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【G-people:田畑 優さん】全ての人に映画を届けるユニバーサル上映会を開催

行政の現場では、多様な住民に寄り添うことが求められる。その理念に仕事の外でも向き合っているのが、山形市(やまがたし)の田畑さんだ。障害がある人とない人が、同じ空間で映画を楽しめる環境を目指し、プライベートな活動として「ユニバーサル上映会」を開催している。
※下記はジチタイワークスVol.46(2026年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。


山形県山形市
財政部 市民税課
田畑 優(たばた ゆう)さん (入庁8年目)
「チャップリンの“人生は願望だ。意味じゃない。”という言葉を心に刻んでいます。意味を考えたらしんどくなることもあるので難しく考えず、“素敵だ”と思えることならやってみるとよいのではないでしょうか」。
心震える映画館との出会い。
大学進学を機に山形市に移り住みました。映画文化が息づき、人の温かさにあふれるこのまちを気に入り、公務員となって定住しています。
実は、中学3年生の頃、心が沈んでいた私を救ってくれたのが、深夜に見た1本の映画でした。主人公の姿に自分を重ね、“映画は心に寄り添ってくれる”と感じたのです。その後も作品に触れる中で、名作の美しさに心をひかれ、生涯映画を追いかけようと決めました。
約5年前、難聴のある知人と話をしている際、「字幕があれば見られるのに」という言葉に衝撃を受け、映画を見られない人がいる現実に気づきました。そして、何もできない自分をもどかしく思ったのです。
そのような中、令和5年に東京のとある映画館に出会いました。そこでは上映される全ての映画に日本語字幕と音声ガイドが付いていて、障害がある人も楽しめる空間が広がっていました。これに心を動かされ、思わず支配人に「日本一の映画館だと思います」と声をかけました。その後、改めてSNSで伝えると、「いつか山形でユニバーサル上映をしませんか。全力で応援します」とお返事が。この言葉に応えたいと思ったのが、活動のきっかけです。まずは、作品選定の仕方や企画など、上映会を開催するまでの流れを学べるワークショップに参加。運営のノウハウを学びました。また、音声ガイド制作チームで、現場を経験しました。
夢を話し、周囲を巻き込む。
令和7年3月、ユニバーサル上映会を開催すると、約300人が来場。音声ガイドの機械を70台ほど貸し出しました。3回目では、映画製作会社に許可を取り、半年かけて字幕を付けることに成功。上映後に、観客の1人から「若いときに同じ映画を見たけど、そのときはあまり理解できなかった。今日は字幕があったので内容がよく分かり、本当に楽しめた。ありがとう」と手話で伝えてもらい、うれしくて家で泣きました。
映画館の支配人をはじめ、宣伝や運営を手伝ってくれた職場の仲間など、多くの人たちが協力してくれるおかげで実施できています。顔を合わせて思いを伝えることで、アドバイスをもらえたり、協力を得られたり。だからこそ、自分の夢や思いは、まず言葉にすることを大切にしています。
来年春に予定している4回目の上映会に向け、音声ガイドの自作も進めています。今後もユニバーサル上映会を全国に広めるために、楽しく取り組んでいきます。
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