ジチタイワークス

静岡県菊川市

新電力の採用でコスト削減を目指す(静岡県菊川市)

資源エネルギー庁主導のもと、段階的に規制緩和がなされてきた「電力自由化」。2016年からは小売部門が全面自由化され、消費者が供給業者やサービスを自由に選択できるようになりました。

現在、多くの自治体が新電力と呼ばれる事業者と電力の供給契約を結んでいます。ところが、菊川市内の公共施設では、新電力を導入している施設は市役所本庁舎及び指定管理施設のみだったのです。

そこで菊川市財政課は動きました。

※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.6(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

指名競争入札で判明した驚くべき削減額

まずは、導入にあたり市内高圧電力使用施設の中でもメリットの発生が期待できる施設を精査。供給条件やコスト削減の見込額などから対象施設を18施設に絞り込みました。

次に競争入札にて価格を比較。入札参加者には「①経済産業大臣の許可を受けている者(電気事業法第3条第1項及び同法第2条の2の規定による)」、「②二酸化炭素排出係数が0.555kg―CO2/kWh未満であること」の2つの条件を設定しました。また、財政課で一括して入札契約に関する業務を担うことで事務手間の削減とスケールメリットの極大化を目指しました。

その結果、市内18施設の合計金額が年間で約1626万円の電気料金削減(従来の電力会社との比較)に成功したのです。


新電力導入による電気料金削減効果の図

電力自由化、今後の課題

「近年の規制緩和によりさまざまな企業が電力事業に参入しています。導入にあたっては、何より企業の見極めをすることが必要ですね。倒産や事業撤退のリスクに備えて、経営状況等を確認しておくことが重要だと思います」と、当時の担当者。

今後は、低圧・電灯部門での新電力の取り入れも検討しているとのこと。ただ、個々の施設での使用電力が少ないぶん、削減効果を高めるためには、可能な限り対象施設をまとめることが課題です。

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