場には入りきれません。待機しなければならないため、近隣道路の渋滞など、住民生活への影響もありました」。それが、配車時間のコントロールや、GPSによる位置情報をドライバーにも共有することにより、運行がスムーズになる。

また、ダンプの運行記録がログとして残ることで“土のトレーサビリティ”が可能になる点も大きい。「現場から運び出された土は、埋め立てや土地造成で再利用できる建設副産物です。ところが、どれくらいの量の土をどこに運んだかという管理は、ほとんど行われていない。安全・安心なまちづくりにとっても“土”の問題は欠かせないはずです」と杉本さんは熱を込める。令和3年、静岡県内で大規模な土砂災害が発生したが、原因の1つである造成地への盛り土も、いつ、どれだけの量の土が運び込まれたのか管理されていなかったようだ。「DANPOO導入が、国土交通省の取り組み『i-Construction※』推進の一助になると期待しています」と山村さん。今後の展開に注目したい。

※建設現場での全面的なICT活用により、建設生産システム全体の生産性向上を目指す取り組み
 

左:Bridge
代表 杉本 雄作(すぎもと ゆうさく)さん
右:ソフトバンク
デジタルトランスフォーメーション本部 需給最適化
PF事業部 建設物流MaaSプロジェクト
プロジェクトリーダー
山村 洋平(やまむら ようへい)さん

安心・安全なまちづくりにつながるDANPOOの仕組み

土砂運搬作業の効率化により、災害復興だけでなく、あらゆる工事の工期短縮やコスト削減が可能となる。地域全体で取り組みを進めることで、自治体と企業だけでなく住民にもメリットを生む“三方良し”のシステムだ。

これから自治体に求められること

CHECK

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サービス提供元企業:株式会社Bridge

TEL:0120-546-881
住所:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエストオフィスタワー18F
E-mail:cs@danpoo.jp

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