宮崎県小林市

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コスト削減と省エネの両立を目指し一括設備更新に挑戦。

都市整備・上下水道
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コスト削減と省エネの両立を目指し一括設備更新に挑戦。

公共施設の設備更新における包括支援

公共施設の設備更新において、空調や照明など複数設備の一括更新を検討するケースは少なくないだろう。そんな中、小林市ではエネルギー効率も重視しながら、財政負担の軽減を目指す更新手法に挑戦。担当者に詳しい経緯を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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小林市
健康福祉部 長寿介護課
主幹 永野 真吾(ながの しんご)さん

施設のエネルギーマネジメントを進め維持管理費削減をかなえる手法とは。

同市の養護老人ホームでは、維持管理費の増加が課題だった。「令和3年に年間約1,400万円だった光熱費が、令和6年には約2,000万円に膨らんでいました。原因は、エネルギー価格の高騰と設備の老朽化でした」と永野さんは振り返る。例えば、ガス空調設備は2台のうち1台が故障していたが、製造中止のため修理も買い替えもできなかった。これにより運転効率が悪化し、さらに光熱費がかさむことになったという。そのほかにも、突発的な修理が発生するため、メンテナンス費の変動が大きく予測も難しかった。「指定管理者である社会福祉法人は、施設管理の専門家ではありません。当市も限界を感じており、財政負担軽減のために、ZEB(※)化を目指した一括設備更新の事前調査を行いました」。

調査を進める中で、施設の設計・施工・維持管理を包括して進めるだけでなく、エネルギー削減効果を保証する「ESCO(エスコ)方式」を知ったという。改修により削減できる光熱費を事前に予測できるほか、設備更新の事業費を分割して支払える仕組みのため、費用負担が一定になる。これにより、指定管理者が事業の見通しを立てやすくなると感じたそうだ。

※ZEB=Net Zero Energy Building(快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと)



補助金申請や事務作業も任せられ職員の業務負荷軽減に寄与した。

ESCO方式による一括設備更新への期待は大きかったが、庁内や指定管理者との合意形成には苦労があったという。調査データを踏まえ、放置すれば将来的な負担が大きく膨らむリスクを共有し、理解を促した。こうして、令和6年にプロポーザルを実施し「大和リース」が採択された。「特別な技術や過剰な設備ではなく、標準的な技術と工夫を組み合わせた提案が評価のポイントです。これを機に、既設のガス空調を高効率な電気に切り替えることを決めました」。事業は同社を代表とする共同事業体が運営する。この共同事業体には、県内の設計・施工会社や維持管理業者も含まれており、地元経済への貢献も期待されている。

同社は、補助金申請や設備の認証事務などを含む全体のマネジメントを担当。「特に、煩雑な補助金申請を代行してくれたことが助かりました。財政的なメリットだけではなく、当課の人員を割かずに、しかもスピーディに進められた点もよかったです」。施設が完成した平成18年以来、今回が初めての大規模改修となり、空調のほか、照明、換気、給湯設備などが入れ替えられた。更新後はエネルギー使用量が“見える化”され、空調や照明の自動制御も可能になったという。

コスト削減と調整業務の省力化でESCO方式のメリットを実感。

ZEB化を目指した改修が完了し、すでに効果を感じているという。「更新後は、自動制御によってエネルギーのムダな消費が抑えられました。ガスからの切り替えで電気代の増加は想定していましたが、光熱費全体では削減につながっています」と笑顔を見せる。入居者からは“暖房の効きがよくなった”“ボイラーの音が静かになった”との声が届いているそうだ。また、設備の維持管理に関する問い合わせ窓口が一本化され、指定管理者の調整業務が軽減したことも喜ばれている。

この方式は、老人ホームに限らず、様々な公共施設に応用できると力を込める。「一般的なリース方式と比較すると、維持管理費が上がったように見えるかもしれません。しかし、財政面や事務作業など、有形無形の負担を考えると大きなメリットがあると思います。事前に調査やシミュレーションを行い、補助金を含めたトータルの財政負担を比較することが重要です」と締めくくった。今回のように、利用者・指定管理者・自治体という関係者の“三方よし”の課題解決を目指すためには、実態を把握し、見通しを立てることが重要になりそうだ。




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